2024年8月12日週まで直近のM&A情報
目次
DigitalBridgeによるJTOWERの完全子会社化
トーハンによる日本出版貿易の完全子会社化
バイセル、レクストホールディングス株式会社の株式取得及び簡易株式交換による完全子会社化
明治安田生命、米国子会社スタンコープ社による オールステート社 任意加入型団体保険事業の買収
朝日放送、ゲーム・アプリ開発事業等を手掛ける株式会社トイジアムの株式取得(子会社化)
ギフティ、YouGotaGift.com Ltd.の株式取得(子会社化)
DigitalBridgeによるJTOWERの完全子会社化
トーハンによる日本出版貿易の完全子会社化
バイセル、レクストホールディングス株式会社の株式取得及び簡易株式交換による完全子会社化
当事者
買主:株式会社BuySell Technologies
売主:多田 茂雄氏、レクストドリームファンド有限責任事業組合、十河 良寿氏、他法人株主2社
対象企業:レクストホールディングス株式会社(会社分割後)
案件目的
BuySell Technologiesグループは、総合リユースサービスを提供しており、多様な買取・販売チャネルの拡充とグループ企業間のシナジー効果による企業価値向上を目指しています。
レクストHD社の子会社化により、出張訪問買取事業の競争優位性を強化し、バイセルグループとしての成長を促進することが目的です。
日本国内の「かくれ資産」へのアプローチを一層強化し、バイセルグループとして更なる成長を促進するため。
案件概要
BuySell Technologiesは、レクストHD社の発行済株式の一部を株式取得により、残りの株式を簡易株式交換により取得し、レクストHD社を完全子会社化します。
簡易株式交換では、BuySell Technologiesの自己株式が対価として割り当てられます。
株式取得と株式交換の実行は、公正取引委員会の審査結果が前提となります。
対象企業概要
レクストHD社(会社分割後)は、リユース事業を行う純粋持株会社です。
中核子会社である株式会社REGATEは、「買取 福ちゃん」ブランドで出張訪問買取事業や店舗買取事業を運営しています。
その他、骨董・古美術買取の株式会社日晃堂、コールセンターやロジスティクスなどの機能子会社5社を傘下に持っています。
取得価額
株式取得価額:82億円
アドバイザリー費用等:約4,000万円
合計:約82億4,000万円
会社(買主)概要
会社名:株式会社BuySell Technologies
設立:2001年1月
事業内容:着物・ブランド品等を中心としたリユース事業。
事業概要:
出張訪問買取事業: 主力事業。顧客の自宅を訪問し、着物、ブランド品、貴金属などを査定・買取する。
店舗買取事業: 全国に展開する直営店やフランチャイズ店、百貨店内の店舗などで買取を行う。
その他: EC販売、オークション販売、催事販売などの販売チャネルを持つ。
対象市場・競合状況
対象市場: リユース市場。特に、出張訪問買取や店舗買取による、着物、ブランド品、貴金属などの高価格帯商材のリユースに強みを持つ。
市場規模: 潜在的なリユース市場規模は、日本国内で約66兆円と推計されている。顕在市場規模は約2.9兆円で、今後も安定的な成長が見込まれる。
競合状況:
出張訪問買取市場では、複数の企業が参入しているが、BuySell Technologiesは、年間約26万件の出張訪問件数を誇り、業界トップクラスのシェアを持つ。
店舗買取市場では、多くのリユースショップが存在し、競争が激化している。BuySell Technologiesは、積極的なM&A戦略により店舗網を拡大し、業界上位のポジションを目指している。
経営課題
コスト管理: 事業拡大に伴うコスト増加を抑制し、収益性を向上させる必要がある。特に、販管費全体の投資対効果を高めることが課題となっている。
人材育成: 事業成長を支える人材の確保と育成が重要。特に、出張訪問買取事業における査定員のスキル向上や、テクノロジー分野の人材採用・育成が課題となっている。
M&A後の統合: 積極的なM&A戦略を推進しているため、買収後の企業との円滑な統合(PMI)を行い、シナジー効果を最大化することが求められる。
経営戦略
テクノロジー投資強化: データ基盤整備、AI技術の活用、リユースプラットフォーム「COSMOS」の開発など、テクノロジーへの投資を強化し、業務効率化・生産性向上を図る。
買取チャネル拡大: 出張訪問買取事業におけるエリア拡大や、店舗買取事業における積極的な出店、M&Aなどにより、買取チャネルを拡大し、顧客接点を増やす。
販売チャネル強化: EC販売、オークション販売、催事販売、店舗販売など、多様な販売チャネルを強化し、収益性の向上を目指す。特に、toC販売の強化による利益率向上を重視している。
M&A戦略: 既存事業とのシナジーが見込める企業や、新規事業への参入を加速できる企業などを対象に、M&Aを積極的に推進する。
財務概要(2024年12月期 通期予想)
売上高: 618.5億円(前期比45.3%増)
営業利益: 46.8億円(前期比67.4%増)
営業利益率: 7.6%
調整後EBITDA: 63.3億円(前期比58.5%増)
当期純利益: 22.4億円(前期比54.1%増)
