『花束みたいな恋をした』雑感


最初に謝辞を

ニンパイさんとタローさんのPodcastがなければ僕はまだしばらくこの作品を放置していたでしょう。二人のPodcastを聴きたかったのでこの作品を優先的に観ました。
そしてさらにこのエントリーを書くこともなかったでしょう。お二人のおかげですありがとうございました。

前情報ほぼ0%。有村架純主演の恋愛映画でありおそらくは恋して別れる話と予想。そして評判が良いらしいというところからつまならくはないだろうと思って観始めました。

冒頭から、「寒い寒い、あざといあざとい」と思いながら観ていましたが、それは共感羞恥の一種だったことに気づき。悪い癖でシンパシーが過ぎて、いやそれは俺は違うと思うとかぜんぶ自分に置き換えていってたの違う俺に時々肩を叩かれて
( ゚д゚)ハッ! これは映画なのだ
ということも思い出して楽しく観ました。

最初に観始めたのが多少遅い時間だったことも関係ありますが、「押しボタン式だった」、「ありがとう押しボタン式」でクラクラっと目眩がして(笑)、いったんした。いろんなところでした。いやしてない寝た。動画を止めてひとりで寝ました。

以下は、このエントリーを書くことを予め決めていたため5cm角のブロック付箋に思ったことを走り書きしたものを整理してないものです。二人が付き合い始めてからのメモ。

有村架純(&彼氏)が不自然なほどイモっぽく撮られている
『あまちゃん』時代からの有村架純ファンにとっては許しがたいブスさでしたね。ポリコレを無視するなら

■砂浜のシーンにおける最初の「恋の死」。予兆としての身勝手な親切が描かれる。早くね?

■「ハットは自意識
ハット被りとしてはお恥ずかしい限りの指摘で甘んじて受けます。

■「絹ちゃんもしかして泣いてる?」からそのまま彼が走るシーンを見て、「ああ、俺はもう好きな女が泣いていても走る体力がないのでのんびり歩いていくだろう、と思って泣いた(笑)」

■そして部屋着のまま電車に乗って彼女のところへ駆けつけて抱きしめるのは有り過ぎて実行したいので誰か俺に電話して。

■有村架純の(上着を脱いだ)リクルートシャツ姿は凶器

そして二人は同棲へ

■新居の家具が急におしゃれすぎ
スチールの棚を緑にするアイデアはもらった(塗装する)

■出会ったときにスニーカーがお揃いだったのはサムシングエルス(寒すぎるの何かの意味)だったが、愛を確かめ合った後なら寧ろペアリングしたい派。
ここでバラすと昔ムラタにペアのネックレスを「どう?」て打診したら「それはいいや」ってきっぱり断られたことがあった。

■二人暮らしなら駅から徒歩30分は有りかもだけど、ただチャリは欲しい。
ロンズデールの電動チャリが欲しい。

ネコを拾うな
ペットは子供のメタファーになるアイテムだと思うが、最終的によく分からなかったな。
名前は「バロン」。どこから引っ張ってきた名前だろうかと一瞬考えた。ちなみに最近知ったのはカミュのネコは「タバコ」フランス風にいうと「タバ」なのかな。

■付き合って2年で「時の流れを感じる」のはまあそうか。
1年もたなくて別れたって聞いたら「長い」とは思わないかもしれないね。ただ僕はもうシニアなので時の流れの果てにいます。源流が見えないよママン。

■ぜんぜん関係ないんですが、外国で無職同然で暮らしていた頃、カメラアシスタントやらないか?と誘われたことがある。
大したお金は払えないけどいろんな所に行けるるしただでカメラが学べるということで面白そうだなと思ったのだが、当時は一生ジゴロとして生きていこうと思っていたので断った。彼氏がクラゲを写真を撮るアシスタントをシーンがあったことで30年近くぶりに思い出しました。ただ僕はやはりカメラマンの才能はなかったと思う。

■圧迫面接なんて受けたことがない。元々が大企業の社員とは無縁の経歴だから。
僕が受けて一番面白かった面接は、人づて紹介された零細企業の専務から「マブ君ビートルズ好きでしょ?ウチ来る?」で採用されたこと。70年代学生運動で極左として活動していたその上司には20年程度仕えた。
この上司とカラオケに行くと僕が歌う所謂懐メロを喜んで聴いてくれるので楽しかったです。ストーンズとか憂歌団歌ってました。スナックで 笑。
これから就職活動をする方には、いとうせいこうさんの言っていた「面接は(される側がする側の企業に行うサービスだから」という言葉を贈っておきます。似たような学生なりで面接する側もげんなりしてるから、面接官が楽しくなるような面接を受けようみたいな話(だと思った)。受かりたいならね。

