【映画評】 宮崎大祐『遊歩者』FLANUER 存在・実在性ということ
宮崎大祐監督作品の主題の一つに“出会う/出会わない”がある。そこにあるのは偶然性や憑在性なのだが、それを支えるのは存在、実在性の問題である。わたしは宮崎大祐監督の全ての作品を見たわけではないのだが、見た限りにおいて、存在・実在性をアプリオリに前提としているように思えた。その存在・実在性を簡潔、明快に描いたのが、5分の短編『遊歩者』(2019)である。
『PLASTIC』(2023)が上映される前に、宮崎大祐作品における存在・実在性を『遊歩者』で確認しておこうと思う。
ローラ