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ポート FY24/3 通期決算概要

この記事はポート株式会社の事業内容や強み、成長戦略、そして今後の展望について説明をしています。

ポート株式会社は、労働人口の減少という日本の社会課題に対して、テクノロジーとリアルの融合を通じて挑戦しています。

同社は、Webマーケティングとセールスの融合による独自の「成約支援事業」を展開しており、人材領域とエネルギー領域を中心に成長を続けています。

会社概要

ポート株式会社は2011年に設立された、東京証券取引所グロース市場および福岡証券取引所Q-Boardに上場している企業です。従業員数は521名(2024年3月末時点)です。

対象市場と競合状況

ポート株式会社は、「成約支援事業」を主力事業としています。これは、Webマーケティングとセールスを融合させ、企業の経営課題を成果報酬型で解決する事業です。

人材領域

新卒採用支援サービス市場をメインターゲットとしており、市場規模は約2,960億円と推定されています。少子化の影響はあるものの、大学進学率の上昇により新卒人口は横ばいで推移しており、人材獲得競争は激化しています。同社は、国内最大規模の新卒会員基盤や地方展開、生産性向上施策などを強みとして、市場シェアの拡大を目指しています。

エネルギー領域

電力・ガス事業者向けに販促支援サービスを提供しており、市場規模は約5,000億円と推定されています。電力自由化によって電力・ガス事業者のユーザー獲得競争が激化しており、同社は年間約700万件という膨大なシェア拡大余地があると見ています。電力卸価格の安定化や電力事業者の新規顧客獲得需要の増加といった追い風を受け、同社は積極的なマーケティング投資とM&Aを通じて市場シェアの拡大を目指しています。

事業概要

ポート株式会社の主力事業である「成約支援事業」は、Webマーケティングとセールスの融合により、クライアントの集客から成約までを一気通貫で支援するビジネスモデルです。

Webマーケティング

ユーザーファーストの視点で良質な情報を無料で提供し、潜在層からのアプローチを可能にすることで集客力を高めています。また、情報の普遍性が高い領域に注力することでコンテンツのストック化を実現し、安定した集客を可能にしています。さらに、複数のプロダクトを展開し、多様なチャネルを活用することで、ユーザーの様々なニーズに応えています。

セールス(成約支援組織)

厳選された採用活動やデータに基づいた意思決定支援、独自の教育体制などを通じて高い成約率を実現しています。また、組織拡大後も生産性を維持・向上させるための仕組みづくりに注力しています。

経営戦略

ポート株式会社は、中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)において、売上収益CAGR30%以上の成長を目標としています。この目標達成に向けた主な戦略は以下の通りです。

  • オーガニック投資: 既存事業の成長を促進するため、人材、マーケティング、新規事業開発などに積極的に投資を行います。

  • 収益のポートフォリオ化: 将来収益を重視し、ストック型収益の比率を高めることで、安定的な収益基盤を構築します。

  • インオーガニック投資: ロールアップ型のM&Aを積極的に推進し、市場シェアの拡大を加速させます。

財務概要

2024年3月期の通期業績は、売上収益が166億2200万円(YoY+46%)、EBITDAが28億6200万円(YoY+42%)と大幅な増収増益を達成しました。2025年3月期の通期業績予想は、売上収益が211億円(YoY+27%)、EBITDAが35億円(YoY+22%)と継続的な成長を見込んでいます。

クロスSWOT分析

強み(Strengths)

  • Webマーケティング力:ユーザーファーストの視点、コンテンツのストック化、多様なプロダクト展開

  • セールス力:厳選された採用活動、データに基づいた意思決定支援、独自の教育体制

  • 成長メカニズム:成約件数増加による成約単価上昇のサイクル

  • 財務状況:2024年3月期は大幅な増収増益を達成し、2025年3月期も継続的な成長を見込んでいる

  • 独自のビジネスモデル:Webマーケティングとセールスの融合、成果報酬型

弱み(Weaknesses)

