山一電機のこの数か月の株価の動き(10年来高値を更新)に驚いている。同社はスマホの需要が戻らなければ業績は回復しないはずだというのが筆者の昨日までの認識であった。ただ、あまりに他の「アップル関連」と目される会社の株価の動きとかけ離れた動きをしているので、その原因をさぐるべくいろいろと調べてみたら、どうやら、同社は、データセンター投資の裏本命ともいえる会社であることがわかった。
2022年の1月に、同社はこのようなコラムを同社ホームページで発信している(太字による強調は筆者によるもの)。
1月にアマゾンが、先日マイクロソフトが日本に巨額のデータセンター投資を行うことが報道された。また、昨日はグーグルが日米間をつなぐ海底ケーブルに大規模な投資を行うことも報じられた。山一電機のコネクターの需要が喚起されそうではある。
では、同社のコネクターは競合他社に対して強みはあるのだろうか。それについて同社の池端氏は上記コラムにてこう説明している。
で、同社は今年の1月になってこのような新製品を発表している。
ところで、同社は昨年の5月に向こう3年間の中期経営計画を発表している。そこには「データセンター」という文字は使われていない。ということはどういうことを意味するかというと、同社は、昨年5月の中期経営計画段階では重要視していなかったが、それ以後生成AI用のデータセンター投資が急増するはずと見るや、機敏にそれに向けてのコネクターを開発し、今年の1月の上市にまでこぎつけたことになる。ビジネスの外部環境の変化に対応するスピード感はなかなかのものがあるのではないだろうか。
同社の平均年収。2023.03期は過去最高益更新の年度で、ボーナスも含めた数字だろうが、891万円と結構厚い。
また、同社には従業員持ち株制度があり、15%のインセンティブをつけている様だ。
同社の従業員の士気は高いはずと筆者は見ている。