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元競合大手に売却、経営継続⁈【夢見る社・重見代表】|Vol.362-364

今回のゲストは、プログラミング教室『ロボ団』を運営する夢見る株式会社の重見代表です。
教育業界では珍しく、元競合だったエディオン社への売却後も傘下で経営を続けている重見さん。
大手と対等に渡り合い、かついい関係を続けるためのコツを伺いました。

▶ 動画の一気見はこちらから ◀

ゲスト ■ 重見 彰則 氏 夢見る株式会社 代表取締役
1985年兵庫県生まれ。関西大学総合情報学部在学中に、神戸YMCAにて野外活動ボランティアを経験。小学生を対象とした企画・運営を行う。卒業後、経営コンサルティング会社で4年半中小企業を支援。“人”の重要性を痛感し、教育分野での起業を決意する。2012年に夢見る株式会社を設立、2019年12月にエディオンへ全株式を譲渡し、グループ会社化した。

聞き手 ■ 島袋 直樹 M&A BANK株式会社 取締役会長
シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡し、2018年3月よりM&A BANKの運営を開始。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。



【M&Aがリスタート!】プログラミング教室『ロボ団』創業者登場〈No.362〉

プログラミング教育の先駆け、『ロボ団』創業者が登場

ゲストは夢見る株式会社、代表取締役・重見彰則さん
経営コンサルティング会社で4年半勤務
27歳で教育事業を立ち上げ、会社を設立

M&Aがリスタート、株売却後も経営を続けるタイプのEXIT
2014年からロボットを使った子供向けプログラミング教室を開始
先駆けとして5年半経営、2019年に家電量販店大手のエディオンに全株式を売却
現在はエディオングループで代表を続けながら、教育事業の責任者を務める

小6で翻訳アプリを制作⁈ロボットの世界大会の出場者も多数
『ロボ団』は撮影時で約120店舗(海外にも5店舗展開)まで拡大中
小学生にしてプログラミング言語「Python」を使えるようになる教室
現在は約20教室が直営、約100教室がFC


狙っていたのはM&AではなくIPOだった

関西ベンチャー界隈の気運に乗り、IPOを目指していた
最初は借入でスタート、2度のエクイティファイナンスで約2億5千万円調達
1度目はバリュエーションが高かったため、株の放出は20%未満に収まった
2度目は1度目の影響を受け、バリュエーションが付きづらかった

政府の発表で業界の様子は一変
義務教育必修化が発表されて教育業界が色めき立ち、大手の参入が相次ぐ
先駆けとして展開し、質は担保できている自負はあった
一方、ブランド力や資金面で大手に食われてしまう危機感も

成長のための戦略が、結果的にM&Aにつながることに
2018年後半頃からJAXAやベネッセなど大手との協業を始めていた
M&Aの話もその流れで舞い込んできたもの
IPO目標・事業拡大路線で業務提携を進めていた流れからM&Aが決まった



【ベンチャーあるある】競合する大企業への売却の怖さ、のまれないポイント〈No.363〉


サービス命名裏話

『ロボ団』の命名は重見さん自身が行った
お世話になったF総研からは「そんな名前で大丈夫ですか?」と心配された
拡大したら「しっくりくるようになりました」と言われたとか


元競合へのM&Aが決まるまで

M&Aを提案された時の正直な気持ち
IPOに比べてM&Aのバリュエーションは低くなると思っていたため、外部の株主のことを考えると抵抗もあった
教育業界は創業者のクセが強く、売却後に辞めた先輩経営者が多いことも気になっていた
ただし、業務提携の話の中でM&Aも選択肢として想定してはいた

M&Aを支援してくれたのは
東京の大企業本社情報が入ってきにくい中、トーマツベンチャーサポートが支援してくれた
提携先を探してもらい、7~8社にピッチに行った

買い手の属性で評価は二分した
教育事業を始めているところとそうでないところで評価が割れた
経験のある人は大変さを分かっているが、知らない人は数字でしか見られない
より高い評価をしてくれるのは既に参入している会社だった

競合でもあったエディオン、提携の提案は怖かったのでは?
エディオンも2018年からプログラミング教育市場に参入していた
競合とは言え負ける気はしなかったので、話を持っていくことができた
ただし、資料の開示は面談を挟み、相手の本気度を確認できてから行った
結果的に一番高く評価してくれたエディオンが売却先に決定

競合でもある大企業へ売却話を持っていくときのポイント
ただ大企業に飲まれてしまうのではなく、マウントを取れるか
ベンチャー側がリソースを取りに行く姿勢を取れるかが大事
他にも買い手候補(ベネッセ⁇)がいたので、コンペにできたのもよかった



【〇〇億円で全株売却】元オーナー経営者が語る、高評価の理由と売却後の心境〈No.364〉

相場よりかなり高い売却額に。振り返って思うことは

気になるお値段、相場より高く評価されたわけは
新聞やネットニュースでは「十数億円」と言われている
IPOを目指していた時のバリュエーション10億円が基準になっている
一般的なM&A評価とは違ったため、業績に比べてもかなり高い評価だった

急な変化、やはり金銭感覚は狂う
10万円持っているときと1億円持っているときでは10万円の価値は変わる
10分の1位の感覚になったかもしれない

重見さんが思うM&Aとは
「経営の出口」のイメージが強いが、「さらに成長するためのM&A」もある
大手の資金力・ブランドを得てさらに成長するための手段
「最もアグレッシブなエクイティファイナンス」というイメージ

「大金を手にするとやる気がなくなる」説……むしろ逆
これまでは不安もある中で1年1年やってきていたが、M&Aで余裕が生まれた
今では数年後を見据えながらかじ取りできるように
やりやすくなったし、むしろ意欲は増している

プログラミング教育で天下一を取るためのM&Aだから
これからはそれを証明するためにいっそう頑張る
入ってきたお金で、個人のライフワーク「子育てに悩む親の支援」にも取り組んでいきたい(既にYouTubeチャンネルも開設!)






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