自己資本比率: 40%以上を維持
関連資料
明治安田生命、米国子会社スタンコープ社による オールステート社 任意加入型団体保険事業の買収
当事者
買主:StanCorp Financial Group, Inc.(スタンコープ社)
売主:The Allstate Corporation(オールステート社)
対象企業:
American Heritage Life Insurance Company
American Heritage Service Company
案件目的
スタンコープ社は団体保険分野に強みを持つが、本買収を通じて任意加入型団体保険に強みを持つオールステート社子会社を買収することで、団体保険事業における事業基盤の強化と効率化を図り、さらなる成長を目指す。
明治安田生命は、海外保険事業を成長戦略の柱と位置付けており、2026年度までに基礎利益相当額で1,000億円以上とする目標を掲げている。本買収もその戦略の一環と捉えられる。
案件概要
スタンコープ社がオールステート社の任意加入型団体保険事業を営む保険子会社および関連事務サービス子会社2社を買収する。
買収手続きは、日米監督当局の認可等を前提とし、2025年度第1四半期(2025年4月-6月)に完了予定。
対象企業概要
American Heritage Life Insurance Company、American Heritage Service Company
従業員数:約1,000人
事業概要:任意加入型団体保険事業
所在地:フロリダ州
会社(買主)概要
明治安田生命保険相互会社(執行役社長 永島 英器)の米国子会社である StanCorp Financial Group, Inc.(スタンコープ社)は、2016年3月に明治安田生命が完全子会社化した団体保険分野に強みを持つ米国の生命保険会社です。
事業概要:全員加入型の団体生命保険・就業不能保険事業、団体年金事業
経営課題
外貨建て一時払い商品の販売減:2023年度の決算資料によると、明治安田生命単体では外貨建て一時払い商品の販売が減少し、減収の要因となっています。
2025年度からの新規制導入:経済価値ベースのソルベンシー規制導入により、グループESRが減少する見込みです。
経営戦略
「MY Mutual Way II期」:中期経営計画「MY Mutual Way II期」(2024-2026年度)では、「生命保険会社の役割を超える」ことを目指しています。具体的には、以下の3つの成長戦略と、それを支える3つの経営基盤拡充戦略を推進します。
成長戦略
国内生命保険事業の成長
資産運用の高度化
海外保険事業の拡充
経営基盤拡充戦略
営業サービス・フロントの強化
ひと中心経営と働きがいの向上
IT・デジタル投資の推進
海外保険事業の強化:2026年度までに海外保険事業の基礎利益相当額で1,000億円以上とする目標を掲げています。今回の買収も、この戦略の一環として、団体保険事業における事業基盤の強化と効率化を図り、さらなる成長を目指すものです。
財務概要
グループ保険料等収入:4,796億円(2023年度実績)
基礎利益相当額:712億円(2023年度実績)
当期純利益:174億円(2023年度実績)
保険料等収入見通し:5,200億円程度(2024年度見通し)
基礎利益相当額見通し:540億円程度(2024年度見通し)
総資産:5兆8,150億円(2023年度末)
純資産:7,576億円(2023年度末)
関連資料
朝日放送、ゲーム・アプリ開発事業等を手掛ける株式会社トイジアムの株式取得(子会社化)
当事者
買主:株式会社ABCアニメーション(朝日放送グループホールディングスの完全子会社)
売主:長野 雄大氏
対象企業:株式会社トイジアム
案件目的
朝日放送グループの中期戦略 NEW HOPE「2nd STAGE」における、放送・コンテンツ事業及びライフスタイル事業の強化・拡大
アニメ事業の強化・グローバル展開の拡大、IP価値の最大化、企業価値向上
案件概要
株式会社ABCアニメーションが株式会社トイジアムの全発行株式を取得し、子会社化
対象企業概要
名称:株式会社トイジアム
所在地:東京都千代田区神田泉町一丁目7番2号 S-Glanz AKIHABARA 3階
代表者:代表取締役 長野 雄大(異動後、アニメ社より派遣予定)
事業内容:家庭用ゲーム機/PC(Steam)/スマートフォン向けゲームの企画・開発・運営、iOS/Android/Web ブラウザ向けアプリの企画・開発 など
資本金:16,000,000 円
設立年月日:2019 年8月
発行済株式数:212 株
決算期:7月
大株主及び持株比率:長野 雄大(88.68%)
会社概要
社名: 株式会社朝日放送グループホールディングス(持株会社)および株式会社朝日放送テレビ(中核事業会社)
事業内容: 放送事業(テレビ・ラジオ放送)、コンテンツ事業(映像・イベント制作など)、ライフスタイル事業(不動産・通販など)
対象市場・競合状況
放送事業: 在阪民放4社(MBS毎日放送、関西テレビ放送、読売テレビ放送)とNHKが主な競合。放送収入は広告収入が中心で、TVerなどのテレビ動画配信収入も含まれる。
コンテンツ事業: 映像・イベントなどのコンテンツ制作・展開。競合は多数のコンテンツ制作会社やイベント会社。
