M&A仲介最大手に気になる噂を全部聞いてみた【日本M&Aセンター・竹葉マネージャー】|Vol.340
今回はついに、M&A仲介最大手から若きエースが登場です。
あらゆるところで引き合いに出される大手だからこそ、業界内で下げて言われることも?
その噂の真相を直接訊ねました。
■竹葉 聖 氏 株式会社日本M&Aセンター 業界再編部 課長
IT業界支援室/ベンチャー業界サポート室 マネージャー
公認会計士試験合格後、監査法人トーマツを経て、日本M&Aセンターに入社。前職での会計知識と、IT業界についての知見をもとにM&A業界で最もITソフトウェア業界のオーナーと接触しIT業界のM&A業務に注力している。当社、ベンチャー企業サポート室のマネージャーを兼任。
【M&A仲介最大手】日本M&Aセンターの気になる噂、全部聞いてみた
M&A仲介最大手、日本M&Aセンターの実態とは?
M&A仲介の覇者、期待のチームのエースが登場
36歳の取締役が率いる業種専門チームでIT業界を担当
トーマツで銀行の監査をしていた
M&A BANKのイベントに足を運んでいただいたことも
M&A仲介会社として最初に上場。圧倒的な規模と実績
時価総額は撮影当時で9000億円ほど、2020年10月時点で1兆円突破
社員は約600名、上場3社の中でもかなり大所帯(他社は70名~100名)
設立30年、強みは全国に広がるネットワーク
1991年、税理士と会計士の出資によって設立
全国の会計事務所、地銀、大手証券・金融機関と提携
他地域にも相手を探したい案件は、M&Aセンターに紹介される
最近は事業承継以外も増加傾向
事業承継系のM&Aは7~8割
40代以下の若い経営者のイグジット支援も2割ほどに増えてきている
2019年実施の、京セラによるリスト(AIベンチャー企業)の買収も支援
大企業の一部出資はそれまでにも多かったが、100%買収としては初めての事例
買収後、売上は数千万円から4~5億まで上昇、さらにIPOを目指すそう
「株価を精緻に決める」ことも特徴
過去30年・5500件の成約実績をもとに、初期段階で正しい株価を算出できる
社内約30名の会計士・税理士が業種・年齢・売り上げ規模などから算出
契約書もスタート段階から作成
交渉を始める前に争点となるポイントをつめておける
売り手との契約から成約まで、平均は9ヶ月、2~3ヶ月で成約するケースも
売り手と契約後、M&AセンターがプレDD(法務・財務)を実施
買い手企業側のDDの時点で新たに問題が発覚することはほぼない
これまでの実績から、買い手企業の癖や傾向がわかる
やりとりするうえで、前例からアドバイスできることもある
複数回支援している企業に関しては、悪い噂はないと思っていい
気になるポイントQ&A
Q.手数料のために成約を急かす?
買い手・売り手それぞれに担当者がつくスタイル
無理やり決めさせることはできないので、当事者の判断次第
そもそも買い手とやり取りが始まってからブレイクすることが少ない
相手を探す前の段階で2~3ヶ月かけてDDを行うため、途中でのトラブル発生は少ない
Q.買い手優先にならない?
ある1社の買い手を優先して紹介することはほぼない
一斉に買い手探しを始め、意向表明の内容を見て売り手が相手を決める形
売り手側の条件を事前に伝え、それをのんだ買い手と話を進める
契約書のフォーマットがあり、買い手都合に合うよう変えることもない
Q.「着手金」なぜ必要?
相手が見つかりそうな売り手とだけ専任契約を結び、着手金を受け取っている
着手金で儲けているのではなく、ある程度のスクリーニングのため
買い手からも、一定のすり合わせがすんだタイミングで着手金を受け取る
「とりあえず会ってみよう」とする買い手が多いため、売り手を守る目的で実施
Q.仲介から見たFAは?
FAは買い手が限られるような大型案件で使われることが多い
あらゆる可能性を探り、全国の企業にあたりたいのであれば仲介の方がいいかもしれない
FAがそれぞれの立場の利益を守ろうとするので、成約しても遺恨が残ることが多い
日本M&Aセンターでも数十億円規模の利益の企業の売買を支援しているので、財務的な基準ではあまり区別されない部分はある、とのこと。
Q.売り手が注意すべきことは?
①簿外債務など、隠していること、不安なことは先に全部相談するべき
仲介者や買い手に後から伝えると、ストーリーがおかしくなる
②相手探しを依頼する場合は専任契約を推奨
いろんな会社に売却相談をすると情報が出回り、よくない噂が立つことも
「出回り案件」と見なされると、相手が見つかりにくい
Q.今の売却額の相場は?
IT系であれば、正常利益の5~10倍ほど
Q.買い手企業はのれんを気にするのでは?
のれんの償却期間は5年とされることが多いが、会計上は最大20年とされている
5年という数字は「どの業種でも減損しないと思われる期間」として使われることが多い
減損は基本的に少ない。「減損しなかった」ことはニュースにならないため、多く感じるだけ
Q.いい担当者の見分け方
担当した具体的な事例を聞き、どのくらいの経験があるかを確認
M&Aセンターの場合は4~5名のチームで担当するため、個人の能力には依存せず、品質を担保している
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