遍歴コラム2〜キャプテンと北海道〜
Maa2です。
本日は北海道の練習場所について。
関東に引っ越した今では、●●駅のスタジオレンタルして練習、とかそんな感じがでやってますが、僕が北海道にいた時はレンタルスタジオでの練習は練習仲間含め
あまりやっていなかった。多分。
札幌では狸小路というアーケード街の一丁目もしくは二丁目で練習するという風習があった。
公的に許可されているか、と聞かれると答えづらいが、ここはアーケード街なので屋根があり、観光客向けの店が多く賑わっていた。
ミュージシャンとかお笑い志望の人も色々パフォーマンスをやっていた。
店が閉店した時に、暗くなった店内に自分の姿が映るので、そこで練習する。
お店の人たちも帰り際に挨拶してくれていた。真偽は不明だが、ダンサーが練習してると防犯になる、と噂では聞いたが、まぁある程度良好な関係ではあったと思う。
ちなみにここにはY岡家というラーメン屋があり、死ぬほど臭かった。
当時は死ぬほど臭いと感じたが、一回食ってY岡家依存症になってしまい、
この臭いにもハマってしまい、それ以降Y岡家過激派として活動している。
後にバイトで働くことになるがそれはまた別の話。
そんなこんなで賑わっていた狸小路。練習場所として好き勝手つかうには問題が何個かあったが、ルールとマナーを守りつつ、という形でなんとか対応できていた。
時折、よろしくないお薬をやってそうな人が大暴れしたりして怖かった。
北海道内で有名なダンサーが電柱に登って、だいぶ上の方で
「ホホホーイ!」と叫んだという目撃情報が一時期噂になっていた。
本当か嘘かはわからないが、本当であればココリコ遠藤氏との対決は避けられなかったであろう。
が、それ以上にどう頑張ってもなんともならない問題「冬クソ寒い」。
ダンサーはアウターまで着込んで準備運動などで体を動かし、あったかくなってきたところで軽装で踊る。汗をかいたらその前に着込んだり着替えたりして風邪をひかないように気をつける。
というのが通常である。
同じサークルの後輩の「キャプテン」という男は結構ハイテンションでコミュニケーション能力が高かった。練習場所にいる知り合いに挨拶に回り、一つ場を盛り上げてから帰ってくるような優秀な営業マンのようなタイプだ。
この日軽装になったキャプテンはTシャツ一枚であった。
詳細な気温は覚えていないが、吹雪の日でマイナス5、6度くらいだったと思う。
Tシャツ一枚で相変わらず後からやってきたダンサーに挨拶し、場を盛り上げそして戻ってきて踊っていた。
そうこうして夜がふけていくうちにこの日の吹雪は強くなり、さっきより横殴りの状態になった。狸小路のアーケードの屋根の下まで雪が入り込んでくる。
キャプテンはアウターや着替えのシャツを置いていた場所一帯は気づけば真っ白になっていた。
深夜、終電もなくなり自転車を準備し、キャプテンと帰り道が一緒だったので一緒に帰ろうと提案したところで、ようやく荷物が埋まっていることに気がついた。
キャプテンは結構汗をかいており、しかしこいつの着替えは全てしっかりと冷却されて、濡れていた。
まあすぐに帰宅すれば多分これで終わったと思うが、
(記憶は怪しいが)キャプテンは悔しすぎたのか、走り回ったり叫んだりしてストレスをしばらく発散していた。
電柱ホホホーイ伝説の正体はこいつかもしれんな、と思いながら見守っていると
全てのエネルギーを使い果たしたキャプテンが帰ってきた。
「疲れた…。」
うん、練習終わってかただいぶ走り回ってたからね。早く帰ろう!
「寒い…。」
寒いよね、お前着替えがないねん、早く帰ろう!
「疲れたから帰れないっすわ…。」
ギャグなのか本気なのか数秒わからなかったが、キャプテンは顎が震えて前歯同士がぶつかって、ディディディディディ!という常軌を逸した音を発していた。
なんで走りまわった?とか聞いてる時間もない。
即刻とりあえずアウターだけ着せて自転車に乗る。自転車でぶっ飛ばせば15分くらいで家に着く、はずだったが予想よりも吹雪の積雪がひどく、おそらく30分ほど歩くことになりそうであった。
「ごめん救急車呼ぶ。」と伝えると、
「大丈夫です、というか呼ばないでください、絶対に。(ディディディディ!!!!)」と言われた。
EDMのサビ直前のとんでもなく早いビートにも匹敵するようなテンポで前歯を打ち鳴らしながら拒否された。大事な話なのに入ってこない。
俺の脳内はこんな感じであった。
とりあえず少しずつ自転車を押しながら、途中にあるコンビニで暖をとりつつ帰ることにした。幸い帰り道は札幌の大きな通りに面しており、コンビニの数はとても多かった。
途中であったかい飲み物を毎回勝手は飲ませを繰り返していると、3つ目くらいで
「もういらないです(ディディディ!)」
「え、なんで?飲むと気持ち悪くなる?!」
「買ってもらったホットの飲み物、歩いてるうちに続々コールドになっていくからです(ディディディ!)」
寒いからやふざけんなよ、と思いつつ心配してたのも数秒忘れるくらい爆笑した気がする。
もうキャプテンの前歯が奏でるEDMはもはや札幌の雪景色を彩る心地のいいBGMと化していた。
結局このやり取りが衝撃的過ぎて最後どうなったか忘れたけどキャプテンは今も元気なので帰れたんだと思う。
どうなったんだっけ。まあ元気ならいいか。
この日以外にもキャプテンは常日頃から得体のしれない素質を持っており、
片桐えりりかというニコニコ動画の有名人に絡まれ、生配信で15分くらい出演していた。
何故かコメント欄は「おばさんに絡まないであげて」「絡まれてるおばさんかわいそう」などと、男子学生ファルコンはニコニコユーザーに満場一致でおばさんとして扱われていた。
今は札幌にもレンタルスタジオができているらしいので、ぜひ活用してほしい。
あと、着替えが濡れた時に無駄な体力を使わない方がいい。
2回目にして長さも内容もコラムではなくなっていてしんどい。
終わり。
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