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40歳を前にMBOを決めた元ナンバー2【JoB-up・川名代表】|Vol.252-254

年商500億円規模の企業で長くナンバー2を務め、毎月×××万円の経費を使っていたところ、40歳を目前にMBOを実施。人材系子会社の代表となった川名氏。
某カードもプラチナからグリーンに変更し、久しぶりの電車移動を新鮮に味わう日々だと言いますが、どうしてその決断をしたのでしょうか?
川名氏と以前からの知り合いである島袋がお話をうかがいました。

▶川名さんの出演動画 一気見はこちらから◀

■川名 廣季氏 株式会社JoB-up – 代表取締役
19歳から株式会社ピーアップに参画し、2004年より副社長を務める。社の外交、新規事業の立ち上げの中心となり、社外の人脈を駆使して英会話教室やベーカリーなどをスタートさせた他、蓄積された人材育成のノウハウを店舗型の人材ビジネスへ応用し、コンサルティング事業への進出も狙う。2019年5月に子会社であったJoB-up社をMBOし、代表を務める。

#252  ナンバー2を19年務めて決意したMBO

川名氏のキャリア

2019年5月末まで、㈱ピーアップでナンバー2を19年務める
㈱ピーアップ
キャリアショップ・デジタルショップ、英語の学童保育、識学の営業代理店などを運営
年商約500億円、店舗数250弱、従業員約1300人

子会社をMBOし、人材ビジネスのJoBup代表に就任

「今は1億円規模だから、400分の1くらいの会社の社長なわけで」「会社は売上ですから」と謙遜する川名社長。
過去に経営者友達と「3〜5年で死ぬ気でやったら10億はいく」「そこまでいかないならもう辞めた方がいいよね」と話していたこともあったとか。

成立しにくいMBO、なぜできた?

*MBO(マネジメント・バイアウト)=経営陣による買収
・成立のハードル
(上場企業の場合)株価への影響が懸念される
(上場企業の場合)高い株価がついている場合は買収に多額の資金が必要
未上場企業の場合も、代表者など既存の株主の了承が必要

「阿吽の呼吸」が成り立つ関係だからできた
代表とは創業初期から19年にわたる付き合い
家族より一緒にいるので、いい部分・悪い部分、考えていることもわかる関係

スキームは「株式交換」、現金は発生させなかった
副社長時代に元の会社の株を数%持っていた
まだ利益がそこまで大きくない100%子会社の株式との交換がスムーズと判断

代表になって変わったこと

資金繰りに注視、初めてデットで資金調達することに
営業・新規事業開拓・人事畑にいた副社長時代とは見るポイントが変わった
銀行や保証協会と初めてのやりとり

撮影前日にちょうど1度目のデット調達が完了したそうで、ほっとした様子の川名さん。
初体験を面白かったと振り返るだけでなく、「やってよかった」「待ち遠しかった」とも語りました。連帯保証人になる=一人前の証と感慨深く感じたそうです。

持ち株比率についても、親会社の資本が濃く残るほど助けてもらいやすいところを、甘えないようあえて極力薄めるようにしたとのこと。



#253  ナンバー2がMBOを決めた経緯

なぜMBOすることになったのか

長く「劉備玄徳より諸葛亮孔明タイプだ」と思ってやってきた
代表の代わりに外交を担う
周囲の経営者仲間がトップとして頑張る様子を見てきた

居心地が良すぎて「自分が背負う何か」を求めるように
社会に出てから挫折を感じだことがなかった
役員の中で一番年上、組織の新陳代謝も気にし始める

40歳を前に代表に相談
「阿吽の呼吸」すぎて、2人での食事は実に4~5年ぶり
「会社は本当に大好きだけど、自分でチャレンジしたい」と伝える

むしろ背中を押される結果になり、とんとん拍子に話が進む
自ら企画書を書いた現事業を持っていく案を出す
「どうせだったら40歳と言わず早めにやった方がいい」と後押しされる形に

相談を受けた代表は2秒ほどの沈黙のあと、「そうだよな、人生1回だしな」と答えたそう。
譲り受けた子会社は未上場で、代表が大株主として決定権を持っている状況。代表との関係性がきちんとしていたので、揉めることなくMBOできたのだろうと川名さんは振り返りました。

経営にさらに深く関わりたいナンバー2はどうするべきか

自分から代表に「命を懸けたいので株をください」と言う
代表から言わせず、自ら提案する
代表もそう言われたら嬉しいはず

ある程度成長が見込めている段階なら、数千万の借金をして買う
代表は連帯保証人になっている。ナンバー2も覚悟を決めるべき

知識がついて「株が欲しい」と思ったころには時価総額が200億円を超え、買えない状態になっていたとか。
買うなら時価総額10億円前後ほどのタイミングがよいのでは、とのことです。


#254  トップになった今考える、ナンバー2がすべきこと

ナンバー2へのアドバイス

トップとは方向性を揃えても、違う角度から向かうこと
2人が同じことをすると効率が悪い
トップとは役割や人脈・考え方を分ける

トップと2人で話す機会を3~4ヶ月に1回は作ること
経営会議では話さないことを本音で話す機会を持つ
特にIPOやMBOに興味がある場合は、いろいろな方法論を話し合っておくべき

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