■考えてみたら大学行ってないので、人脈開拓が不要だったから名刺交換会などで人脈の開拓をしたことがない。
知ってる人が新郎新婦しかいない結婚式の二次会みたいなものには行ったことがあるが、完全に壁のカビになってた トホホ。
ファッション業界にいた頃にはパーティーや合コンにはたくさん行った。お持ち帰ごにょごにょごにょ。
様々な職種を経験したが、周りから同調圧力を感じることはほとんどなかった。もちろん昭和のオヤジたちの「俺の酒が飲めないのか」は食らったことがありますね。そんなもんかな。
と、いつの間にか順当に俺の話になってる
何が言いたいかというと、映画がどうとかいうよりもああいった集まりや圧力というものが実際にあるのかと思うと若い人たちが現実主義、保守的になるのも理解出来ますね。という話。

■彼氏の、付き合って2年経っての「目標は現状維持」は前振りだとしてもイカした考え方だと思った。また自分の話をしますが、僕は若い頃ずっと現状維持を目指していたので、(あー、この人は結婚して家庭を築くという覚悟がないんだ)と思われてよくフラれてました。よくフラれてました。いっつもフラれてました。

■彼氏が営業マンになってどんどん心を削られていくんだけど当たり前。

■彼女が気を利かせて鞄に忍ばせておいた本をトランクに放り投げるのは亀裂を象徴しているのだろう。
あれは拾って鞄に仕舞ったらプラス指向だから。でも、トランクに投げなくてもよくね?でもきっと、もう二人の価値観の共有は破壊されているんだよってことをどんどん見せていくために必要だったんでしょうね。でも俺は本は投げねえよ。
俺はこんなんしない、俺たちはこんなんじゃなかったって思いながらずっと見てて、

いやこれおまえの話じゃないからってば、とまた肩を叩かれて気づく。

ただ同調さえしないものの、「そういう二人はいるだろう」というリアリティは非常に丁寧に描かれていると感じたので、自分とのズレさえもシンパシーを感じるほど感情移入しながら観てる俺が分かりますか皆さん。

■ゲームを大きい音でしていいよの件。
彼らはすべてのことを二人で一緒に行なってしまっていたため同棲空間の中でマイタイム(マイスペース)を設けられなかったのだと思った。
俺も経験ある。二人の部屋へ帰る扉の前でため息をついて、なんなら両頬にビンタ入れるくらい気持ちを高めないと家に帰りたくない毎日を過ごしたことがある。ウソなウソ。

■彼女と本屋さんに行って自己啓発本読んでる男はバカすぎ。
ひとりのときなら俺だって手に取る可能性あるけど、他人と一緒のときに読むか?ってさっきからずっと演出のための必要なことを批判してすみません。僕はもう世界に入り込んじゃって入り込んじゃって。

■ニンパイさんに観ると言った手前、ヒリヒリするシーンも歯を食いしばってみた。
付箋には”キツイシーン飛ばしたい”と心の叫びが書いてあった。

■だから3か月セックスしてないって話が出たときそらしてないはずだわ、と思った。
逆にいうとネコ(子供のメタファー)飼い始めてからのちょっとの間はしてたのかよと驚いた。

■この映画は有村架純に寄り添いがちになるが、こういう男になっちゃうものよ、という教訓も含まれているので積極的に彼氏を理解して上げる見方も面白いかもしれないつまらないかもしれないけど。

■”男のプライド”、”モラトリアム”ってメモってあるけど忘れました

■プロポーズが「思ってたのと違ったな」
推しグループ始発待ちアンダーグラウンドのモナが「花束みたいな恋をした こんな時間まで見ちゃった。思ってたのと違ったな、寝よ」ってツイートしてたことがあって、そのときは自分はまだ未見だったので予想と違ったストーリーだったのかなぐらいに思ってましたが、後からまあまあ冴えたツイートだと思いました。俺のこの何百行にも渡る感想文より言いたいことと作品の中身がビシっと書かれている。素晴らしいと思いました。べた褒め。

■冷たい空間になったとき、普通ペットがいれば、「子は鎹」といってペットを撫でまわしたり愚痴言ったりするものなのだがウチだけでしたか?
「〇子ちゃん怒ってるねー、怖いねー」って僕はよくバクティ(フレンチブル)と抱き合いながら怯えてました
ネコの役割がイマイチ分からなかったですね最後まで。

■社長役はオダギリ・ジョーが努めてましたが、僕はいろんな意味でミスキャストだと思った。ミスキャストまでいかなくても、もう少し、ほんの少し嫌悪感を抱ける隙のあるキャストの方がリアリティがあったのでは?思いつかなくて申し訳ない。とするとあれは物語の中の「架空の人物」なのかもしれない。