  • 人材依存:優秀な人材の確保・育成が課題

  • 事業領域の集中:人材領域とエネルギー領域に集中しているため、事業リスクが分散されていない

  • 財務基盤:M&Aによるのれんの増加や有利子負債の増加など、財務基盤の強化が課題

  • 知名度:競合他社と比較して知名度が低い可能性

  • 組織体制:急成長に伴う組織体制の整備や人材育成が急務

機会(Opportunities)

  • 人材領域の市場拡大:企業の採用意欲の高まりや人材不足を背景に、人材紹介サービスの需要は拡大傾向

  • エネルギー領域の市場拡大:電力自由化の進展や再生可能エネルギーの普及により、電力・ガス事業者向けの販促支援サービスの需要は拡大傾向

  • DX人材育成の促進:政府によるDX人材育成の促進は、リスキリング型人材紹介サービスの需要拡大につながる可能性

  • 海外市場への進出:海外市場への進出は、新たな成長機会となる可能性

  • 新技術の活用:AIやビッグデータ分析などの新技術を活用することで、サービスの質を向上させ、競争力を強化できる可能性

脅威(Threats)

競合の参入:競合他社が同様のビジネスモデルで参入する可能性
・法規制の変化:個人情報保護法や労働関連法規の改正など、事業環境に影響を与える法規制の変化に対応する必要がある
・景気変動の影響:景気変動によって企業の採用活動や広告宣伝費が変動し、業績に影響を与える可能性
・電力卸価格の変動:電力卸価格の変動は、エネルギー領域の業績に影響を与える可能性
・自然災害のリスク:地震や台風などの自然災害は、電力供給に影響を与え、エネルギー領域の業績に影響を与える可能性

考えられる競合や他企業とのシナジー

考えられる競合

人材領域では、リクルートやマイナビなどの大手人材紹介会社が競合として挙げられます。エネルギー領域では、比較サイトや電力・ガス会社が競合となるでしょう。

他企業とのシナジー

人材領域では、教育機関や人材育成企業との連携が考えられます。エネルギー領域では、再生可能エネルギー事業者や省エネ関連企業との連携が考えられます。また、金融機関との連携による新たなサービス展開も期待できます。

考えられるM&Aや資本業務提携のアイデア

買収企業となるM&Aや資本業務提携

  1. 人材領域における地方の中小人材紹介会社の買収: ポート株式会社は、地方展開を成長戦略の一つとして掲げています。地方の中小人材紹介会社を買収することで、地方での事業基盤を強化し、顧客基盤を拡大することが期待できます。

    • 具体的な企業例: 株式会社キャリアバンク、株式会社ヒューマンアイズ

  2. エネルギー領域における再生可能エネルギー関連企業との資本業務提携: ポート株式会社は、エネルギー領域において電力・ガス事業者向けの販促支援サービスを提供しています。再生可能エネルギー関連企業と資本業務提携することで、再生可能エネルギーの普及促進に貢献し、新たな顧客層を獲得することが期待できます。

    • 具体的な企業例: 株式会社自然電力、Looop株式会社

  3. ファイナンス領域におけるFintech企業との資本業務提携: ポート株式会社は、ファイナンス領域においてカードローン領域の販促支援サービスを提供しています。Fintech企業と資本業務提携することで、新たな金融サービスの開発や顧客体験の向上に取り組むことが期待できます。

対象企業となるM&Aや資本業務提携

  1. 大手人材紹介会社による買収: ポート株式会社は、国内最大規模の新卒会員基盤や独自のビジネスモデルを有しており、大手人材紹介会社にとって魅力的な買収対象となり得ます。買収により、大手人材紹介会社はポート株式会社の顧客基盤やノウハウを活用し、事業をさらに拡大することが期待できます。

    • 具体的な企業例: 株式会社リクルート、パーソルホールディングス株式会社

  2. 大手広告代理店との資本業務提携: ポート株式会社は、Webマーケティングに強みを持っており、大手広告代理店との連携により、より大規模な広告キャンペーンの実施や新たなマーケティング手法の開発に取り組むことが期待できます。

    • 具体的な企業例: 株式会社電通グループ、株式会社博報堂DYホールディングス

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