銀ちゃんといっしょ 114

勝ち負けじゃないは綺麗事じゃない

高２の娘は弓道部
県の大会の個人戦で上位になり
全国大会へ出場する事になりました

主人も私も驚いています

彼女は学校の成績が悪く
お兄ちゃんが同じ学校にいるのに
彼女の通信簿を見て
〝３段階評価〟だとずっと思っていました

３が１つで２ばっかりの感じ
お兄ちゃんたちに４と５があるのに

通信簿にはあまり興味がなかったので
私は普通に受け止めていました

真面目で優しい…それで十分って

高校は彼女の成績に見合った学校を選びました

そして弓道部に自分から入ると言い出して
かなり驚いてしまいました

引っ込み思案で自分から人の前へ出て
何かをやろうとする子どもではないと
思っていたからです

お友だちと一緒じゃなきゃ……みたいな性格だと

そんな彼女が
誰かに誘われたとか誰かと一緒にという事ではなく
自分から部活動を見学に行き決めて来たんです

弓道部は何かとお金がかかる部活動の
上位に入っていますが
親としては目覚めた娘のためなら
頑張らないといけません

一年生の時からずっと真面目に一生懸命に
楽しみながら頑張っています

二年生になってからは後輩ができて
末っ子の娘が頼られる事を経験しています

そして今回の全国大会出場権獲得でした

実は同じ日に兄２人はロボットコンテストで
惨敗してしまっていたんです

長男５回目次男３回目の敗退です

いくらその過程が大切だ
頑張って来た事に価値がある
勝ち負けじゃない等々と言われても
たくさんの後悔や悔しさがあると思います

娘は〝どうしたら良いかわからない〟と言いました

娘が個人戦で上位になれたけれど
学校としての団体戦は敗退
兄たちも悲しい思いをしている

自分の嬉しさをどう出したら良いのか
出したらいけないのか
それがわからないと言ったんです

私は出場権を得た事よりも
そういう気持ちを持った娘の事が嬉しかった

自分の事しか考えられないような人には
なって欲しくなかったので
そうやって悩む姿が見られて嬉しくてたまりません

息子２人はこの大会に向けて
チームの一員として一緒に協力してやって来ました

大会の帰り道
２人を乗せて帰った主人の話では
帰る道々
来年に向けての注意点や発案を話していたようです

長男はもう卒業するので
悔いを残したままの引退ですが
次男と仲良く協力しあえて本当に良かった

娘の勝利が最高に嬉しかった
息子たちの敗退が最高に悔しかった

でも本当の意味での
〝勝ち負けじゃない〟を味わえて

子どもたちの成長を見られて

幸せでしょうがない