イルグルム社のM&A戦略・買い手としての魅力|M&A BANK Vol.240
2021年までM&Aをやらないわけではない
島袋
今回も旧ロックオン、現イルグルム社の岩田社長に来ていただいています。
中期経営計画についてもちょっとお伺いしたいんですが、
2021年からM&Aを加速していくといったことをIRで書かれていましたよね。
岩田
そうですね。
島袋
逆に2021年まではダメなのか、ウェルカムなのか、どういう分野に興味があるか、そのあたりについて教えていただけますか?
岩田
そもそも2021年以降はM&Aと海外戦略などで成長していきますということは、3年ちょっと前くらいに発表したんです。そのときは効果測定の成長が少し鈍化しているタイミングでもあったんです。
まずはその効果測定を軸に売上が30億くらいないとM&Aもきっとできないし、それ以外の成長、海外進出もないと思っていました。
だから、まずは効果測定領域中心で30億の売り上げを絶対に作りたいと思っていたんですね。
年間30%くらいの成長率と考えると、3~4年かかると考えたので、2020年までは他のことはやらず、絶対に自分たちでその世界を作り上げていこう、ということをメッセージとしていました。
とはいえ当然ながら若干の時間差は生じると思っていますし、2021年からいきなり大型のM&Aをすることもできない。
そういう意味では、準備期間として小さめのディールとか、PMIが比較的簡単そうな領域のM&Aといったことを少しずつやっていかないといけないなと思っています。
島袋
助走期間のM&Aってやつですね。
岩田
M&Aは簡単じゃないとは思っているので、いきなり大博打みたいなM&Aをやるのは難しいと思っているんです。
いずれはそういうものもあると思いますが、それまでに少しずつ、リスクテイクできる範囲のM&Aで慣らしておいて、然るべきタイミングで大きな勝負をしていきたいなと思っています。
島袋
その準備期間でやるM&Aは、どれくらいのサイズ感になりますか?
岩田
EVERRISEさんから売っていただいたアドレポが2億ですし、やっぱり数億、5億以下くらいで当面はやっていきたいなと思っています。
売却したい方へ。イルグルム社のアセットは…
島袋
どちらかと言うと、AD EBiSをのバリューアップに寄与するものがありがたいですよね。
岩田
そうですね。
やっぱり自分たちの強みを生かしたM&Aでないと全然シナジーが出ないでしょうから、我々のアセットや強みを生かすことによってより生きるサービスがターゲットになると思っています。
具体的には、AD EBiSには膨大なデータがあるんですよ。
アクティブで1500社以上の広告主の日々の効果測定をやっているので、相当なデータがあるんです。
それに、こういったシステムを維持するためにはやっぱりテクノロジーが必要で、特にインフラ、保守運用の技術とか…
効果測定ってかなりクリティカルで、落ちると影響も大きいので、そういう意味では総合的なテクノロジーもあります。
もうちょっと広い意味では、このサービスも今よく言われるサブスクリプションのビジネスモデルですが、ワンプロダクトに常時150人~200人くらいの人手をかけているサブスクリプションビジネスってそう多くないんですよ。
20~30人くらいでやっているようなプロダクトが多いんです。
もちろんグローバルではSalesforceのように数千人とか数万人単位でものを開発している大手プレイヤーもいるんですが、国産のサブスクビジネスだと、100人~200人単位でワンプロダクトを企画・開発・運用しているようなものってまだまだ意外と少ないんです。
ここもけっこう我々の強みだと思っています。
データとテクノロジー、そしてサブスク運用の組織が、我々のアセット・強みですよね。
企画から開発インフラ、そしてセールスプロモーションとダイレクトセールスとパートナーセールスと、カスタマーサクセス、それに管理部とかUI・UX、その全部が1つのプロダクトのために動く状況って、意外とないので、この強みを生かしてバリューアップできる会社さんとは相性がいいかなと思っています。
実は既に狙っている会社
島袋
言える範囲でいいんですが、最近「あそこいいなぁ~!ちょっとほしいな~」と思われたのはどういう企業ですか?
岩田
けっこう実はあるんですよね。
というのは、データとテクノロジーとサブスク運用の組織陣営ってけっこう汎用性が高いんです。
アドテクの会社、人力の会社とはあんまりですが、テクノロジーで改善しようとしている会社とはけっこう相性がいいんですよ。
レガシーなところだと、たとえばメール配信とか。
そういうものも、単にメールを配信するだけじゃなく、データを元にして配信した方がいいに決まっているじゃないですか。
特にマーケティングテクノロジー、マーテックとか言われる領域で、我々の3つの強みがかなり生きてくるんじゃないかなと思っています。
島袋
エンジニア系の会社をタレントバイで、といったことはあまりなさそうですね。
岩田
そこは我々自身が磨いているところでもありますし、やっぱりタレントって当然ながら流動性が高いじゃないですか。
2億で買っても2年後にやめられたら、2年間の人件費が2億なのか、みたいな話にもなるし。
島袋
確かに。
岩田
少なくとも今の我々の状況を考えると、取れない選択かなと思っています。
島袋
岩田さん、欲しい会社も教えてください。
岩田
ははは(笑)。御社の…。
島袋
うち…?M&A BANK?え、これ?!からかってますよね。(笑)
岩田
いいかな思ってますけど、どうですか?
島袋
目が本気じゃない。(笑)
イルグルムさんとシナジーが生めそうな会社さんは、ぜひ問い合わせてくださいね!
岩田
ぜひこちらにお願いします。
島袋
冷やかしはダメですよ!
今年のもうひとつの気になる動き「自社株買い」
島袋
そうだ、今年自社株買いもしてましたよね。
ちょっと気になっていたんですが、あれはどういう意図があって?
岩田
意図は簡単で。正直、もっと評価されてもいいと思っているんですね。
そこに対しては自信を持っているので、今はすごく割安だと思っているんでlすね。
そういう意味では本当はもっと買いたいんですが、今動かせる資金とか株式市場の流通、株式比率とかそういったことを考えると、これくらいかなという判断です。
島袋
今後どんどん伸びていく自信があるということですよね。
岩田
もちろんそうです。
島袋
わかりました。いやあ面白かった!
岩田
M&A BANKさん、ぜひよろしくお願いします。
島袋
本当ですか!?みなさん、リリース楽しみにしておいてくださいね。(笑)
ではまた、M&A BANKでお会いしましょう!
【出演者情報】
■岩田 進:株式会社イルグルム-代表取締役
1997年、関西学院大学を休学し、バックパッカーで東南アジア、北米を旅する。飲食店経営、旅行ビジネスでの起業を経て、2001年有限会社ロックオンを設立し、代表取締役へ就任。卒業翌年に有限会社ロックオンを株式会社化。2019年に社名を「株式会社イルグルム」に変更。
■島袋直樹:M&A BANK株式会社-取締役会長
シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡し、2018年3月よりM&A BANKの運営を開始。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。
順次更新、岩田さんの出演動画 一気見はこちらから
(M&A BANK YouTubeチャンネル)
定額でM&Aの相談ができる、セカンドオピニオンサービス
※アドバイザーのご紹介も可能
その他ご相談、お問合せ