Maa2のダンス遍歴(59)〜梨泰院大冒険〜
【1行でわかるあらすじ】
止まった宿で警報大誤爆
警報誤爆。非常に心臓に悪い。
そんなこんなで韓国は梨泰院の街に繰り出す。
錆びれた通りを足早に駆け抜けて、賑やかな街へ。
飯が食いたい。
だが俺はハングルが読めなかった。
想像してほしい。六本木の街、あなたは日本語が読めない。飯屋に入ることはできるだろうか。
・・・
できるだろ。
モスバーガー、松屋、CoCo壱、あいつら文字読めなくても食欲を刺激してくる色をしてる。
俺はとりあえずカラーリングが激しい店に入ることにした。
簡単すぎワロタ。
敗北を知りたい。
確定した勝利に少しの落胆を覚えつつ、通りに出る。
この街は色で攻めるタイプではなかった。
やたら大戸屋っぽいフォント(?)の店が多く、俺には飯屋を見つけられなかった。
というのも、派手な色の店は明らかに飲食店ではなく、クラブであった。
その中でも一番うるさかったクラブはトイストーリーマニアのような外観をしていた。
ウッディが狂気に満ちた目で口を開けているか否かの違いしかない。
音量も割とディズニーに近いものがあった。
トイストーリーマニアに圧倒されつつも、とりあえず今は飯が食いたい。
そう思っていると、「IZAKAYA」と書かれている店があった。その文字の下には「やきとり」と書かれていた。
大戸屋の文字よりさらにやる気がないフォントだ。
半信半疑のまま入店すると、スタッフが「いらっしゃいませ!」と大きな声で挨拶してくれた。
いける、いけるぞこれは。
メニューを開く。
日本語でも書いてある。
さっき日本語でいらっしゃいませと言われたので
「やきとりとビールください」と伝えると、変な空気になった。
sorry.Nihongo Muri Yawa.
的なことを言われた。
前回カナダで英語で注文しようとしたら
Nihongo De E-nyade?
と裏をかかれ、今回はその反省を生かして臨んだ結果、さらにその裏を突かれた。
多言語ジャンケン全敗である。
半ばヤケクソで
One Beer! One Yakitori!
と注文し、一瞬で食った。
即刻食い終わって退店し、移動。
もうええわ。明日頑張ろう。
ホグワーツばりの迷宮を抜けてホテルの部屋に戻る。
ホテルの部屋っていうかこれもうスリザリンの寮と呼ぶことにする。治安悪いし。
スリザリンの寮に戻って酒を飲もう。
酒を買って部屋に戻る。
部屋が揺れてる。
揺れてるというか一定のリズムを感じる。これは。
なんと先ほどのトイストーリーマニアが放つ重低音は騒音という概念を完全無視しており、俺の部屋がスピーカーのごとく重低音でブベブベ揺れているのだ。
加えて部屋のエアコンの威力が凄すぎて暑い。
温度調整機能などはなく、ボタン一個しかない。
あとトイレの手洗い場で水が出ない。
スリザリンは修羅の国であった。
とりあえず乾燥を防ぐため濡れタオルを干し、
暖房をつけて寝るも数時間後に起きて「んあっつい…」と言いながらどくさいスイッチを押し、
また数時間後に「さんむい…」と言いながら再度どくさいスイッチを押す夜であった。
どくさいスイッチを押すとき、ずっとトイストーリーマニアからの音楽は聞こえていた。
スリザリン寮は修羅の国であった。
俺もいつ闇の魔法使いになってもおかしくない状況であった。
結局なんだかんだ眠れたがトイストーリーマニアは朝七時でも音量は下がっていたがズンドコズンドコ言っていた。
パリピのバズライトイヤーがいる街、梨泰院の暑い洗礼を受け、完全に暗黒面(ダークサイド)に落ち、マーツーベイダーとしてバトル会場に向かうのであった。
次回「バトル予選」
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