『離レ姫』関係者インタビュー〈第7弾/写真家 中村正行さん〉
2022年最後の上演作品となりました、
劇団 幻ノ國第11回本公演『離レ姫』。
先日より、
上演台本 / 映像データ / DVD販売が開始いたしました👏👏👏
終演時、お客様よりたくさんのご要望のお声をいただきました✨
皆さまこの機会にぜひぜひお買い求めください!
作品を共に創り上げた
多彩なメンバーへおこなったインタビュー連載、
今回は第7弾!
お相手は、
『離レ姫』にて舞台写真を担当された
写真家「中村正行さん」です。
毎公演、幻ノ國の舞台写真を撮影してくださっています📸
彼のレンズを介した世界に対する謙虚な姿勢、そして写真の奥深さを感じることのできる素敵なインタビューになりました。
ぜひ最後までお見逃し無きよう‼️
🌻写真に興味を持たれたきっかけを差し支えなければ教えてください。
本当にくだらないですが中学生の頃の肝試しがきっかけです。
中学生の時、友達と廃墟や心霊スポットをめぐり、携帯で心霊写真を撮ろうとしたのが始まりです。異質だけどどこかノスタルジーを感じる廃墟を上手く写真に残したいと思うようになり、高校生の頃にお小遣いを貯めてカメラを買いました。
🌻 幻ノ國の舞台写真を撮るようになったきっかけを差し支えなければ教えてください。
衣装を担当している兄(Toshiyukiさん)が、前身団体である劇衆オの組 第二回公演のアー写撮影も担当しており、手伝ってほしいと言われたのがきっかけと記憶しています。初めは演劇に触れた事がなかったので嫌々でしたが、気がつけばそれ以降ずっと幻ノ國のアー写撮影や舞台写真を撮影しています。
🌻離レ姫に登場した「ゲンゾー監視員」は、中村さんがモデルになったそうです。お話を聞いたとき、作品をご覧になったときの心境はいかがでしたか?
幻ノ國さんとはかなり長い付き合いなので、登場人物のモデルにしていただいたのは嬉しかったです。が、演じてくれた塚越さんから僕を意識しで演じた部分を聞いて恥ずかしく思ったりもしました。
また作品を見て感じたのは、主宰の福地さんは僕が思っているよりも僕のことを知っていて、見透かされているような気もしました笑
🌻 撮影されるなかで、特に印象に残ったシーンはありますか?
美術館長が、ゲンゾーに対して「史実と事実は違う」と言い放つ場面がありますが、まさしく「写真が向き合わなければいけない問題」だと思っています。
また、「額縁を使った境界」というか「世界を分断する構図」「虚構と現実」「過去と未来」「写真と絵画」といった二項対立を利用した演出は福地さんの得意技ですが、今回はその完成形まで行ったというか、美しいなと思いました。
🌻 中村さんのお写真は、モノクロが多い印象です。その所以は一体なんでしょう。
白黒写真は世界をフラットにします。事物や現象を等価にするわけです。
哲学者のロランバルトは写真の副題と言いますか、主題とは別に何故か鑑賞者に突き刺さるものをプンクトゥムと定義したのですが、白黒写真では世界がフラットになった結果、写真に映るあらゆるものがプンクトゥムとなり、時を超えて、時代の価値観を超えて私たちの心に突き刺さってくるんです。
もちろんカラー写真でも起こりうる現象ですが、白黒写真はより顕著に、あらゆる事物に目が行くように思います。
🌻 何故、中村さんは写真を撮るのですか。
僕は人に生かされているので、僕もまた僕に関係した人を写真に記録することで生かしてやりたいからです。
🌻 幻ノ國作品の舞台写真を撮影される際、心に留めていたり意識していたりすることはありますか?
役者さんと物語に真正面から対峙すること、あとはシャッターを切るだけです。
🌻 中村さんが思われる、「舞台写真」の魅力とは。
役者を通し虚構の人物のポートレートを撮影できることです。
福地さんの筆によって産まれた登場人物の「生きた証」を、役者さんの今までの経験や生命観によって「再現」し、それを「写真で受け止めてやる。」それって素晴らしい事ですよね。
🌻 「写真」の魅力とは。
ふと昔の写真を眺めた時、それまで当たり前だったものを愛おしく感じたり、なぜか心に突き刺さるような気がしたり、時を越えて過去と現在が干渉する、そんな不思議な力が魅力かなーと。
中村さん、
今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
お忙しい中インタビューにお答えくださり、
有難うございました✨
次回は、フライヤーデザインを担当されたイラストレーター「高江洲大さん」へのインタビューです🖋
文責 : 幻ノ國 広報