ライフスタイル事業: 不動産分譲・仲介、通販事業、ゴルフ場運営などが中心。各事業分野で競合多数。
経営課題
放送事業: 広告収入の減少傾向、特にスポット収入の減少が課題。コンテンツ収入も減少傾向。
コンテンツ事業: DLEグループの業績低迷が課題。
ライフスタイル事業: 不動産事業の減収傾向。
経営戦略
放送事業: TVerなどのテレビ動画配信サービスの強化、コンテンツ・IPの多角的展開による収益拡大。
コンテンツ事業: DLEグループの業績改善、アニメーション制作事業の強化。
ライフスタイル事業: 不動産事業の収益性向上、通販事業の拡大。
財務概要(2025年3月期 通期見込み)
売上高: 910億円(前期比0.6%増)
営業利益: 22億円(前期比164.2%増)
経常利益: 23億円(前期比218.1%増)
当期純利益: 15億円(前期は△8.8億円)
関連資料
ギフティ、YouGotaGift.com Ltd.の株式取得(子会社化)
当事者
買主:株式会社ギフティ
売主:CEO等の既存株主
対象企業:YouGotaGift.com Ltd. (以下、YGG社)
案件目的
MENA地域への進出による、グループ事業の地理的拡大
案件概要
YGG社の発行済株式の91%を取得し、その後2028年3月頃に100%子会社化予定。
株式譲渡は2段階で行われ、第1段階では既存株主から91%の株式を取得し、第2段階で創業社長およびその他役職員が保有する残りの株式を取得する。
対象企業概要
MENA地域(中東・北アフリカ地域)におけるeギフトプラットフォーム事業を展開。
UAE、サウジアラビアを中心としたMENA地域にて事業を展開。
eギフトの発券から流通まで一気通貫で提供するプラットフォームを構築し、法人向けサービス(Loyalty、Rewards)を主力としている。
2023年の流通額は1.6億ドル (約237億円)と地域トップクラスの実績を誇り、利益創出と成長を共に実現している。
取得価額
最大28.1百万米ドル (約41億円)(予定)
取得価額は全額借入にて充当し、最終的な取得価額は2026-27年のYGG社のEBIT実績に基づき決定される。
会社(買主)概要
会社名 株式会社ギフティ(英訳名: giftee Inc.)
事業内容 個人、法人、自治体を対象とした各種eギフトサービスの企画・開発・運営等
従業員数 358名(連結)
資本金 3,230百万円
eギフトとは、飲食・小売店舗などで商品やサービスと交換できる電子チケットです。ギフティは、eギフトの発券から流通まで一気通貫で提供するプラットフォームを構築し、「giftee」サービス(個人向け)、「giftee for Business」サービス(法人向け)、「eGift System」サービス(小売店向け)、「地域通貨」サービス(自治体向け)の4つのサービスを展開しています。2023年12月期の単体売上高構成比は、giftee for Businessが72%、eGift Systemが12%、地域通貨サービスが13%、gifteeが3%となっています。
対象市場・競合状況
メインターゲットとしているのは、国内のカジュアルギフト市場です。結婚祝い、出産祝い、香典返しなどが含まれるフォーマルギフト市場は約4兆円、バレンタインデー、母の日・父の日、敬老の日などが含まれるカジュアルギフト市場は6兆円超と推計されており、ギフティは後者のカジュアルギフト市場をメインターゲットとしています。
また、eギフトの潜在市場は約8兆円と推計しており、これに加えて販促市場(約15兆円)、福利厚生市場(約7,500億円)、補助金・助成金市場も潜在的な市場としています。
競合状況については、資料において明示的に言及されていません。しかし、eギフトプラットフォーム事業は先行者優位性が高いビジネスであると認識しており、特に競合が少ないASEAN地域への進出を進めています。
経営課題
連結ベースでの収益性改善が課題として挙げられます。2024年12月期の連結EBITDAマージン予想は25%ですが、これは単体ベースのEBITDAマージン予想37%と比較して低い水準です。これは海外事業やM&A子会社が投資フェーズにあり、コスト増が売上増を上回ることが要因となっています。
経営戦略
eギフトプラットフォームの拡大とその地理的展開を成長戦略として掲げています。
eギフトプラットフォームの拡大
魅力的なコンテンツの拡充
eギフト利用企業(DP)数と流通額の拡大
新規サービスの開発・展開
地理的な横展開
ASEAN、その他海外地域への進出
加えて、M&Aを積極的に活用することで、これらの成長戦略の実現を強化・加速させていく方針です。
財務概要
2024年12月期の通期業績予想は以下の通りです。
売上高 91億900万円(前期比26%増)
EBITDA 22億8,000万円(前期比32%増)
EBITDAマージン 25.0%(前期比1.1ポイント増)
営業利益 17億200万円(前期比34%増)
営業利益率 18.7%(前期比1.2ポイント増)
流通額 762億1,600万円(前期比21%増)
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