見出し画像

2024年9月2日週まで直近のM&A情報

目次

  • すかいらーくHD、株式会社資さんの株式の取得(子会社化)

  • 千葉銀行、エッジテクノロジー社の完全子会社

  • セコムと伊藤忠商事、共同でパスコ株式会社の株式公開買付け

  • SHIFT、株式会社 OZsoft の株式取得(子会社化)

すかいらーくHD、株式会社資さんの株式の取得(子会社化)

当事者

  • 買主:株式会社すかいらーくホールディングス

  • 売主:ユニゾン・キャピタル4号投資事業有限責任組合、Unison Capital Partners IV(F), L.P. 、ナイン・ステーツ・4投資事業有限責任組合、他少数株主2名

  • 対象企業:株式会社資さん

案件に関する概要

  • 案件目的

    • 資さんは、北九州を中心に人気のあるうどん・和食チェーンであり、九州地方でロードサイド展開している。資さんは、幅広いメニュー、手頃な価格、迅速な料理提供により、多くのお客様に支持されている。また、関西進出を果たし、関東進出も計画しており、更なる成長のためにリソースを必要としている。

    • すかいらーくホールディングスは、地方のロードサイド店舗における自社競合を解消するため、業態転換を検討しており、集客力のある新ブランドを求めている。

    • 今回の株式取得により、全国展開を目指す資さんに、すかいらーくホールディングスの店舗開発力、サプライチェーン、人材、資金などを活用してもらうことで、シナジー効果を生み出し、双方にとってメリットのある関係を築けると判断した。

  • 案件概要

    • すかいらーくホールディングスが、株式会社資さんの全株式を取得し、子会社化することを決定した。

  • 対象企業概要

    • 企業名:株式会社資さん

    • 所在地:福岡県北九州市小倉南区上葛原2丁目18番50号

    • 代表者:代表取締役社長 佐藤 崇史

    • 事業内容:うどん・和食チェーンレストランの運営

    • 資本金:50百万円

    • 設立年月日:2018年2月28日 (創業年月日:1980年12月10日)

  • 取得価額

    • 株式会社資さんの普通株式:24,000百万円

    • アドバイザリー費用等(概算額):41百万円

    • 合計(概算額):24,041百万円

買主概要

  • ガスト、バーミヤン、しゃぶ葉、ジョナサンなど、多様なブランドの外食チェーンを展開。

  • テイクアウト、宅配サービスも提供。

  • 国内外に多数の店舗を展開し、幅広い顧客層にサービスを提供している。

対象市場・競合状況

  • 対象市場:

    • 日本のファミリーレストラン市場が中心。

    • 幅広い年齢層、特にファミリー層をターゲットにしている。

    • テイクアウト・宅配市場にも積極的に展開。

  • 競合状況:

    • サイゼリヤ、ロイヤルホストなど、他の大手ファミリーレストランチェーン。

    • 個別ブランド(例:しゃぶしゃぶ、中華料理)に特化した専門店チェーン。

    • テイクアウト・宅配専門店。

    • 近年では、コンビニエンスストアやスーパーマーケットも中食需要の高まりから競合として認識されている可能性がある。

経営課題

  • インフレの影響: 原材料費、光熱費、人件費などの上昇による収益圧迫。

  • 競争激化: 外食産業における競争の激化、特に価格競争の激化。

  • 消費者ニーズの多様化: 顧客の嗜好の変化への対応、健康志向や個食ニーズへの対応。

  • 人材確保と育成: 労働力不足、従業員の定着率向上、サービス品質の維持。

経営戦略

  • 既存店強化:

    • メニュー・プロモーション施策の強化、顧客満足度の向上。

    • 店舗改装、デジタル技術導入による業務効率化と顧客体験向上。

  • 積極的な新規出店:

    • 高収益が見込める立地への出店。

    • 新ブランド開発、既存ブランドの業態転換。

  • 宅配事業の拡大:

    • 自社宅配・配達代行の積極的なキャンペーン展開。

    • 営業エリア・時間の拡大。

  • DX推進:

    • 店舗運営・MDセンターにおけるデジタル技術活用による生産性向上。

    • 本部業務におけるDX推進。

財務概要(2024年度 通期修正ガイダンス)

  • 売上高: 3,950億円(前年比111.3%増)

  • 営業利益: 240億円(前年比205.3%増)

関連資料

千葉銀行、エッジテクノロジー社の完全子会社

案件概要

株式会社千葉銀行(以下、千葉銀行)は、エッジテクノロジー株式会社(以下、対象者)の株式および新株予約権のすべてを取得し、対象者を完全子会社化することを目的とした公開買付け(以下、本公開買付け)を開始しました。買付予定数は7,190,600株で、買付価格は1株あたり841円です。

