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2023年末の雇用は予想外の好調。利下げは遠のいたか?
前提として
米労働省が発表した2023年12月の雇用統計によると、非農業部門就業者数は前月比21万6000人増と、予想の17万人増を上回りました。11月は17万3000人増でしたので、雇用環境は良くなったとみることができます。
12月の失業率は3.7%と、予想の3.8%を上回りました。失業率は11月から変動しませんでした。
12月の平均時給は前月比0.4%増、前年比4.1%増と、それぞれ予想を上回りました。
2023年12月の雇用統計からは、米経済が変わらずに好調であることを示唆しているようにみえます。この数値のみを切り取れば、連邦準備制度理事会(FRB)は、利下げを遅らせる根拠となりえます。実際、雇用統計発表後すぐに株式市場は反応し、株価は一時下げました。そもそも2024年始より、米国株式市場は下げ方向のトレンドに入っているかのように動いています。
2023年末の株高は、FRBによる金融政策のハト派転換姿勢により成り立っていました。したがって、金融政策の緩和が遠のいた場合、市場の方向は180度転換すること可能性としてはあります。
この度の雇用統計は映し出す数値は、金融政策の再考となりえるのか?以下に私見をまとめます。
注目点
好調にみえる雇用統計ですが、実情とは「ズレ」が生じている可能性があります。例えば。家計調査に基づく雇用者数は68万3000人減少しました。
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