【エッセイ】 倉橋由美子『聖少女』を読んで
目覚めると喉に少しの痛み。布団もまともにかけないで寝たせいなのか。わたしの常はそうであるからウイルス感染は気にする必要はないと思うのだが、痛みが消えるまで自宅で過ごすことにする。
午前中、Kさんに手紙を書き、そして昨夜から読みはじめた倉橋由美子『聖少女』(1965)を読み終える。夕方には喉の痛みも消え始めただろうか。
『聖少女』は倉橋由美子が30歳の作品。『暗い旅』(1961)をはじめ、少女の意識の流れをテクスチャーとした作品を発表してきた倉橋なのだが、彼女自身、『聖少女