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【レポート】まあさマイムワークショップ2018

12/8(土)開催。今回は6人の演技経験者にご参加いただきました。
毎回ワークショップをやって思うのだけど、参加者は課題意識をしっかり持っている人ばかりで素晴らしいなと思います。今回も優秀な方たちが集まり熱心にワークをしていたのが印象的でした。どうもありがとうございます!

参加者の内訳は男性1名、女性5名。舞台演者が4名、身体表現やアート関連が1名、声優さんが1名でした。

Twitterで嬉しい感想もありがたや。


「カラダに想いを込める」をひたすら繰り返す

ストレッチやグループワークのコンタクトでアップをしてから、カラダに想いを込める流れに。

そもそも、さまざまな感情のときって、どんな身体の変化が起こるんだっけ? という問いから。身体で確認作業を行って感情=身体の体験をするところから始めました。

感情表現の課題は3つ。
「楽しい(笑い)」「怒り」「悲しみ」の、3つの感情を言葉を使わずに身体だけで表現をします。

笑っているときって、腹筋めちゃくちゃ使うよね。呼吸は細切れになるね。緊張したり、脱力したりを繰り返すよね。
など、「楽しい」感情を体感した後に身体の変化を、みんなで「言語化」していきます。
怒りや悲しみの感情表現も同様に、身体の変化を感じながら、3つの感情の呼吸と筋肉の使い方の違いを確認していきました。

感情=身体の使い方が少しずつ体感できたら、次は応用編の「感情や状況の筋肉の変化」を体感するワークへ。

7つの緊張状態

まあさマイムワークショップではほぼ毎回行っている「7つの緊張状態」。人が体感する「緊張の状態」を7つに分類して、その状態を体現化してもらうものです。

1番から3番までが、脱力している(筋肉が弛緩している)状態。数字が少なくなるほど脱力状態を体現します。
4番が通常の状態。これが人によっては一番リラックスしている状態ですね。
5番から7番が、緊迫・切迫している(筋肉が緊張している)状態。数字が多いほど緊張感が増していきます。ちなみに7番の状態は「金縛り状態」です。自分で筋肉が緊張している状態をコントロールできない状態→金縛り状態を作り出してみます。

4番→5番→6番→7番→1番
のように、これらの7つのチャンネルを次々と体現化していくと、最初にやった1番よりも深い1番を体感(脱力感を得られる)できたりします。
脱力してください、といっても上手に脱力の状態を作り出すことは難しいので、緊張状態をひとつずつあげて一気に脱力するワークで、本来もっている脱力状態を作り出すことができます。

また、こうした身体の状態をチャンネル化することで、この感情のときは6番の緊張状態をつくって表現してみようと、感覚的なものを番号で仮説を立てて表現ができるようになっていきます。これで表現が安定したり、修正もしやすくなるのが最大のメリット。感覚一発勝負の表現では、再現性が難しいときもあるので、こうしたフレームワークは上手に使うべきかなぁと思います。

クリエイションでは「表現者としての在り方」を問う

「カラダに想いを込める」ためのワークを繰り返した後は最後の課題。
自分自身で考えたソロパフォーマンスの発表を行いました。
テーマは「孤独」。
好きな感情を2つ選んで孤独をテーマに演じてもらいました。

特に今回のWSで私が拘りたかったのが「表現者としての在り方」の部分を見つめ直すこと。
その表現(課題)は誰に見せたいですか? と質問をして、
その答えに対して、なぜそう思うのかを3回、自身に問いかけるワークを入れました。

参加者の皆さんが表現(活動)をする「目的」を引き出したく、ちょっといじわるな、なぜ? なぜ? なぜ? 攻撃をしかけたのです。笑

これはとても大事なことでもあって、表現自体は「手段」なはず。
表現する目的は、日頃から内省していないとすぐに言語化できるものではありません。
表現者としての在り方を自身が再認識することで、今ここでやる演技が何倍も輝くのでは、という仮説を立てて、参加者のパフォーマンスを見ていました。

普段私たちが見るエンタメには、なぜその俳優が演技をやっているかなど、理由を知らず見ています。
もしその演技をやる理由が「亡くなった母に見てもらいたいから」と、知ることができれば、観客の演技の見方が大きく変わるはずです。
また、俳優自身もそうした強い覚悟を認識することで、稽古量も当然変わってくると思います。
そうした「表現する背景」に注目をして、演技が変化するかを楽しんで見させてもらいました。

集中力を持って発表してくれた人、ていねいに今を感じて演技した人、昔の自分に見せたいと言った人、
輝いている表現がそこに在りました。これはわたしにとっても大きな収穫。
非言語を言語化すること。そして、言語を非言語化すること。
このワークは、今後のまあさワークショップの大きなテーマにしていこうと思います。


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