税と法のプロに聞く、非常事態のための基礎知識|Vol.292-293
#292 【緊急企画】融資支援のプロに聞きたいこと、全部聞きました
コロナの影響がいつまで続くか見通しが立たない今、企業はどうやって生き延びればいいのか。
続々と打たれる支援策をきちんと活用してまず最低限、資金のショートを防ぐにはどうすればいいのか。
以前「令和の借金『させる』王」として出演いただき、スタートアップのデット活用法、連帯保証の外し方を伝授してくださった大野代表をお招きして、今融資を受ける際に注意すべきポイントを伺いました。
ゲストプロフィール
■大野修平氏 OneWorldコンサルティング株式会社 代表取締役/公認会計士・税理士
大学卒業後、有限責任監査法人トーマツへ入所。金融インダストリーグループにて、主に銀行、証券、保険会社の監査に従事。トーマツ退所後は、OneWorld税理士法人にて開業支援、融資支援、税務顧問などの業務を行う。また、毎週、補助金と融資の勉強会を開催し、スタートアップの資金繰り支援にも力を入れている。
コロナ対策融資 申請のポイント
どれからと言わず、並行して申請を
公庫・保証協会・商工中金など各所の融資に申し込みを
誰もが返済を確約しにくい状況のため、審査は比較的緩やか
据置期間・返済期間は長めに
事業計画は極力きちんと準備した方がいい
窓口が極度に混雑している今、一発で審査に通ることが大事
返済能力の裏付けとなるような計画をしっかり立てること
今回の融資はこれまでのものとは別物として捉えられる
既に借入していて債務超過になっていても、別途申し込み可能
要件に当てはまり、ある程度の返済能力が認められることが条件
一度断られても、事業計画書をアップグレードすれば通る可能性もある
断られた場合は、その原因を税理士等に相談してきちんと対策すること
月次で5年分ほど出してみる
従業員を休ませた場合は雇用調整助成金を社労士と取りに行くことも可能
#293 【自己破産?民事再生?】今知っておきたい‟廃業/倒産”の基礎知識
経営状態が悪くなかった企業でもつぶれてしまう本当の「コロナ倒産」はこれからと言われます。
できることなら避けたい、想定もしなくない「倒産」ですが、早めに向き合ってきちんと対応できればむしろ経験値を上げたと高く評価される場合も。
倒産にかかるお金、自己破産や民事再生法の適用など、最低限知っておきたい倒産の基礎知識について、チャンネル登録者数4万人を誇る弁護士YouTuberタケシ氏に解説いただきました。
ゲストプロフィール
■岡野武志 氏 アトム法律事務所弁護士法人 代表弁護士
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、28歳で司法試験に合格、アトム法律事務所を創業。 日米の実社会で揉まれて得た圧倒的な行動力とタフな精神力を強みとする。「タケシ弁護士」名義で登録者数4万弱(2020年4月現在)のYouTubeチャンネルを運営するほか、メディア運営のユーチューバーNEXT株式会社でも代表を務める。税理士資格も保有。
YouTubeチャンネル「タケシ弁護士」
Facebookグループ「コロナ廃業助かり隊|閉店セール、居抜き物件、在庫買取」
弁護士YouTuberが今、経営者に伝えたいこと
登録者4万人の弁護士YouTuberタケシ氏プロフィール
全国10か所の支店を持つ、刑事事件と交通事故に強い弁護士事務所の代表
過去にはYouTuberのラファエルさんからも相談を受けている
コロナでいつ・何が変わるのか、できるだけ正確に見定めよう
コロナは、春が来れば客足が戻る大雪とは違う
影響を甘く見ず、変化に対応する準備を
あえて“頑張らない”のも手
コロナ対策で借入をしても、返せなかったら倒産することになりうる
事業の売却や、黒字のうちの清算(廃業)も一つの選択肢
“倒産を決意してから弁護士に相談”では遅すぎる
赤字の状態で会社をつぶすのが倒産だが、倒産にもお金は必要
債務超過の可能性が出た時点でまず税理士に相談
法的な手続きは、弁護士へ相談した結果決まること
やばくなる“前”に知っておくべき 、倒産の基礎知識
“倒産するため”に必要なお金
まず弁護士をつける(小さい会社なら100~200万円)
裁判所へ申し立てる(20万円で済むときもあれば200万円かかることも)
費用は売掛などの債権を回収してまかなうことが多い
倒産とセットで起こる“自己破産”とは
連帯保証人なら、倒産と同時に自己破産することに
連帯保証人は最低限生活できる範囲で財産を手放すことになる
自己破産すると、金融機関からの借入が10年間できなくなる
誠実な対応ができれば、やり直せるチャンスもある
金融機関からの借入はできないが、個人から出資を受けて立ち上がる人も
ピンチの時こそ人柄が出る。信頼関係を壊さない倒産のしかたができるか
むしろ倒産を“経験値”として評価されることも
民事再生法の適用、実は事業規模は関係ない
破産しても、営業が止まる損害の方が大きければ会社再建の対象になる
事業規模は関係なく、継続的にキャッシュが入っている場合は個人でも可能
弁護士に相談し、裁判所と債権者によって認められれば適用される
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