日東紡(3110)に関するメモ(1)
何をやっている会社か。四季報オンラインによると
【特色】ガラス繊維大手。原繊材から複合材料まで展開。電子機器、断熱材など用途幅広い。診断薬等も
会社の公式ウェブの沿革を見てみよう。
https://www.nittobo.co.jp/corporate/history.htm
1898(明治31)年 郡山絹糸紡績株式会社(郡山)設立
1918(大正7)年 福島精練製糸株式会社(福島)設立
1923(大正12)年 日東紡績株式会社創立
-福島紡織株式会社(旧 福島精練製糸(株))が片倉製糸岩代紡績所 (旧 郡山絹糸紡績(株))を買収するかたちをとり、商号を日東紡績株式会社に変更し、創立
祖業は絹糸がらみ、糸へんの事業であった。
1938(昭和13)年 グラスファイバーの工業化に成功
-日本初、世界では米国オーエンスコーニングファイバーグラス社が同時期に工業化
日本のグラスファイバーの老舗企業である。これが、後に業種分類で「繊維」から「ガラス・土石」に区分変更することにつながった。
マネックス証券にログインして、銘柄スカウターでセグメント別の業績を調べる。
繊維事業が赤字である。これが長年続いていたのだが、そこにどうやらメスを入れたようだ。会社開示をみよう。
20/12/10 17:00 繊維事業の構造改革についてpdf
労働組合と協議を開始。2月に一定の結論。
21/02/05 15:00 (開示事項の経過)繊維事業の構造改革についてpdf
労働組合と合意形成。取締役会で繊維事業の構造改革を決議。
原糸事業からの撤退および芯地事業の子会社分社化が決まった。
これで、繊維事業の赤字が無くなるのかどうかはまだ不透明。
この赤字事業に手をつけたのと機を同じくして、新しい中期経営計画を発表している。
営業利益率14%, ROE10%を2323年度に達成するという計画である。
辻社長自ら中計の説明をしている動画が公式ウェブに上がっている。それを見てみよう。
決算説明会動画となっているが、決算説明の後半部分が新中計の説明になっている。
今回の中計では No.1 という言葉が多く使われている。「グローバル・ニッチNo.1」「高感度No.1企業」「高付加価値商品 No.1」とここでは3つの No.1 が使われた。
今後、5G, 6G の通信環境インフラ投資が社会的に進んでいくが、そこに低誘電性を特徴とする同社のガラス繊維製品がマッチするという成長戦略であり、高付加価値品の売上比率を上げていくことで営業利益を改善していく腹づもりのようだ。
繊維事業は、2023年度黒字化を辻社長が明言。
日足を見よう。本日の前場引けまでのものである。
2月5日の第3四半期の決算発表と中計の発表以後、株価はつるべ落としのようになっている。この中計は買いではないというのが市場の反応である。だが果たしてそうであろうか。5日線の反転を待って拾ってみたい。