アウトローのアウトドア(25):灯りの話①
アウトドアの夜って、本当に暗い。
最近のキャンプ場は、夜でも明るいところが増えた。LEDライトがあちこちに設置されていて、便利といえば便利だ。
でもそのせいで、「夜が暗い」という当たり前の感覚を忘れてしまっている気がする。
実際の夜は、本当に暗いんだ。
あのとき、俺が体験した「真の暗闇」を話そうと思う。
売木村の寂れたキャンプ場
昔、俺がバイクに道具を積んで出かけた先は、長野県の売木村(うるぎむら)にある小さなキャンプ場だった。
今ではきれいな施設に生まれ変わったらしいが、当時は手入れもされていない寂れた場所だった。
売木村はキャンプ好きにはたまらないエリアだ。
例えば、星の森キャンプ場は、山の上にあって、天気が良ければ満天の星空が楽しめる。ファミリーキャンプにもピッタリだ。
他にも、Farmer’s Camp ポレポレみたいな私営のキャンプ場も魅力的だ。
その一方で、静かなソロキャンプを楽しみたいなら、白樺高原キャンプ場や岩倉ダムキャンプ場がいいだろう。
俺が行ったのは「岩倉キャンプ場」という場所だ。
今はもう無いが、当時は売木村が運営していて、簡易なバンガローがいくつかあった。
こんな雰囲気の場所だ。
このキャンプ場は予約もせず、管理人に電話一本で利用料を払うスタイルだ。
ちょっと考えられないだろ(笑)。
まあ、今でも岩倉ダムキャンプ場や白樺高原キャンプ場は予約はできないキャンプ場だがね。
真の暗闇
このキャンプ場、水場はきちんと管理されていて、水質も最高だった。
ただし、トイレは…正直、使い物にならなかったな。男の俺でもギリギリのレベルで、女性には到底オススメできない。
そして、夜になると灯りが一切ない。完全な暗闇だ。
当時の俺が持っていた灯りといえば、このロウソク式ランタンとマグライトくらい。
これで夜を過ごしたんだが、辺りが日没で暗くなると、本当に闇。街灯もなければ、近くに人家もない。
手を伸ばしても、自分の手が見えないほどだ。
現代人として都会で育った俺にとって、それは衝撃的な体験だった。
暗闇とはこういうものか、と。
灯りは…重要だ
この体験をして以来、俺にとってアウトドアの夜に灯りは欠かせないものになった。
灯りがあるからこそ、夜のアウトドアを安心して楽しめるんだ。
でもね、あの真っ暗闇の中で感じた静寂と空気感――それは今でも忘れられない貴重な記憶だ。
「本当の暗闇を知ると、文明の光がありがたくなる。」
(2025-01-05)