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ナーシング

患者さんを看取った時、
もっとこうしてあげればよかった
と思うことはたくさんあって、
尊敬する先輩看護師の方々は、
そういう経験をたくさんして、
患者さんそれぞれに、
より良いナーシングができるようになるんだなって思ったのは新人の頃。

先月の母が亡くなる前日、
状態が悪く、とてもつらそうだった。
痛みがあり、薬がなかなか効いてこずに
眉間にシワを寄せていたので、
ベッドに腰掛けてしばらく背中をさすっていたら少し表情が穏やかになった。

母が、アメが食べたいと言った。
職業柄、わたしは、
いまはやめとこう、と返事をしてしまった。

患者さんにそう対応していたからというのもあるが、このときわたしは、状態が持ち直してくれることを信じていた。誤嚥でもしたら大変、良くなったらにしよう、と。
でも、心の奥底では、いや、ほとんど確信に近い意味で、いままでの経験から、
...今夜かな、、、と覚悟していた。

いまも、この時のことを後悔している。
撫でるとチクッとするのに見えない、
指先に刺さったトゲのように。

わかっていたならアメを舐めさせてあげればよかったじゃないか。

職務としては、正しいと思う。
けど、家族としては?娘としては?
わたしは正しかった?



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