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朝顔の観察日記を書いて提出しなさいという課題を与えられた。他の子の朝顔が立派に咲き始めてくるなか、ぼくのだけ一向に芽が出ない。それで興味がなくなってなんとなく放置していたのに、数日後に思い出して見てみるとおよそ朝顔とは言えないような毒毒しい花が咲いていた。それだけではなかった。花の陰に実が付いていた。いまのところ実が付いているのはクラスでもぼくだけだろう。せっかくだから見せつけてやろうと思ってクラスのみんなをわざわざ注目させて実をもぎ取った。そしてそれを前に掲げると近くにいた女子生徒が悲鳴を上げた。もぎ取ったそれは首を吊った小人だった。