松丸契さんの独奏の感想11/15/2020@NRFS
徒然なるままに、かなり散文的に、松丸契さんの独奏を聴きながらメモをとったものをほぼそのまま書きます。薄暗い下北沢の小さなバーで繊細にはじまる独奏は、演奏者を観るよりも心で聴いたらもっと受け取れるんじゃないかと感じてそのように。とても個人的な散文なので好きなとこで読んだりやめたりしてください。
赤茶が燃えたり凍ったりする
同じラインではないのに同じ道を辿りながらずっと違う場所を歩く旋律
ピアノ線に向かって(共鳴するピアノ線)その向こうの空間が拡がり ※1
最初はDavid Lynchの夢の描写のよう(冷たく響くのは金属だからか)
終始揺れ揺れているトーン達はキシュ島のイラン映画を想起させエチオピアに降り立った(その後はずっとエチオピア)
動物と会話するかのようでその言語(?)が結晶し、整い、会話ができてくるようにフレーズが構築され
また
時間や空間を自由に行き来している様でもあり
深い溝を探検(点検)していく様でも
赤茶が燃えたり凍ったりする
音が音になるまでの距離をみせている
ピアノ線の共鳴から湧く低音は遠くへ走り過ぎ
ピアノの共鳴は冷たいので
アフリカで踊る人とピアノを挟んだその向こうに
何百年も溶けて凍って青を増した氷河が広がっているよう
バラバラの音たちがまとまりはじまると
そのひとかけらが捧げられ
ヒマラヤと祈り
後半にエレガントがかすれ
倍音がお客さんの左右の耳をつないで
辺り一体をまとめていく
暖かい 空虚な 神々しさ
言葉にはできない
※1 演奏者は時折サックスを吹きながらピアノに向かいペダルを踏んで共鳴させている。
年内最後の独奏とのことでしたが、この時に12/20にこの日の1時間後の開始時間、19:00からやることになりました、時間帯が違うからまた違った感じになると思いますとにやっと繊細に仰っていたのが印象的でした。
松丸契さんと読んで下さった方、No Room For Squeresと一緒に聴いてくださった方達に心からありがとうございます。
上の荒い画像はキシュ島の物語というペルシャ湾に浮かぶ島の1999年のイラン映画のものです。