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セルフディフェンス:看護師にも「自己防衛」が必須な理由

看護師に抱くイメージといえば、
『病気の方を助ける素晴らしい仕事』
と想像される方が多いかもしれません。

看護師側から見える景色は
単に助けるだけでなく、
人間の本質を見て学び、探り続けながら、
人の神秘に対応する非常に興味深い職種とも言えます。

一方で、看護師が抱える現実には
3Kと言われる
きつい、汚い、危険
の厳しい面が存在するとも言われてきました。

その上、最近では
「規則がきびしい」
「給料が安い」
「休暇が取れない」
「婚期が遅い」
「化粧がのらない」
「薬に頼って生きている」
の9Kという方もいらっしゃるようです。

NursePlusというサイトです。
https://kango.mynavi.jp/contents/nurseplus/workstyle/20211124-2143481/

ここに、『化粧がのらない』が入っているのはとても興味深いです。
男性看護師も増えている最近の情勢を思うと、
少し改善をお願いしたいところでもあります。

こんなこと言って
アメリカかぶれと思われたらすみません。

話を戻して。

看護師の危険と隣り合わせというと、
やはり患者さんからの細菌感染や血液感染などの
医療行為上に起こる事や
言葉による暴力を思いつきますが、
身体的な危険が実はとても多く存在しているのです。

看護師が直面する危険とは

アメリカ看護協会によると看護師4人に1人の割合で何らかの暴力被害を受けているそうです。
https://www.nursingworld.org/practice-policy/work-environment/end-nurse-abuse/#enaedu

日本看護協会では2007年に既に
保険医療福祉施設における暴力対策指針を提示していて、

https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/guideline/bouryokusisin.pdf

そこには、身体的、精神的暴力そしてセクシャルハラスメント、その影響やその後の対策が記載されています。

そう少し具体的に説明すると
認知症やせん妄、疾患による意識障害、薬の副作用、アルコールの濫用、違法ドラッグの影響、それ以外にもちょっとしたストレスで怒りが爆発するなど、さまざまな要因を経て身体的な暴力につながるケースがあり、
ベッドサイドにいることの多い看護師がその影響を受けてしまうのです。

患者さんに叩かれた、蹴られた、頭をどつかれた、点滴棒を投げられた、は実際に見たりされた方から聞いた話ですが、それ以外にももっと深刻な事例では意識が混濁した患者さんに首を絞められた話も耳にしました。

病院内だけの事ではなく、家庭内の虐待、ドメスティックバイオレンスに基づいたストーカーや恨みつらみによる犯罪に関連する場合も存在して、
別れを告げて、アパートを変えでも、
職場が分かっているのでそこに待ち伏せていたケースをニュースで見ました。

アメリカの病院では患者さんや訪問者が暴力化すると
セキュリティーオフィサーと呼ばれる方達に連絡することで
一度に4〜5人はその場に来てサポートしてくれます。

セキュリティーオフィサーはとても訓練を受けているので
実際に暴力化している人と交渉する
押さえつけて抑制する
お見舞いに訪れている患者さんの家族やお知り合いの場合は静かに外に誘導する、
などなど
とても素早く対応して頂けます。

それは私がこれまで勤務してきた病院がたまたま暴力化した人数よりもセキュリティーオフィサーの数が多かったからで、
暴力化する患者さんの方が多ければ状況は変わるかもしれません。

コードと言って病院内アナウンスをかけることで病院内のセキュリティーオフィサー全員がそれを耳にし、すぐさま駆けつけてくれる、もありますし、
病棟には隠しボタンも備えられている上、
最近では緊急時ボタン、『胸につけておいて緊急時に押すだけボタン』が支給されたので、ボタンを押したら1〜2分でセキュリティーオフィサーが来てくれ、電話をする数分すらも短縮できるようになりました。

が、

その数分ですら
暴力化した人には暴力を振るう十分な時間となり、
怪我を負うことが起こります。
ケガだけならまだしも、脳挫傷や脳出血など
その後の人生に影響する結果になることも。

自分で阻止やコントロールできない他人の暴力に対抗するために、
より効果的に行動するためにはどうするべきか?

職場での防衛策とセルフディフェンスの重要性

こうした危険に対処するため
私の勤務先では今年2024年からセルフディフェンス(自己防衛)クラスが看護師に必須となりました。

このトレーニングではオンラインで基礎を学び、
実践クラスで具体的な技術を習得します。

後ろから歯がいじめにされた時の対処法
手首を掴まれた時の脱出法など
4時間かけて学びます。

感想を一言にすると
『受けて良かった』

実際にその状況で落ち着いて使えるか?となるとまだまだ練習が必要ですが、知らないと知ってるとでは雲泥の差。

全ての人に利益になること

男性看護師が増えてきてるとは言え
まだまだ女性の多い職業では
女性看護師のみで夜勤というところも少なくないでしょう。
だからこそ、自己防衛のスキルは欠かせないものだと強く感じます。

このトレーニンング、最近の日本のニュースを見ているだけでも
中学生や老人、すべての世代、すべての人々にとってとてと有益ではないでしょうか。
安全に生きる力を身につけること。それが、現代社会で私たち全員に求められる新たな「必須スキル」だと感じます。

自己防衛クラスは、お住まいの地域でもきっと見つかるはずです。
もしまだ受けたことがない方は、これを機会にぜひ調べてみてください。

自分や大切な人を守る第一歩になるかもしれません。


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