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鳥になった夢を見た。目が覚めると鳥が口の中で生まれるようになった。種も仕掛けも前触れもなく口の中に鳥が突然発生する。鳥はぼくの口をこじ開けて飛び立っていく。たまたまそれを見た子供は手を叩いて喜ぶ。手品だと思っているのだ。しかしぼくとしては鳥が出るたび泣きそうになる。想像してみてほしい。羽が寄り集まって口の中にいるのを。細くて硬い脚が舌を押さえつけるのを。その想像よりもリアルな感触が自分の口の中に発生しているのだ。想像で済めばなにも問題はなかった。それが自分のことになると、もし仮にすべて夢に過ぎなかったとしても、見ている間はリアルに感じるものだ。リアリティは思い込みに何か関連があるに違いない。夢というのはきっと口の中に発生するものなのだ。

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