G23第一部 メモと雑感② 「1枚の闇」~「王都の向こう」
第1回の投稿から実に1か月半、このシリーズを書き終える前にG24が実装されるんじゃないかと焦る今日この頃。
今回は黙示録関係の語義や語源などの細かい点を少し掘り下げました。
ストーリーの本筋からは逸れるかもしれませんが、研究できる材料があったら気の済むまで研究したいんですよ!!(芽生えるモルフィへの親近感)
それでは飛ばしていきます!
1枚の闇
・黒い表紙の本を詳しく調べてみる。
・「黒き月の教団と関係のある予言と啓示が書かれた本」
→ここで気になったのは「予言」という単語。同じ「よげん」読みでも、「予言」と「預言」は語義に明確な違いがある。
よげん【予言】
(prediction) 未来の物事を推測して言うこと。また、その言葉。「未来を―する」「―が的中する」 ("広辞苑", 1998)
よげん【預言】
[宗] (prophecy) キリスト教や啓示宗教で、神から預けられた言葉を人々に伝えること。また、その言葉。倫理的勧告や回心の呼びかけも含む。 ("広辞苑", 1998)
脚本内では今のところ「予言」で統一されている。
つまり、神の言葉ではなく未来予測を指す。
→ただし、韓国語ではどちらも「예언」と区別をつけないようなので、単なる翻訳の都合で片方の単語が選ばれた可能性もある。
→一方、「啓示」は次の通り。
けいじ【啓示】
[宗] (revelation) あらわし示すこと。人知を以て知ることのできない神秘を神自らが人間に対する愛の故に蔽いを除いてあらわし示すこと。天啓。聖書では黙示と訳。 ("広辞苑", 1998)
こちらは神が人間に神秘を示すこと。
超越的な存在が関わっているのなら、「予言」よりも「預言」が適切に思えるが……真相やいかに。
・「ベイン…いや、ベイムネク」
→呼び名が「ベイン」から「ベイムネク」に変わったことで、ミレシアンの中での彼の扱いに変化はあるのだろうか。
・「黒き月の黙示録」
→聖書の『ヨハネの黙示録』などのイメージから世界の終末を描く文学としての側面が取り上げられがちだが、そもそも「黙示録」とは読んで字の如く「黙示」を「録した」ものである。
その「黙示」の意味がこちら。
もくし【黙示】(モクジとも)
①はっきりといわず暗黙の中に意思・秘義を表示すること。
②キリスト教で、啓示のこと。 ("広辞苑", 1998)
「黙示」イコール「啓示」。
つまり、本来「黙示録」とは秘密や神秘を示した記録であって、人類の死滅や最後の審判などの破滅的な意味は付随しないはず。
→エリンの滅亡を目論んでいると思いきや、教団の真の狙いは別のところにあるのかもしれない。
テフドゥインの黙示録には「7回の夜を迎えると真の混沌の月が昇ってくる」とあったが、もしや邪神でも降臨させるつもりか。
教団のシンボルとハイミラク教団のウィングハートの類似性も気になる。
・本の状態が丁寧に描写されている。
・「永い眠りから目覚めた…の望みは、星の花を咲かせ夜空を彩る」
→英語版では”The breeze of... who wakes from”=「目覚める…のそよ風」と訳されている。
韓国語では「望み」と「風」を両方意味する「바람」であったと推測。この文脈では前者が適訳?
→眠りから目覚めた者は「その目を閉じた」守護者とも、「[ミレシアンを]わざわざ開花までさせた」と語るベイムネクとも取れる。
王冠を照らす光
・エレモンを訪ねてラフ王城へ。
・ルウェリン「私の周りの方たちも知る必要があると思います」
→王城内だからか抽象的な言い方だが、これは騎士団再登場のフラグ!?
・ルウェリン「各個人と密接に関係があること、または経験によって読める部分が異なると思います」
→G22で語られた黙示録の仕掛け(画像2枚目)の補足か。
ちなみにピルアンが1冊目の本を難なく読むことができたのは、「乱す魔力すら持っていない」から。
・ルウェリンの機転の良さが光る。
・大根役者なミレシアン、かわいい。
・真顔でダメ出しされてしまった。しかし、なぜか心に浮かぶのはただ一言、「ありがとうございます」。
・ルウェリン「『4枚の花びら』、『不死』、『船』と『遺物』、……これは私だけが読めて『守護者の温もり』は私たち二人とも読めました。『人間の王』と『砂と雪の地』…。これは[ミレシアン]さんだけが読めますね」
→2人とも「守護者の温もり」を読めたことに胸が熱くなった。
・ページが切り取られていることを訝しむルウェリン。
王都の向こう
・エイリフ王国が容易に手出しできないことから、またもや協力を仰がれる。
・ルウェリン「ティルコネイルをはじめ、いくつかの場所は王国に属さない」
→タラ以西にも王国領があったりして。コナフタ大陸の実装も待ってますよ!
・エレモン「こんな時、マルエードがいたらよかったのに」
→マルエードが普段からエレモンの傍にいること、重い物を持てる筋力があること、機密級の本を見せるほど信頼を寄せられていることなどがこの一文から読み取れる。
こうしたさりげない台詞、好きです。
・トゥガルドアイルで動物の群れに踏み潰されながら、なんとかティルコネイルへ。
・ダンカン「お祭り自体が騒動のために準備されたものではないか」
→「お前が現れるのは…想定内だったからね!」と語っていたことから、モルフィによるミレシアンへの挑戦状か。
エリンに混乱をもたらして何がしたいのか、教団の狙いがよく分からなくなってきました……
《③はこちら:G23第一部 メモと雑感③》
文献
・『広辞苑 (第五版)』 (1998) 岩波書店
・Apocalypse. (n.d.). Merriam-Webster.com Dictionary. Retrieved from https://www.merriam-webster.com