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Maa2のWaackダンス遍歴(5)〜サークル一年目終了〜

Maa2です。

【一行でわかるあらすじ】
一ヶ月半踊ったら一年目の青春が終わった。

全く意味がわからない。
上級生の人たちはダンスが上手だったので、何かしら活動があると思っていた。
大学生の生活といえば、学業にサークル、アルバイト、友達と旅行に行ったりとたくさん楽しいことがあると想像していたが、急に華々しい大学生活のはしごを外された気分である。

「サークル活動がない」というのは、ダンスのイベントがないだけで、旅行とか合宿とか、、、なんか色々やるんですよね?

別の一年生が言った。世間知らずの自分は「あ、なんだ」と安心した記憶がある。

先輩「ないよ。」

なんでないんだよ。って声出そうになった。
ギリギリで「なんでないんダスか?」くらいの聞き方にできたと思う。

この回答はずっと心に残っている。

「このサークルは概念だからね」

何言ってんの。と思ってしばらくテンパっていたが、冷静に話を聞くと、
大学のダンスサークルではあるが他大学、社会人、フリーター、素性の知れない者など、様々な人が加入しているため、サークル活動があればよく集まるが、
サークルのメンバー全員のリストがあるわけではないようだ。
さらに衝撃だったのが、「メンバー全員」を把握している人間がいないようだ。
・よく知っている仲のいいやつ
・顔だけ知っている話したことないやつ
・知らないやつ
という具合にサークル員が分類されるようで、タチの悪いことに入部の基準は存在しないし、途中退部というシステム自体がないらしい。
誰が社会人で誰が他の大学なのかもみんな仲のいいやつしか知らないらしい。

初日に練習に来なくなって、卒業まで現れなかったとしても、本人がサークルのメンバーだと言い張ればそいつはサークルの一員とのこと。
他のメンバーは先ほどの分類の
・知らないやつ
としてなんとなく受け入れるのだ。

すごいシステムだ。
なんとなく体育館の廊下に集まった連中が、ぼんやりと仲間意識を持ち、
仲間とその他の境目がすごくぼんやりしたまま、俺たちは本番を迎えたらしい。
そら合宿も旅行もないわ。

とはならんやろ。おかしいてマジで。

ここで一年生たちで会議が開かれた。
自分を含めてロックの一年生は5人ほどいた。
正直俺たち結構がんばったのに、このまま一年後なんて嫌だよね。
俺たちで続けようよ。せっかくがんばってきたのに。
と皆口々に言う。本当に目頭が熱くなったし、絶対この五人で頑張ろうと誓ったのであった。

この瞬間から松その他4名はダンスを頑張るぞ、ちゃんと概念ではなく実体のあるサークルとして頑張るぞ、と誓い合ったのだ。
三国志で言う所のまるで劉備、関羽、張飛の桃園の誓い。
このその他4人のメンバーを一人ずつ紹介する。が、全員のことを覚える必要はない。
理由は都度説明する。
リアルに当時知り合いの方は色々想像しながら以下どうぞ。

まずは俺がLockをすることになった原因、ギャル男。
ギャル男はホストをしていそうな見た目だったが
そんなことはなく非常に優しく真面目な男だった。
みんなを練習に誘ってくれていた中心人物だった。
が、実際にすすきのと言う札幌の歓楽街にてホストを始め、
「めちゃくちゃ忙しい」と言い残し、それ以来サークルには来なくなった。

そして、二人目は同い年の紅一点。
たぶんだけど常に低血圧でジョジョ4部のエステティシャンにイメージがよく似ていた。ここではエステと呼ぶことにする。

フ〜〜とは言っていなかったけど

エステは熱心に練習をしており、いいやつだった。が、一定以上ハードなことをすると結構モチベーションが下がってしまうところがあった。
筋トレしたい、と言っていたが腕立て一回した後に「あ、マジで無理、、、」と言い残して即帰宅したりしていた。
エステはサークルでダンスを続けていた。

3人目はキングダムの蒙武に似ている男で明らかに見た目が35歳ほどであった。
金のネックレスをしてガタイも良く、しっかりと意見を言う男で、みんなで誓い合ったこの日もリーダーのように意見をまとめてくれた。
蒙武はこの誓いを交わした日以降2度とサークルには来ておらず、その後一度も会っていない。

一切の興味無し!!(真実)

ラスト一人。クセの強いメンバーに1人つぶらな瞳の純朴そうな男。
その様子はさながらサザエさんに登場するカツオ。髪型もほぼ一致のため、ここでは磯野と呼ぶことにする。
他のメンバーの個性(?)が強い中、この男は最も練習に臨んでいたが
個人での練習を好んでいるようで、一緒に練習に誘っても、練習自体がしてくれるがあまり乗り気ではなさそうだった。

ある日、いつものように野球に誘う中島のごとく
「磯野〜!練習しようぜ!」と誘うと、「え、一緒に練習するのはいいや」と。
確かにコミュニケーションに難があるし、他人の意見を読み取る能力はなかったが、俺が嫌われてたのか〜と悲しいながら納得してしまったところ、
磯野は俺の様子に気づいたらしく補足してくれた。
要約すると「ごめん。松と練習するのが嫌だってことじゃなくて、そもそも他人と練習する必要があまりないんだよね」と。
正直意味がわからず、キョトンとしていると磯野は続けた。

すごくざっくりまとめると
俺は「ダンスを練習している」と言う状況が幸福の最高到達点なので、他人と練習することは協調性を求められるので幸福度が下がる。
だから他人と練習してわざわざ幸福度を下げる必要がない、とのこと。

じゃあもうサークルのイベントとか出ないの?と聞くと
「絶対出る!俺が出なかったことで揉めたら嫌じゃん!」と即答していた。
揉めねぇよ!このサークルは概念だぞ、なめんな!と少し思ったが言えるはずもなく、磯野が一番やばいやつだった事実に衝撃を受けながら、残り一年間練習を続けるのであった。

とりあえず磯野も含め全員名前は覚えてなくて問題無し。
このnoteではみんな再登場の予定無し。みんな元気してんのか。

次回「4月のハンター試験、試験官側に」

続く。

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