案件目的

千葉銀行は、対象者を完全子会社化することにより、以下のシナジー効果の実現を目指しています。

  • 顧客ソリューションの強化

  • 千葉銀行の業務効率化・高度化

  • 職員のAI・DX対応力の向上

  • ブランド力の向上

  • 千葉銀行グループとしての非金融事業における存在感向上、事業ポートフォリオの戦略的多角化

案件背景

千葉銀行は、第15次中期経営計画において「お客さま中心のビジネスモデルの進化」を掲げ、DX戦略「ちばぎんDX『3.0』」を推進しています。その中で、金融事業の進化や非金融事業の創造に向けた取り組み強化の一環として、異業種との連携を深めたいと考えていました。一方、対象者はAIアルゴリズム事業を展開しており、AI活用による成長市場への期待が高まっていました。

案件後の経営方針

千葉銀行は、本公開買付け成立後、対象者の企業価値向上のための経営戦略として、主にシナジー効果実現のための施策を講じる予定です。対象者の強みであるオーダーメイドのソリューションを最大限に活かせるよう支援するとともに、千葉銀行グループから役員を派遣し、人材交流を通じて、シナジーの早期実現を目指します。

案件検討の経緯

2023年3月、対象者から千葉銀行に協業の打診があり、同年11月には対象者の株式取得に関する打診がありました。千葉銀行はデューデリジェンスや経営陣との面談を実施し、2024年6月に買収提案を行いました。その後、対象者側の特別委員会との協議・交渉を経て、最終的な買付価格が決定されました。

取引スキームの特徴点

  • 本公開買付けは、対象者の支配株主である住本氏との間で応募契約が締結されており、住本氏が保有する株式はすべて本公開買付けに応募されます。

  • 千葉銀行は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限は設定していますが、上限は設定していません。

  • 本公開買付けが不成立の場合、または成立しても対象者の完全子会社化が達成されない場合は、株式等売渡請求または株式併合による完全子会社化の手続が実施される予定です。

取締役会の意見

対象者取締役会は、本公開買付けに賛同の意見を表明し、株主に対して応募を推奨しています。また、新株予約権者に対しては、応募するか否かの判断を委ねています。

価格の算出方法

千葉銀行は、対象者の株式価値算定にあたり、野村證券に依頼し、市場株価平均法とDCF法を用いて算定を行いました。

DCF法では、対象者から提供された2025年4月期から2028年4月期までの事業計画を基に、将来のフリーキャッシュフローを現在価値に割り引くことで株式価値を評価しました。その結果、1株当たりの株式価値の範囲は727円から1,146円と算定されました。

事業計画では、2026年4月期以降、人材採用コストの増加や人材教育に伴う減収の影響が軽減し、大幅な増収増益とフリーキャッシュフローの増加を見込んでいます。また、本取引によるシナジー効果については、現時点で収益への影響を具体的に見積もることが困難なため、財務予測には反映されていません。

買付価格決定までの過程

千葉銀行は、当初、1株当たり707円で買収提案を行いました。しかし、対象者側の特別委員会は、株主の利益保護の観点から価格の引き上げを要請しました。その後、協議・交渉を重ね、最終的に1株当たり841円での買付けが決定されました。

この価格は、本公開買付け公表日の前営業日終値に対して58.98%、過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して53.47%、過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して48.06%、過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して41.82%のプレミアムを加えたものです。

公正性担保措置の内容

本公開買付けにおいて、千葉銀行は少数株主の利益を保護するための措置を講じています。

  • マジョリティ・オブ・マイノリティ条項の不設定: 千葉銀行は、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(MoM)の買付予定数の下限を設定していません。これは、MoM条項を設定すると、本公開買付けの成立が不安定になり、少数株主の利益を損なう可能性があるためです。

  • マーケットチェックの実施: 対象者は、千葉銀行を含む複数の候補者から提案を受け、比較検討を通じて千葉銀行を最終候補者として選定しています。これは、市場における他の買収機会を調査・検討した上で本公開買付けが実施されていることを意味し、市場における公正な価格形成に役立っています。

関連資料

エッジテクノロジー株式会社株券等(証券コード 4268)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ

セコムと伊藤忠商事、共同でパスコ株式会社の株式公開買付け

案件概要

セコム株式会社と伊藤忠商事株式会社は、共同でパスコ株式会社の株式公開買付け(TOB)を実施し、パスコを非公開化する方針です。買付価格は1株当たり2,140円で、買付予定数は上限なしとしています。TOBが成立しなかった場合、株式併合等の措置を通じてパスコを非公開化します。

案件目的

セコムと伊藤忠商事は、パスコの非公開化を通じて、セコムグループ、伊藤忠グループ、パスコグループの連携を強化し、シナジーを創出することでパスコの企業価値向上を目指します。具体的には、

  1. 既存事業の強化: 伊藤忠商事の持つ顧客基盤や販売網を活用し、パスコの既存事業を強化します。

  2. 新規取り組み・ソリューションの開発・販売支援: 伊藤忠商事のDX事業における開発体制や販売網を活用し、パスコの地理空間情報を活用した新規ソリューションの開発・販売を支援します。

  3. 利益相反回避によるパスコの利益最大化: 非公開化により、セコムとパスコの少数株主との間の構造的な利益相反問題を解消し、パスコの機動的な事業運営を支援します。

