子供のこと
自分の子供でも、自分ではない。だからその実は分からない。
子供の家庭教師はお医者さんの卵だ。都会から来た頑張り屋である。先生の書く字は小さいし、性格が細かいところがある気がして最近敬遠していた。しかし、今日は何故か膝を交えて話すことになってしまった。
私が安易に頼んだ定期テストの計画を先生は子供と1時間かけて立てた。その時に色々子供の鞄から必要であろう丸まったプリントを探し出し先生に渡そうとした。その時不意に先生に言われた。「最近お子さんが疲れているみたいですね」
ウチの子供のように音や光などに過敏で、疲れやすい人間がいるという。また、脳の中の情報が整理されにくく、ぐちゃぐちゃのまま勉強に向き合おうにも、脳の容量がパンクするというか、手につかなくなる人間がいるというのだ。あと宿題などのタスクなども忘れてしまうという。
先生はご自分もされているという整理方法を提案して下さった。しかし、私の心は少し重くなった。
先生が子供のことを理解してくれ始めたような心強さはあったが、これから子供が辿る道のりを思うと気が遠くなる。子供も私も乗り切れるのだろうか。