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『離レ姫』関係者インタビュー〈第5弾/衣装 Toshiyukiさん・Chieさん〉


大盛況のなか終幕いたしました、
劇団幻ノ國第11回本公演『離レ姫』。


作品を共に創り上げた
多彩なメンバーへおこなったインタビュー連載✨


今回は第5弾


お相手は、
『離レ姫』にて衣装を担当された
Toshiyukiさん・Chieさん」です。

これまで、幻ノ國作品の衣装を数々手掛けられてきたおふたり。
今回は代表してToshiyukiさんがインタビューに答えてくださいました。

思わず「へぇ~!」と言ってしまうコンテンツ盛り沢山。
インパクト残る衣装の裏側に迫ります👕

ぜひ最後までご覧ください!


🌻離レ姫の衣装はどのようなイメージを持ってつくられましたか?

   1番初めに思い浮かんだのはポップでカラフルなイメージです。今回の話の舞台が美術館ということもあって、絵画の中から出てきた様な人物をイメージして作っています。

「色」とりどりな衣装


🌻今回、「色」や「柄」がとても印象的な衣装でした。役ごとにこだわった点はありますか?


   今回の舞台は点と線が一つのテーマと聞いていたので、OKUNIは点、ゴッホは線を意識して制作しました。
   点はラインストーンやビジューで表して、線はストライプの柄で表現しています。

OKUNIの点
ゴッホの線



🌻離レ姫衣装をつくる中で、ここは苦戦した…という点はありましたか?

   単純にゴッホやOKUNIの衣装についているラインストーンをつけるのが大変でした(笑)
   一個一個自分達でつけているので、かなり時間がかかりましたね。

膨大な数のラインストーン。
照明の光に反射しきらきらと輝いていました✨
客席からも見えましたでしょうか…!




🌻 衣装作成は、どのようなプロセスを踏んでおこなわれるのでしょうか?

   基本的には、話の中心となる人物から衣装を作ります。そこから他の役の関係性などを考えながら距離感が近い順に衣装を作っていくことが多いですね。
   今回もOKUNIの衣装を1番初めに作り、そこから対になるゴッホを作ってというように作りました。

   また、私たちの衣装制作は基本的に既存の洋服をドッキングや再構築によって衣装にしているので、デザインを考えるというよりかは、素材を出来るだけ集めてきて、それを使って遊んでいるようなイメージです。大体はその時の成り行きで出来るものが多いですね。

よく見ると服が炙られています…!
「ヴィンセント・ゴッホ ・ファン」
こちらも線が特徴的
「美術館長」
振袖が素敵です
「ゲンゾー監視員」
背中に見えるGENZOの文字。
こちらは、ファッションブランドKENZOを
捩ったものだそう☺️



🌻ファッション/お洋服に興味を持たれたきっかけを、差し支えなければ教えてください。

    1番初めに洋服に興味を持ったのは小学生の時だったと思います。
    小学生の時、私はジャニーズのあるグループが好きだったのですが、一時期そのグループがある洋服のブランドとコラボしていて、それを親に買ってもらったのが洋服に興味を持つきっかけだったと思います。

    服を着るだけで、自分が憧れているものに近づけた気がする、その感覚がものすごく楽しくて、当時はテレビを通して、どういう服の合わせ方をすればカッコいいのかとか、どういう洋服が流行っているのかを理解しようとしていた気がします。

   ただ、本格的に服にのめり込むようになったのは、大学生の時ですね。その時も好きなアーティストや雑誌など色々なものを参考にしながらも、そういった中から自分に合ったものを選び取って、自分独自のスタイルを追い求めるようになった気がします。


🌻幻ノ國の衣装に携わることになったきっかけを差し支えなければ教えてください。

    学生時代のバイトで主宰の福地さんと出会って意気投合したのがきっかけです。
   当時は洋服が好きということから、ただ漠然と洋服のデザイナーになりたいと考えていたのですが、そのこと福地さんに話すと、その次の公演から衣装デザインをいきなり頼まれて、そこからほぼ毎回衣装を担当させてもらっています。

   今となっては、私に洋服のデザインは向いてないと自負しているのですが、それを分かった上でも、毎回私のやり方で衣装を作らせてもらっているのは、ありがたいなと感じます。


🌻普段、衣装作成をされる際、何からインスピレーションを得ますか?

   Chieの方は完全に直感ですね。
   逆に私は、普段から何を衣装にしたら面白いだろうと考えていて、その中で思いついた素材や構造を衣装に落とし込んでいます。

   あとは、過去の偉大なデザイナーのアーカイブからインスピレーションを受けたりもしますね。

  特にわかりやすいのは、再演の『竜宮城の山羊』で作ったストッキングのドレスで、マルタン マルジェラのソックスで作ったニットからインスピレーションを得ていますね。

昨年10月に上演した『竜宮城の山羊』



🌻幻ノ國の衣装をつくられる際、いつも意識されていることはありますか?

   まず一つは、台本を書かれている福地さんがどの様なイメージで、それぞれの登場人物を描いているのかを想像することは必ずしています。

   演劇において衣装はどれだけ悪目立ちせず、物語に溶け込めるかが重要だと思っていて、その為にも台本を書かれている福地さんと出来るだけ目線を合わせて自然な衣装を作りたいと思っています。

   そして、もう一つはシルエットがキレイかどうかも意識をしているポイントですね。
   私自身、洋服においてシルエットはその洋服が良いか悪いかを決める重要な部分だと思っているので、どれだけシルエットが美しいかはこだわっているポイントかと思います。

撮影 : 中村正行さん


🌻最近、自分の感性にビビッときたものがありましたら教えてください!

   私の大好きなバンドのThe 1975がこの前単独のツアーを開始したのですが、そのライブの演出に感性を刺激されました。


🌻お洋服の魅力とは?

   その洋服に込められたデザイン背景や意図、あとは古着などで言えばその洋服が作られた年代の時代背景やカルチャーなど、表面的には見えない人の意志みたいなものが魅力だと思っています。

   洋服を着るだけであれば、そういったことを知ってても知らなくても何も変わりはしないと思いますが、洋服を楽しむ上では、どういった意図で作られていて、どんな制作背景があるのかといったことは、非常に重要なことだと思います。



🌻離レ姫を観に来てくださった方が知ったら、より作品を楽しめそうなことがありましたら教えてください!

   今回の衣装はどの役にもどこかしらで着物を使っているので、それぞれどの部分で使っているだろうと隠れミッキーを探すような目線で見るのも面白いかもしれません。

動画配信やDVDを購入された際には
ぜひチェックしてみてください!👘

おふたりの衣装へのこだわりを知ることができ、
物語の登場人物たちがより濃く鮮明に思い出されますね…💭

お忙しい中、インタビューへのご回答有難うございました。
今後とも宜しくお願いいたします!

次回は、制作を担当された「照屋愛さん」です。

公開をどうぞお楽しみに🌱


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