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限られた時間で頑張る、その時間は、忘れかけていた青春だった――五十嵐道代さんインタビュー

五十嵐道代さんは、1児の母でもあるフレスコボーラー。2017年7月のGifut(ギフト)カップにご夫婦で参加し、同年のジャパンオープンに出場したところから、フレスコボールにのめり込んできました。

着実に実力、点数を伸ばし、今年の年間ランキングは女子カテゴリーで9位。女子ペアではお互いに子どもがいる中で練習時間をやりくりし、結果につなげています。

いつも一緒に練習に来る、娘のももちゃんはみんなの癒し。2018年の7.8月の大会では道代さんのご実家、高梨農園から協賛もいただき、フレスコボール界には不可欠な存在となりました。密かな熱い思いも聞けたインタビュー、お楽しみください!

子どもがいても、公園で軽くやりやすいスポーツだった

― フレスコボールに出会ったきっかけは?

五十嵐 私のペアの加藤祥子から、「フレスコボールっていうのやってみない?」って誘われたんです。子どもが生まれてからあまりスポーツをやってなくて、何かやりたいなって思ってた時だったので、やってみようと。祥子はもうラケット持ってて、最初は祥子の家の部屋の、4畳半のところでやりました(笑)

― 最初は祥子さんに誘われて、だったんですね。

五十嵐 そうそう。その時に、いがちゃん(夫)に言ったら、すごい食いつきがよくて、すぐにラケット買ってやってました。子どもがいても、公園でちょっとやるにはやりやすいスポーツだったので、月1で公園でやってた気がします。

― ギフトカップ(2017年7月)に出たのは何でですか?

五十嵐 5月か6月ぐらいに、三浦でやってたフレスコ体験会みたいなイベントに、祥子と行ったんですよ。そしたら嵐さん(五十嵐恭雄:フレスコボールアンバサダー)と倉茂くん(倉茂孝明:日本代表)がいて、体験させてもらいました。

その時に、嵐さんと倉茂くんのインスタを教えてもらって、ギフトカップを知ったんだと思います。で、いがちゃんと出ました。ギフトカップは「1人で参加してもペアを組めます」っていうのもよかったし、子どもが小さくても大丈夫って聞いてたんで、出ようって。

― ギフトカップは2位だったんですね。

五十嵐 それも夫婦ポイントが50点あったんですよ(笑)。それも申し訳ないなって思ってて、でもそこで次の大会も誘ってくれてたし、これは出ろってことだよって。勝ち逃げはだめだよって(笑)。それでジャパンオープン(2017年)にも出ました。

― 今まではどんなスポーツをやってきたんですか?

五十嵐 中学は陸上の短距離で、高校はバドミントン3か月ぐらい。大学4年くらいからクライミングを10年ぐらい。スラックラインはちょっと遊ぶぐらいですかね。

― クライミングが一番長いんですか?

五十嵐 一番長いですね。なんかずるずると。

― それで腕力…だからカリオカのラケット折れちゃったんですかね…(笑)。普通に打ってたんですよね?

五十嵐 普通に打ってた。で、あれ…?って(笑)

― でも初心者ラケットも…

五十嵐 そう、初心者ラケットも根元から折れちゃって。

― 2本も折った人、みちよさんしかいないですよ(笑)。

五十嵐 なんでだろう、不良品が送られてきたんじゃないですか?(笑)

― 2つも不良品当たっちゃいましたか(笑)

五十嵐 そのあと、今のブルーマンを買いました。ブルーマン良いので、カリオカ折れて良かったです(笑)。

みんな仲が良くて、アットホームな雰囲気が楽しかった

― 今年はご実家の高梨農園・三浦ストアさんに協賛いただきましたが、どういうきっかけがあったんですか?

五十嵐 あれは、お台場カップ(2018年5月)の飲み会で、窪島さんが「ブラジルでは大会の時に野菜とか果物が置いてあるんです」って言ってて。「うち野菜作ってるんで、やりましょうか」って。

― みんな食べてましたね。きゅうりとトマトとスイカ。おいしかったです!

五十嵐 ありがとうございます。

― 今年1年はどうでしたか?

五十嵐 去年(2017年)のジャパンオープンの時、みんなすごい人が良くて、子どものこともみんなあやしてくれて。それに、みんながすごく仲がいい印象があって、大会が楽しかったんです。アットホームな感じで。みんな仲いいな、うらやましいなって。

― 今ではすっかり輪の中に入ってますよ。

五十嵐 もう嬉しいです。子どもも、ちょっと一緒に遊んでくれるだけでも母親としてはすごく楽なので…ありがたかったです。

― 夏は結構、練習したんですか?

