段階取得における連結と合併の会計処理の違いについて
本日は、段階取得における連結修正仕訳と合併仕訳について備忘的に記載します。
1⃣A社はB社の株式の10株(発行済株式100株、簿価1株20円)を保有、その後、90株を取得(支払対価はA社株式1株60円、45株)し合併。※取得時のB株の時価は30円
2⃣A社はB社の株式の10株(発行済株式100株、簿価1株20円)を保有、その後、90株を取得(支払対価はA社株式1株60円、45株)。合併はしない。※取得時のB株の時価は30円
※B社の土地の時価:1500円
結論から言うと
1⃣のケースの仕訳
2⃣のケースの仕訳
1⃣と2⃣は、双方とも当初B社株式の10%を保有しており、その後完全子会社化という点では一致(いわゆる段階取得)。その後、合併するか否かが違いになります。そして合併するか否かによって仕訳も当然変わってくるのです。
1⃣の場合、抱き合わせ株式消滅差益が計上されておりませんが、2⃣の連結仕訳においては抱き合わせ消滅差益が計上されております。
これって結構不思議じゃないですか??
両方とも同じように、ある種の企業結合をしている点では同じなのに、なぜか仕訳が異なる。。。
私もいろいろ調べたのですが、要因を突き止めました。
しかも、かなり単純な理由。。。
違いは依拠している会計基準にあります。
1⃣の合併の場合、あくまで個別財務諸表の範疇で作成されているので、
取得原価は日本の会計基準の通り、支払対価をベースに算出されます。
既に保有していたB社株式については、簿価の200
後から取得した90%のB社株式については、支払対価A株45株×60円=2,700円
一方2⃣の場合、個別財務諸表ではなく、連結会計基準の範疇になるため、国際会計基準のコンバージェンスの影響を受け、個別財務諸表とは異なる考え方をとるのです。国際会計基準では、ざっくり言うとBSの時価を精緻に算出するという考え方をとっているため、既に所有していたB社株式を時価評価します。その結果、抱き合わせ株式消滅差益が計上されてしまうのです。
理由はこれだけ、合併仕訳はあくまで個別財務諸表の範疇であるため、従来の日本の会計基準の影響を受けている。一方、連結修正仕訳については、国際会計基準の影響を受け、抱き合わせ株式を時価評価する。まあ要するに、理論を無視した大人の事情ってやつです。
次に、
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