待望のゲスト、全身ベルルッティの若き凄腕経営者【ボッサテクノロジー ・三橋代表】|Vol.314-316
第3回サミットにご登壇いただき大好評だった、オンライン家庭教師「manabo(マナボ)」創業者の三橋さん。M&A BANKへ待望の登場です。
▶三橋さんの出演動画 一気見はこちらから◀
■三橋 克仁 氏 株式会社ボッサテクノロジー 代表取締役
東京大学工学部卒・同大学院工学系研究科修士修了。スマホ家庭教師「manabo」を運営する株式会社マナボ(現 SATT AIラボ㈱)創業者。15万人超の生徒、1万人以上の講師が利用する規模に成長させ、2018年5月にマナボの全株式を駿台グループへ売却。その後サバティカル期間を経て、BCIの商用化を見据えAgeTech領域の事業を展開するBOSSA Technology Inc.を創業。現在、家族信託の組成をサポートする「ファミトラ」を運営。
#314 【東大出身】教育業界大手から次々と出資を受けた天才エンジニア起業家現る
待望のゲストの創業秘話
2018年6月 駿台グループへ売却した三橋さん
東大卒、スーパーエンジニアでもある起業家
ベネッセ、Z会から出資を受け、最終的には駿台へ売却
サミットにも登壇いただきました
大学院在学中の2012年4月、株式会社マナボ創業
4~5年予備校講師をやっていた経験から作った教育アプリ
ガラケー時代だった当時、教えたくても∫(インテグラル)も表記できなかった
イケてる仕組みが必要だと思い、システムを組んだのが始まり
もともとIT/スタートアップには興味があった
「就職、MBAを取ってから起業」とも考えていた
BCG、アーサー・D・リトルから内定を貰っていたが、退路を断って本腰を入れることに
2013年1月、三橋さん26歳で本格始動
信頼も技術もコネも売上もない、自信だけがある学生仲間3~4人でスタート
勤め先を辞めて、創業に備えてくれたメンバーも
創業メンバー3人には生株で12.5%ずつ渡した
創業当初から、いろいろとすごい
さすが。創業株主間契約をちゃんと巻いていた
創業メンバー皆が「創業株主間契約はちゃんと巻こう」と思っていた
スタートアップ向けの本を読んだり、カンファレンスに出たりしていたので知識があった
ビジコン荒らしで資金確保?
趣味の延長で出場する学生が多いので、当然勝てる
一度勝てるクオリティになったら、別の大会にも準備なしで横展開できた
賞金300万で半年持たす
知り合いの塾の空き部屋を使うことで家賃を抑えていた
メンバーで分け合ったのは月5~10万ほど
2013年5月、シードラウンドのファイナンス
ビジコン出場時代に興味を持ってくれたVCからコンタクトが来ていた
最初に出資してくれたのは、EdTechに熱意を持っていた当時のサイバーエージェントベンチャーズ
#315 【修羅場?】株主の入れ替わりを平和的に行った経緯
初めての出資4000万円で、ゴリゴリシステム開発
初めての出資はサイバーエージェントベンチャーズから
月300万円程のバーンレート、1年は持つと踏んで開発を開始
共存できない、教育業界トップ企業との連携模索
2013年末、国内最大の某家庭教師斡旋会社とベネッセから連絡
3社がそれぞれ先生・生徒・システムを提供して組もうとした
最終的に、色が付くのも承知でベネッセのみから出資を受けることに(2014年5月)
出資額は3億3千万、三橋さんの持ち株は半分を割る
出資を受けて早々、あの問題が起こった
出資を受けるのと同時期に、情報漏洩問題が起こってしまった
ベネッセが担う予定だったマーケティング・集客が完全にストップ
初めてtoCでアプリを出したタイミングで流入がなくなってしまった
新たな株主候補現る
1年ほど試行錯誤したがなかなか状況がよくならず
そんななか、やり取りが増えていったのがZ会
最終的にZ会がベネッセが持っていた株の買取+増資を行う形に
株主の交代に伴い、修羅場発生
持株比率的に特別決議で押しきれるが、ちゃんと納得してもらおうとした
まずは出資報告をメールで行ったところ、呼び出しをいただく
「嫌なら出資してください」「このまま投資し続けたら死んでしまう」と伝えて納得してもらった
#316 【さすが】頭脳派社長のM&A交渉、修羅場での立ち回り
ベルルッティへの投資は、金投資みたいなもの。
革がつややかで、一番心が豊かになる。別格。
鞄、財布、靴は基本ベルルッティ。
これまでに費やした額は2000万円超…?
“最後の出資”はM&Aに
出資を受けるなら次が最後になる。
これまでに放出した割合から考えて、次のディールで最後になる
Z会からの出資を受けた後から、次の資本構成のことは考えていた
Z会の持ち分の買収+増資、または100%の売却を見据えて、各社のニーズを見極め始めた
VCからはいい条件が付きにくい状況だった
増資後は売上も立つようになったが、思い描いていたスピード感ではなかった
EdTechは当時、上場しても大きな評価が付かないと予想されていた
VCから優先株で出資を受けるより、事業会社に普通株で出資を受けたい
大手教育系事業会社がスタートアップを買う流れが出てきていた時期でもあった
拒否権を持たれる程になるなら、100%売却を
競合2社が株主に連名で入るイメージはできず
Z会の株ごと買って増資だと、拒否権を持たれるほどの比率になる
それならと、100%の売却を検討し始めた
M&Aの意思決定は‟B=MAT”で説明できる
behavior(行動)=motivation(同期)×ability(能力)×trigger(きっかけ)
M=教育者になりたいというより、「もっと大きな事業を起こしたい」「次に行きたい」
A=(買収の)オファーは既にありそうだった
T=彼女と別れ、人生を考えるタイミングだった
結果、IPOまで粘るのではなく、M&Aで区切りをつけることに
駿台G への売却決断、再びの“既存株主の説得”
ハードなのは、既存株主との売却条件交渉
既存株主には一括売渡請求権を行使することもできたが、きちんと交渉することに
10社それぞれと条件・株価を擦り合わせ
「もう少し色を付けてくれ」と言ったVCには「破談になったら責任とれるんですか?」で理解してもらうことに
「誰にも同じ姿勢でストレートに」が大事
持ち分が多い株主から順に。ただし、誰に対してもフェアに話すのが大事
一人に違う言い方をすると整合性を取るのが大変
ストレートに、本当のことをありのままに伝えることを意識した
売却が公表されたその日の朝に、出社中の会社のエレベーターで野村のプライベートバンク部門の営業マンから話しかけられたそうです。「朝駆け」と呼ばれているとか。
イグジット、起業家として再始動
駿台グループへ。三橋さんはロックアップなし
売却する頃にはオペレーションにほとんどタッチしていなかった
社外取締役ではあるが、たまにチャットで相談に乗る程度
駿台内での活用で、過去最高の利用数・時間を更新している
今取り組んでいるのはシニア向け事業
面倒で高い成年後見制度をリプレイスしうる財産管理の仕組み「家族信託」を作ろうとしている
普通初期費用が100万円かかるのをほぼ0円にして広く提供する準備中
▼三橋さんインタビュー第2弾▼
マナボ創業者が次に仕掛けていること【ファミトラ・三橋代表】
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