■”架純効果”って書いてあるけど忘れた

■ファミレスの店員さんがライブする代田のライブハウス「FEVER」は実在していて僕はそこで鈴木慶一さんのライブを観たことがあります。5~6年位前。

■オダギリ・ジョーが「恋には賞味期限がある」って言ってたけど、時効警察では「恋に時効はあるのよ」って霧山君は逆に三日月に言われてたじゃん。

■「別の男探せば」って気軽に答えると、彼女に「マブ君も別れたらって言ってたから」ってダシに使われて彼氏に逆恨みされるので止めた方がいい。危うくシメられるところだった【経験談】

■何で偶然スーパーで会うのか?連絡取らなさすぎ。倦怠期としても取らなさすぎ

■最後のセックスは恋が終わったことを「確認」するためにする。

したがって愛を確かめ合えなかった二人はことの終わり後にすぐ身体を剥がし、パジャマを着てベランダに出た。

■4年なら潔く別れられるものなのかな。
でも二人の性格からいうとそうかも。内心は別として形式としてはそういうものか。
「別れよう」と言ったことも言われたこともありますが、僕から言ったときは態度にあからさまに愛がないことが出ていたと思うし、言われたときは無様な醜態を晒したくないという羞恥心的なものからあっさり受け入れてきた。内心は別としてね。
というか、予感も感じなくて別れ話なんて普通されないですよね。されました1回だけ。まったく予期せぬ別れ話。しかも二人でトンカツ食ってるとき。涙と鼻水でぐしゃぐしゃになりながらトンカツ食べて了承して帰りましたよ。19のときかな。

■ファミレスで出会ったときと同じ席に座れないからなんなのさ!

■いまさら有村架純がきちんとキレイになっていることに気づいて演出さすが!と思った

■ファミレスの椅子が可愛い

■わざとらしい説明台詞にならないよう気を配られそれでも台詞になってて嬉しい映画だった。

■猫の親権がジャンケンはユルサレナイけど、まあ、公平かも。俺の話はしない!

■靴あり得ないとまた思ってたんだけど誰かが「これ映画だから」って俺の肩を叩く(n回目)

ブックカバーして本を持ち歩こうと思った中高年!
あ、でも俺、数年前に若い女子と澁澤龍彦の話で盛り上がったことはあるよ!地下アイドルだけどね!

■サッカーブラジル監督の「美しかった。あと一歩だった」は素敵な台詞でしたね初めて知りましたが。
ついでに悪態ついておきますけど、フットボールファンを自称する人たちの代表が勝っても負けても砂掛ける姿にカワード印をつけてまわりました。

■架純は結果的にオダギリ社長に誘われた時点で(気持ちが)浮気している。は、自分を棚に上げて厳しすぎるので実際にベッドを共にしたのはラーメン食いに行った後と推測。
身体を許したかどうかは別として、彼氏への恋愛感情を枯れさせる除草剤の役割には充分使った。

■ベランダから逃げないネコいるの?

エスカレーターは女性が上ではないのか?物語の都合上だとしてもジェントルな僕には不自然すぎた。

■最後に岩松了は常に岩松了


以上です。

このエントリーを書いている途中にニンパイさんとスペースで話してて、「ロマンチシズムがリアリズムに負ける話だった」とメモが追加された。

それとニンパイさんがどんなことについてタローさんと話したか少し教えてくれたので、ここからはその情報からの想像になりますが。
「花束みたいな恋をした」のタイトルの意味:ね?束ってなんだよ。「ヒナギクみたいな恋をした」「ガーベラみたいな恋をした」だと花言葉が混じってきて意味性が出てくる。
花束…。仮に、ちょっとダサいけど「一生懸命恋をした」ダサっ!「若い二人が恋をした」ダサっ!「恋枯れるまで恋をした」苦しっ!ってことで、やはり花開いて枯れるまでの話としてのタイトルなのかな。その、いろんな種類の花(恋)なのか?ちょっと深く考えてないです。

観るのに時間が掛かって、メモをまとめてからスペースで遊んでて時間が経って、このまま推敲してたらさらに時間が掛かるので、まったくまとまった文章にはなりませんでした、感想としてはこんな感じで映画を観てました。

最後に、都合上アマプラ(見放題)しか観られない方に強烈にお勧めしない僕の大好きな映画を紹介します。
『明け方の若者たち』
です。
似て非なる映画だと思って下さい。僕は(モトカノそっくりな)黒島結菜さんがものすごく好きなので品のない表現を許していただきたい。ビンビンになる濃厚なキスシーンに悶えやがれ(黒島さんが出なくなる中盤以降はぜんぶ早送りしたのでストーリーは分かりません 笑)。

終わりです。
長々とありがとうございました。
よろしけば、自分はこここう感じた、こう思った、みたいなお話で盛り上がりたいです。

では、これからこちら↓を拝聴したいと思います。


2022/12/23 マブ

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