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文学の扉_literature

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文学について書くとは文字テクストによる文学テキストへの返礼。 なんて無謀な行為なんだ。
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#かぶれ

【エッセイ】 ノンシャラン〜円卓袱台と漆とかぶれ

地に足がつかず、不意にどこかに行ってしまいそうになったり、どこかに吹き飛ばされてしまいそうになったり、それでいてここではないどこかに行くわけでもない、そんな状態をどのように表現すればいいのだろう。 たとえば、フランス語のノンシャラン(nonchalant)というのはどうだろう。不意にそんなふうに思った。 「nonchalant」の例文を辞書(「新スタンダード仏和辞典」大修館書店)から拾ってみると、 tempérament nonchalant    のんびりした性格 élè