2023年11月15日の雑感ーCPIは続落。ディスインフレインフレが今後も進行すると考えられる理由とは?ー
前提として
米労働省が発表した10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.2%上昇と、予想の3.3%上昇を下回りました。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアのCPIは4%上昇と、予想の4.1%上昇を下回りました。
個人的な注目は、前月比でも順調にディスインフレが進行していることです。CPIは前月比0.0%上昇と、予想の0.1%上昇を下回りました。コアCPIは0.2%上昇と、予想の0.3%上昇を下回りました。したがって、10月の統計のみを考慮した場合、物価上昇圧力は大きく緩和されたとみることができます。これは重要な展開だと考えます。
10月のCPIは反発が予想されていた
米労働統計局は10月のCPI発表から、ボラティリティを抑制し、タイムラグを減らすために集計方法に変更を加えました。その一つに、医療保険料の算出方法の変更があります。医療保険料はこれまでCPIの数字を抑えていた項目でしたが、新しい算出方法になることで上昇圧力をかけると広く予想されていました。したがって、10月のCPIは上振れされると予想されていた新算出方法でも続落したという点で重要だと考えます。
ディスインフレに寄与したのは
主にガソリン価格と住居費の下落が挙げられます。特に住居費はCPIの約3分の1を占めるため重要です。住居費は前年比0.3%上昇と、前月の伸びからほぼ半減しました。
住居費は民間の統計では既に下落が始まっていたこと、労働省の統計では反映までにタイムラグがあることを繰り返しお伝えしてきました。したがって、10月のCPIでは、待望の住居費下落の反映によって、ディスインフレが進行しました。
今後予想される展開は
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