2023年11月6日の雑感ー予想を下回る雇用統計。投資家には朗報か?ー
前提として
米労働省が発表した10月の雇用統計によると、非農業部門就業者数は前月比15万人増と、予想の18万人増を下回りました。また、9月の非農業部門就業者数は29万7000人増に改定されました。
失業率は3.9%と、前月の3.8%から上昇しました。
平均時給は前年同月比4.1%上昇と、9月の4.3%から縮小しました。
労働参加率は62.7%と、前月の62.8%から縮小しました。
したがって、10月の雇用統計は経済の過熱感が一部和らいだとみることができます。非農業部門就業者数が前月比で約半数にまで落ち込み、失業率は小幅上昇。平均時給はインフレを上回ってこそいるものの、頭打ちした可能性を示唆しました。
注目点
雇用統計発表前後で米長期債利回りは急落しました。米10年債利回りは一時の約5%から、執筆時現在は4.5%にまで低下しています。米長期債利回りの下落は、一般的に株式資産にとっては株価を上昇させる要因になります。したがって、株式投資家にとって、この重要な事象である同利回りが下落した原因だと考えられるものを下記にまとめます。
・米財務省が発表した長期債発行予定額が市場予想を20億ドル下回りました。また、市場予想よりも早い来年3月に米国債増発を停止することも発表されました。
→債券の供給が市場の想定を下回る見通しとなったことを受け、タームプレミアムが低下しました。これに伴い、同利回りも下がったものだと考えられます。(参照:https://note.com/maasi_kabuo/n/n0e3b1da7a4ae)
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