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Maa2のダンス遍歴(37)~waack city~

【一行でわかるあらすじ】
韓国でのショーの結果、危うくマンズワックに改名するところであった。

2018年8月の韓国のしんご玉案件から、3か月ほど修行を続けていた。

この期間、バトルにも出ていたが、基礎力が上がってきたのか
ようやくall styleでも勝てるようになってきていた。

嬉しい反面、waackとして何か尖らせると、基本的に多ジャンルの人間には全く刺さらないというジレンマに陥っていた。

どれやねん俺は

完全にガチャっぽい感じになっており、変わった人がジャッジの時には準優勝とかできていたが、基本的には刺さらなかった。それでもなぜ尖らせようとしたのかというと、11月に大きな大会が2つ控えていたからだ。

1つ目はアジア9か国規模で行っている大会で8か国で予選を行い、そのファイナリストたちが決勝の最後の1か国に集まり、当日の予選通過者やファイナリストともバトルできる「waack city」というイベント。

もう1つは以前、ショーに出演した台湾のcestla’waackというイベントであった。今回は前者のwaack cityについて追っていく。

この年の決勝は日本であった。神戸の上屋劇場という会場で行われる。

この日は当日予選に120人ほど集まっていた。
この中で8人に残ればすでに決まっている8名のファイナリストたちと戦えるらしい。

当日予選8名とファイナリスト8名の16名でトーナメントを行い、一位になるとアジア最強になるのか、何が起こるのかわからないが、かなりいい感じの気持ちよさになれることは間違いなさそうであった。
俺は気持ちよくなりたいと強く思った。

しかし、ファイナリストもダンゼル、マリッド、ユンジ、マヤなど、そろそろ俺でも名前を覚えそうな感じのいつも活躍している強豪たちであった。

まぁしかしベストは尽くすけどファイナリストと戦う前に終わるんちゃうか、という不安があったがルールを見るととりあえず何段階かに分けて当日予選参加者を8人に絞っていくようだった。

120人が3サークルに分かれて40名からそれぞれから13人上がれるらしい。
そしてさらに誰が同じサークルだとか、どのジャッジに見られるだとかは、何番目のサークルで踊るだとかは決まっておらず、その場で主催がくじ引いていきなり呼ばれる。
主催の信念は「常在戦場」ということなのだろう。

ヨーイドンでしか踊れぬ者はダンサーとは呼ばぬ

大丈夫。今の俺にはクソ技もある。暗黒体操もある。と自分に言い聞かせるもなかなか緊張感はぬぐえなかった。
一方で、このイベントは昼の開催であったが、なぜか前日の夜に岐阜の深夜バトルに出てしまったせいで、油断すると寝そうであった。

まもなく自分の出番だ。頑張るぞ。眠い。でも頑張るぞ。かますぞ。眠いぞ!

普段であればバトル前に緊張するはずであったが、なぜか岐阜の深夜バトルに出たおかげか、僅差で眠気のほうが強かった。

とりあえず予選を踊り、サークルが終わると同時にバーカウンターへ行き、寝ないために酒をどんどん飲んだ。

さすがにジャッジやファイナリストで海外ゲストが多数来ている大会だからか、周りの明らかに自分より上手い人たちは緊張して踊っていたように見えた。

頭が悪すぎて前日深夜バトルに参戦したおかげでこの壁を超えることができた。予選が全部終了し、各サークルから13名の予選通過者が呼ばれる。自分のサークルの結果発表は順番的に最後だった。

予選の淵に立たされた人間にできることなど


通過車の名前が呼ばれていく。

11位 ヅュリ
12位 ミミミミ

ヅュリちゃんもミミミミちゃんも若くして大阪で活躍しているダンサーである。
これ無理やろ、と思ったときMCが非常に気になることを言った。

13位…これなんて読むのかな…

心臓が飛び出るかと思った。
「なんて読むのかな」という枕詞があった後に呼ばれるのはダンサーネームが意味不明なやつだと決まっている。

参加者が日本人だけの場合、これに該当するのはマーニーと読まれがちなMaa2、アイデンティティと読まれがちなドドスコニティの2名のみであった。

海外のダンサーもいるのでなんて読むの案件も多いのかと不安があったが、結局13位で予選通過した。

3サークルあるので合計39名。どう考えてもトーナメントをやるには不都合な人数である。

これであった

次回「伝説」

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