【MaaS体験記#1】富山市でmy routeを使って観光してみた
はじめに
このnoteでは、全国各地のMaaSのサービスを実際に体験して、その感想などを発信していきます。
現在、日本各地で数多くのMaaSの実証実験が実施されていますが、サービスの内容や対象範囲などは実施主体者により様々です。
そこで、このnoteでは実際にMaaSを利用した感想や他のMaaSサービスと比較してどうなのかなどを体験をもとに考察していきたいと思います。
第1弾の今回は富山市を中心に展開されているmy routeの体験記です。
MaaSとは
my routeの体験記に入る前に、まず「MaaS」とは何か・・・です。
出典:Wikipedia
my routeとは
「my route 富山」は、公共交通を軸とする都市計画を立案し、LRT(Light Rail Transit:次世代型路面電車システム)の導入や2006年(平成18年)3月に廃止されたJR富山港線をLRT化するなど、効果的な施策を続けてきた富山市が舞台の観光型MaaSです。
富山市ではこれまでもMaaSの実証実験がされていますが、my routeは実験ではなく本サービスとして展開されているものです。すでにMaaSの素地のある富山市で、どのようなサービスが展開されているか体験してみました。
実際のサービス利用は、TOYOTAが提供するスマホ向けの「my route」アプリを使います。富山市以外にも福岡市や横浜市など複数の自治体で提供されています。
my routeアプリの特徴は3つあります。この3つに着目しつつ富山市内を観光してみました。
【特徴】
1.移動手段と組み合わせたルート検索
2.アプリでの予約・支払
3.富山の観光情報を取得
使ってみた
◆路面電車の利用感
富山市では富山駅の南北で路面電車が走っていましたが、2020年(令和2年)3月に富山駅の南北の路面電車が富山駅の高架下で接続しました。
路面電車 駅構内の様子
路面電車 駅外の様子
改札口から駅舎を出ることなく路面電車に乗換可能で、各路線は必ず富山駅を終着または経由するなど、富山駅は極めて利便性の高い交通拠点となっています。
実際に市内の方と話をしたところ「路面電車が市民の生活の足となっている」と教えてくれました。通勤通学の時間帯には多くの方が利用されていました。
また、路線もシンプルで15分間隔で運行しているため観光客にとっても観光スポットめぐりに非常に使いやすい乗りものだと実際に感じられました。
my routeでは市内電車とバスのフリーきっぷが650円で購入できます。通常1回乗車すると210円なので4回以上乗る場合はお得です。
降車時に運転手に画面を見せるのですが特に問題なく利用できました。
下の写真のように見せるだけで降車できます。
◆アプリの使い勝手、決済
アプリからデジタルチケットが購入可能です。購入方法はシンプルで、あらかじめクレジットカードを登録しておけば、該当のチケットを選択して決済するだけ。ECサイトで買い物する感覚でチケットが購入できます。
アプリにはクーポンサービスもあり、周辺のお店のクーポンが一覧表示されます。行きたいお店のクーポンをダウンロードして提示すれば特典が受けられます。
余談ですが、、、私はクーポンで餃子3つをゲットしました。
ルート検索は多くの乗り換え案内アプリのように出発地と目的地を設定するだけで検索できます。・・・が、富山駅から高岡城を目的地に設定したところ、この日は平日でしたが土日祝日限定のフリーきっぷが候補に表示されました。検索時に曜日も考慮してくれるとより使い勝手がよくなりそうです。
結局、手持ちのICカードで乗車したのですが、富山地方鉄道とあいの風とやま鉄道、JR高山本線が相互に利用できるパスがあると非常に便利だと思いました。
まとめ
今回は富山市を中心に展開しているmy routeを使ってみました。
アプリの完成度は高く、安心して使え、初めての富山旅をサポートしてくれます。
残点だった点は複数路線で利用できるフリーきっぷがなかったこと。路面電車で富山市内を観光してから高岡市へ移動して城跡や大仏を見てみようとした場合、別のチケットが必要となります。観光客の周遊性を高めるためには、複数の路線を組み合わせたフリーきっぷが効果的なのではないかと感じました。
また、富山駅前で富山城を目的地に設定すると徒歩移動となり路面電車が候補にでませんでした。設定でしょうか。
もう1点。今回、事前に富山駅の観光案内所で市内の飲食店情報を聞いてみましたが、my routeで検索してみると表示されない飲食店もありました。
データ化されていない情報もあると思いますので、そういったデータと連携できるとさらによいサービスとなるでしょう。
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