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【武漢旅】武漢の現在と華南海鮮市場

先週末、武漢に行ってきた。

期限が切れてしまうANAのマイルがあって、週末に北海道か沖縄でも行こうかと考えていたのだが、少しマイルを足せば韓国や中国も行けるということに気が付いた。

だが、国際線の特典航空券は概して人気が高く空いていない。そんな中、空席が見つかったのが武漢だ。

コロナで有名になってしまった武漢だが、果たして現在の様子はどうなのだろうか。2泊3日という強硬スケジュールで訪れた。

【渡航まで】

過去、日本人が中国を旅行で訪れる場合、ビザは免除されていた。

だがコロナ後は、2023年6月の現在も、旅行者はビザが必要だった。

これに気が付いたのが1週間前。仕事の合間に急いでお台場のビザセンターに行ったが、ここには日本人と中国人のおっさんが大量に並んでいた。

おれは行列に並んだり、大勢の中で待機する、というのが本当に苦手なので、心が何度も折れかけた。3時間耐え忍び、なんとか申請。

料金も急ぎだとのことで、14800円も取られた。

好きなことのためなら、嫌なことも何とか我慢できる、というところだろうか。

【旅路】

旅程はこんな感じ。
行き:成田→広州→武漢
帰り:武漢→北京→羽田
金曜の朝9時半頃に成田発のフライトで、武漢に到着するのは夜6時すぎ。
日曜は朝10時半に武漢発のフライトなのでなかなか忙しい。

広州行きのフライトはガラガラであった。

広州での乗り継ぎを経て、武漢に着いた。
武漢では市内全域に地下鉄が伸びており、空港から市内までも40分程度で着くことができる。

循礼門という駅からタクシーを拾い、ホテルへ。

タクシーからの一枚。中心に光る塔は、東京スカイツリーのようだ。


【人々】


2016年に深圳を訪れたときも感じたけれど、中国の人は概して本当に親切だった。日本にいるとどうしても中国に対してネガティブなニュースが多いので、無意識に警戒してしまうが、みなよく助けてくれる。

だがそれは、日本的な「親切」とはやや異なる。

街中で目的地を探していると「おい、おまえ何してんだ?」と突然怒鳴ってくるおっさんがいる。
「〇〇探してんだよ。わりぃか」とこっちも言い返すと
「見せてみろ。こりゃーまっすぐ行って右にあるんだよ」
「え、ああ。ありがとうございます。」
「おう、元気でな」(そして淡をペッと目の前で吐く)
といった塩梅である。

これは世界広しといえど、なかなか独特だ。
どこの国とは言わないが、笑顔で優しく話しかけてきてボッタくるパターンはあるが、一見怒っているように見えて優しい、というパターンは少ない。

土産屋に行ったら、頼んでないのにおまけをつけてくれるし、言葉少なめなタクシーの運転手はチップを受け取るどころか料金を負けてくれたりする。

まぁもちろん本当に無愛想な奴もいるのだが、さっぱりしていて気持ちよい。

【華南海鮮市場】

新型コロナウイルスの発生源には諸説あるが、有力であると言われる場所の一つ。
中国では、wet marketと呼ばれる野生動物を販売する市場が過去に多くあり、華南海鮮市場もその一つだった。
タクシーで行ってみると、2階建ての建物の1階はすべて青い壁で覆われ封鎖されていた。だが、2階の眼鏡市場は以前として開いている。
2020年に封鎖され3年が経っているためか、同じ建物の眼鏡市場でマスクをつけている人はほとんどおらず、建物のすぐ近くでは路上で老人が麺をすすっていた。

現在は閉鎖された華南海鮮市場(1階)。2階の眼鏡市場は現在も営業している。


同じ建物2階の眼鏡市場は現在も営業している。だがコロナのためか閑散としている。

ちなみに、上記市場で働いていた人は、街の郊外にある新・華南海鮮市場というところに移ったらしい。
旧市場が街の中心部にある築地だとすれば、新市場は足立区の外れ、もしくは埼玉の三郷といったところか。

40分ほど地下鉄に揺られ、こちらにも行ってみた。

新・華南海鮮市場の食肉区画。現地の卸業者と言ったところか。

区画整理された新しい建物に、海鮮・食肉などの部門が分かれて入っており、特段不潔だということはなかった。
生きた亀やネズミが解体されている現場はやや見ていて辛かったが、タヌキやコウモリはいなかった。

正直、なぜこの街でコロナが発生したのだろうか、疑問に思うほどだった。
東南アジアやアフリカの市場のほうが何倍もヤバいところは多かったので、拍子抜けしてしまった。


【武漢の街】
今回一番驚いたのが、武漢の都会っぷりだ。
武漢の人口は1100万人なので、東京23区を上回っている。郊外には、似たような高層マンションがどこまでも広がっている。

中心街は渋谷や新宿のような賑わいで、だが綺麗で新しい。3年間のロックダウンが終わり、祭りのように賑わっている。

武漢の中心街。若者で賑わっている。
現地で知り合ったカップル。


物価も安くて、日本の半額程度といったところか。脂っこい中華料理をたらふく食べたあと、豊富なフルーツをさらに腹に詰め込んで1000円程度だ。

街の喧噪に疲れたら、幅1キロ近い長江の畔でゆっくりできる。夜は河の対岸に広がるビルのネオンが幻想的だ。

また武漢では桜が有名で、3月は街が桃色に色づく。東部には美しい湖が多くあるようで、自然も満喫できる。

最後に

武漢に行くまでは、大げさに言えば紛争地に行くような心構えであったが、行ってみたらあまりの快適さに、わずか2泊3日という短い滞在にしたことを後悔したのであった。

人は良い、メシが美味い、物価が安い、と褒めまくってきたが、難点がないわけではない。

それは言語だ。9割以上の人には英語が通じない。ホテルでも英語が話せる人は限られており、その人も基礎的な会話でないと通じない。

というわけで、最低限の中国語はマストであるが、英語が通じてしまう国というのはある意味国際化が進んでおりその国独自の魅力というのは薄れてしまうものだ。武漢で感じた異国情緒は、市井の人々が英語を話せるようになってしまったら、消えてしまうかもしれない。


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