五十嵐 練習の話をすると、サクラカップ(2018年4月)が終わってぐらいから逗子に行くようになりましたね。もうちょっと練習したいって思うようになって。5月のお台場カップでアタックディフェンスがなんとなくできるようになって。

― お台場ではちゃんとアタックになってました。

五十嵐 その後、ビギナーズカップ(6月)に出ることになって。初心者とやると、本当に同じところに返さないとダメだから、そこで初めて、同じところに返すことを意識しましたね。

― なるほど。

五十嵐 自分が拾わなきゃいけないから、足を動かすっていうのもビギナーズカップで覚えました。その大会後に、真彩さんが「打ちませんか」って言ってくれて、「何かアドバイスないですか」って言ったら、「アタック振り切った方がいいですよ」って言われて、そこから意識してできましたね。

ジャパンオープンでいい点を出して、私のフレスコボール人生は終わりにしよう

― あの日、めっちゃラリー続きましたよね。

五十嵐 いがちゃんに、「これ直した方がいいよ」とか言われても、ただイライラするだけなので、他の人にアドバイスもらえると素直に聞けます(笑)。夫婦とか恋人でやってるペアってみんなそうだと思いますけど。

― みんな、五十嵐夫妻はすごいな、よくペアとして続くなって思ってますよ(笑)。

五十嵐 何回もやめた方がいいんじゃないかって思いましたけど(笑)。本当に2人でやってるとお互いイライラしてきちゃうから、逗子とかでみんなでやった方がいいんだよって言って、来るようにしてるんです。お互いがお互いで上手くなって、合わせていくっていう方がいいんじゃないかって。

― 7.8月は女子ペアの結果も良かったですよね。

五十嵐 7月の三浦カップでは祥子との点数がすごい良くて。

― 「え、続いてる、やばい。」って思いましたもん。えっと…555点。

五十嵐 その時は練習より良くて、一番いいプレーだったんです。あとで動画見たら、祥子のアタックがポイント取れてないのが30回くらいあって。もしそれが入ってたら、600点いったじゃんって思って。そこから本気でやりたくなりました。

― そこから結構練習したんですか?

五十嵐 出るんだったらある程度上位を目指したいっていうのを祥子に話したら、「実は私も上位を狙いたい」って気が合ったので、じゃあがんばろうかって。7月中は壁打ち練とかして、8月に入ってからは、週2回、平日の昼間、12~13時の1時間で、練習してました。祥子とのペアの練習は結構時間を取ってやりましたね。

― 週末もできるときに?

五十嵐 週末もできるだけ。でもお互い子どもがいるから、打ててもせいぜい2時間ぐらい。子どもが急に熱出ちゃってできないとかもあったし。おばあちゃん連れてきて、車の中で子どもたちを1時間見てもらってやったりとか、そんな環境の中で。

― すごい努力ですね。

五十嵐 子どもがいるのに、自分たちでも良く頑張ったなって。自分だけの時間で集中するっていうのは充分にはできなかったから。だから、みんなうらやましいなって。

― それはそうですよね。でも、それで600点超えました。

五十嵐 ジャパンオープンは、本番もっとうまくいくはずだったのに…。

― もっとできた?

五十嵐 なんか突風が吹いて乱されて。もうちょっと、700点ぐらいはできたっていうのはありましたけど。

- 見てると、700点もいけそうですよね。

五十嵐 でも、結構いろいろ犠牲にしたんです。フレスコを最優先にしていて、仕事とか子どもとの時間を削って。それがしんどいなっていうのはありました。それで、思ったより上手くいかなかった。

本当は、このジャパンオープンでいい点出して、私は競技としてのフレスコボール人生は終わりにしようって思ってたんですけど、点数見て悔しくて、もうちょっとやりたいって思いました。

将来的には、本場ブラジルも自分の目で見てみたい

― 悔しさだったんですね。そんなに力を入れてるなんて知らなかったです。

五十嵐 実はひっそりと。でも、そうやって頑張る感じがすごく楽しくて、青春でした。忘れかけていた青春を取り戻した感じ。

― 大人になってこんな一生懸命やることってないですからね。それを聞けて良かったです。

五十嵐 だから本番が近づくにつれて、皆も感じてるだろうけど、プレッシャーをすごく感じてきて。それに対して、これじゃ楽しめないって私は逃げちゃって。でもいがちゃんにその話をしたら、「それは自分で飲みこまないとダメ」「それが本番の集中力に出るから」って言われました。それが足りなかったんだなって。

― 練習やればやるほど、プレッシャーも大きくなりますよね。

五十嵐 せっかくやってきたのにって。だからみんな、よくやってるよね、って思います。でも、最初はいがちゃんか祥子としかやってなかったけど、今は仲間も増えて、だんだんと他の人と打つこともできるようになったし。そう思うと1年でだいぶ変わりましたね。

― 今後フレスコボールどうかかわっていきたいですか?

五十嵐 そこね、どうしようかな。でも、やっぱり仲間や知り合いが増えたので、そこはずっと大事にしていたいし、フレスコボールは続けていきたいです。あとはブラジルには1回は行ってみたいかな。まだ子どもが小さいから行けないけど、将来的に行けたらなと。本場を見てみたいです。

ハワイでの飲み会でも、窪島さんや後藤さんが、「アタック、ディフェンスが途中で変わったりとか、打ってる中にもストーリーがある。それはブラジルに行かないとわからない」っていう、熱い話をしてて。じゃあブラジルに行かないとダメじゃんって。

― 最初は家族でやれるからいいなっていう感じだったのが、本場を見たいっていうところまで。

五十嵐 でも今年の夏はフレスコボールの比重が大きくなりすぎたので、もうちょっとゆるくやってもいいかなって。家族で楽しめてみんなとも仲良くできて、充実した生活になればいいと思いますね。でも本当にみんな、仲良くしていただいてありがたいです。強調しておいてください(笑)。
(太字にしました!(笑))

― ありがとうございました!

次回のインタビューもお楽しみに!

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