社外取締役としての役割(イー・ギャランティ)~24年3月期第2四半期決算~
1.はじめに
6月28日、株主総会の承認を経てイー・ギャランティ株式会社の社外取締役に就任させていただきました。資産運用のトレーダーとして2年半、株式市場のアナリスト8年、計10年以上マーケットに携わり、投資家を経てアナリストとして向き合ってきました。スキルマトリックスで求められている分布は「投資・市場」、「財務・会計」です。
2.「社外取締役」と「マーケット」の関係
コーポレートガバナンス・コードの中で、株主と企業の対話の充実が明記されています。客観的な視点による納得性の高い対話の実現を目的に、社外取締役が機関投資家や個人投資家と対話を行う機会が求められる時代になっています。
自身も独立性を保ちながら、イー・ギャランティの社外取締役としてマーケットとの対話を実現していきたいと思います。まずは、今回のnoteで、イー・ギャランティの企業紹介と10月30日に発表されました決算のポイントをお伝えする役割とします。
3.イー・ギャランティ、何をしている会社?
イー・ギャランティは売掛債権保証の事業を手掛けています。それだけでなく、引き受けた「保証のリスク」を金融機関やファンドなど外部に移転しています。単なる、売掛債権保証の企業ではありません。
詳しく見ていきましょう。まず、売掛債権の保証とは。例えば、企業間の取引で納品したあと、資金を回収できるのは1~数ヵ月後であることがほとんどです。タイムラグがあります。
その間に、取引先企業の経営が悪化してお金の振り込みが未払いになったり、最悪の場合は取引先が倒産して回収できなくなる可能性があります。そんな事を考え出すと、心配で企業間取引ができなくなってしまいます。もし、そうした事態になったとしても、資金はしっかり回収できるサービスを提供しているのがイー・ギャランティです。
企業間の取引はある一定の信頼関係をベースに成り立っています。
経済は「信用が信用を産んで」大きくなっていくことで回っています。不安が大きくなると経済がシュリンクしていきます。当社のような売掛債権の保証でリスクをヘッジする役割には存在意義があるのです。互いに『信用を相手に与え合うことで』経済が回ります。そうした意味で、売掛債権の保証は世の中を支え、経済を回すことに寄与しています。
企業からのニーズは拡大傾向で、当社が引き受ける保証残高は1兆円を超えています。
次に、外部に「リスクの移転」をする仕組みです。
リスクを引き受けてほしい企業とリスクを引き受けて収益を得たい企業をつなぐ「市場」マーケットメーカーです。当社の強みは、その独自の金融ビジネスモデルです。
様々な企業からリスクを引き受ける一方で、引き受けたリスクを細分化してファンド・金融機関に流動化しています。リスクを引き受けてほしい企業とリスクを引き受けて収益を上げたい企業が集まる市場のような仕組みになってます。この独自の金融ビジネスモデルを背景に、参加者が年々増加して保証残高は国内最大となっています。
【主な指標はこちらです】
経常利益率 52.4%
自己資本比率73%
配当性向 56.3%
ROE 14.9%
PBR 4.17倍
4.イー・ギャランティの第2四半期決算のポイント
ここからは、10月30日に発表されました決算のポイントです。
イー・ギャランティの開示URL掲載
・決済短信 140120231030574812.pdf (xj-storage.jp)
・決算説明資料 140120231030574252.pdf (xj-storage.jp)
第2四半期決算、売上高8.4%増の45億円、営業利益16.4%増の23.4億円と増収増益です。保証債務は、足元の倒産件数増加を背景にニーズが高まり18.3%増化し7,318億円となりました。
倒産件数の増加に伴い、保証残高の増加傾向が続くことが予測され、23年3月通期は売上高95億円、営業利益46億円と22期連続増収増益を見込んでいます。
新規契約は、倒産数の増加を背景とした顧客ニーズの高まりや、営業資源の増加による効果がみられ、23年9月には過去最多の新規契約数を獲得しています。
一方で更改契約は、倒産増加を受けリスクポートフォリオを見直し、高リスクの保証枠を減少させています。
売上高は「保証残高×保証率」で決まる『ストック型のビジネスモデル』です。
積極的な株主還元方針から、連続増配を続けており、2024年3月期の配当を35円と見込んでいます。
以下、今後の重点政策は、決算説明会資料よりご覧ください
■24年3月期下期重点施策
倒産動向を踏まえたリスクポートフォリオの再組成
■24年3月期通期重点施策
①営業拠点の活用による営業活動効率化
② 増員した営業人員の組織化・戦力化
③ 提携販売網の深耕・拡充
④契約数増加時でもコスト増加とはならないバックオフィス体制の整備
■イー・ギャランティが目指す社会
■サステナビリティに関する取り組み
5.個人投資家向けセミナー(おしゃべり会)のお知らせ
当社は積極的な情報開示と能動的な投資家との対話による発信を強化します。
11/14(火)20:00 Kabu Berry Lab
IRセミナーに登壇いたします。
登壇者名 経営管理部 IRチーム 砂浦麻衣子
当日は私もTwitterのスペースなどで参加しております。
お申込み
https://kabuberry.com/lab150/
皆さまのたくさんのご参加とご質問お待ちしております。
最後に、当社の事業領域は売掛債権の保証にとどまらない。
イー・ギャランティの事業領域は「企業の信用リスクの受託及び流動化事業」です。よく言われる、売掛債権の保証会社ではありません。
売掛債権の保証は最大の収益の柱になっていますが、事業開始時は金融債権の保証から始まっており、今も多様な信用リスクの引受を行っています。
今後、企業間取引のリスク量の総額である企業間信用240兆円に加えて、貸し出しなどの間接金融400兆円、さらに社債や株式などの破綻リスクのヘッジを取り込むことで直接金融18兆円 の分野もその対象としたいと考えています。このような裾野の広いリスク受託事業は多くの場合、自社の体力によってその引受力に制限を受けます。その点においても流動化という機能は、その制限を広げる手法になりうると考えています。
国内をはじめ海外も視野に入れるともに、企業間信用以外の分野も視野に入れ事業を拡大してまいります。
ぜひ、投資家の皆さまからのご意見をお待ちしております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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(ご留意事項)
本記事は、情報提供のみを目的として作成しており、有価証券の販売の勧誘や購入の勧誘を目的としたものではございません。