案件背景

パスコは、公共部門へのサービス提供に強みを持つ一方で、民間部門や海外市場への展開が課題となっていました。セコムと伊藤忠商事は、両社の持つ経営資源やノウハウをパスコに提供することで、これらの課題を解決し、パスコの企業価値向上を図ることができると考え、本公開買付けを決定しました。

案件後の経営方針

  • セコムグループ、伊藤忠グループ、パスコグループの連携を強化し、シナジーを創出する

  • パスコの取締役は12名以内とし、セコムが9名、伊藤忠商事が3名をそれぞれ指名する

  • セコムが代表取締役社長1名を指名する

  • パスコの監査役会は廃止し、監査役の員数を3名以内とする。セコムが2名、伊藤忠商事が1名をそれぞれ指名する

案件検討の経緯

  • 2022年10月上旬:伊藤忠商事からパスコに協業検討の打診があり、協議を開始

  • 2023年3月上旬:伊藤忠商事からセコムにパスコへの資本参加を提案

  • 2023年11月中旬:セコムと伊藤忠商事、パスコ非公開化後の出資比率を決定(セコム75%、伊藤忠商事25%)

  • 2023年11月下旬:セコムと伊藤忠商事、各種アドバイザーを選任し、パスコ買収に関する具体的な検討を開始

  • 2023年12月8日:セコムと伊藤忠商事からパスコに共同提案書を提出

  • 2023年12月下旬:パスコ、各種アドバイザーを選任

  • 2023年12月22日:パスコ、特別委員会を設置

  • 2024年1月下旬~4月上旬:セコムと伊藤忠商事によるパスコへのデューデリジェンス実施

  • 2024年5月上旬~下旬:追加のデューデリジェンス実施

  • 2024年8月7日~9月2日:セコムと伊藤忠商事からパスコに買収価格提案を複数回行う

  • 2024年9月2日:買収価格2,140円で合意

  • 2024年9月4日:パスコの特別委員会が、買収価格を含む取引条件が妥当である旨の答申書を提出

  • 2024年9月5日:パスコ取締役会にてTOBへの賛同と応募推奨を決定

取締役会の意見

パスコ取締役会は、本公開買付けに賛同し、株主に対して応募を推奨する意見を表明しました。これは、本取引がパスコの企業価値向上に資すると判断したためです。

価格の算出方法

  • 算定機関: 野村證券株式会社

  • 算定手法:

    1. 市場株価平均法: 過去一定期間の市場株価を平均して算定

    2. 類似会社比較法: 類似企業の株価と比較して算定

    3. DCF法: 将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて算定

  • DCF法の詳細:

    • 対象期間: 2025年3月期~2029年3月期

    • 基礎データ: パスコの事業計画を基に、直近までの業績動向、デューデリジェンスの結果、公開情報を考慮して修正

    • 割引率: 7.25%~8.25%

    • 継続価値算定方法: 永久成長率法、マルチプル法

    • 永久成長率: -0.25%~0.25%

    • EBITDAマルチプル: 3.5倍~5.5倍

    • シナジー効果: 現時点で算定困難なため、加味せず

買付価格決定までの過程

  • セコムと伊藤忠商事は、第三者算定機関による株式価値算定結果、デューデリジェンスの結果、市場株価などを総合的に勘案し、パスコとの協議・交渉を経て、買付価格を決定しました。

  • 買収提案は複数回行われ、当初提案の1,900円から最終的に2,140円まで引き上げられました。

  • 最終買付価格は、以下のプレミアムを含んでいます。

    • 公表日の前営業日の終値: 31.37%

    • 過去1ヶ月間の終値の単純平均: 32.26%

    • 過去3ヶ月間の終値の単純平均: 22.15%

    • 過去6ヶ月間の終値の単純平均: 17.45%

公正性担保措置の内容

  • 特別委員会の設置: 独立社外取締役を含む委員で構成される特別委員会を設置し、取引の公正性・妥当性などを検討

  • 第三者算定機関による株式価値算定: 独立した第三者算定機関に株式価値の算定を依頼し、買付価格の公正性を担保

  • 買付期間の延長: 法令で定められた最短期間よりも長い30営業日の買付期間を設定し、株主に検討時間を確保

  • マジョリティ・オブ・マイノリティ条件: 設定せず、少数株主の応募機会を最大限確保

  • マーケットチェック: 積極的なマーケットチェックは実施しないが、パスコは他の買収提案者との接触を制限されていないため、対抗的な買収提案の機会は確保されている

関連資料

SHIFT、株式会社 OZsoft の株式取得(子会社化)

当事者

  • 買主:ALH 株式会社 (SHIFT の連結子会社)

  • 売主:橋本 隆雄

  • 対象企業:株式会社 OZsoft

案件目的

  • SHIFT グループ会社である ALH は、さらなる売上高成長を目指し、サービスの拡充や供給体制の強化に向け、より広範囲な M&A に積極的に取り組んでいる。

  • OZsoft を迎え入れることで、エンジニア供給体制の強化を図り、インフラ領域や Java を活用する案件への対応力を強化し、事業拡大を目指す。

案件概要

  • ALH が OZsoft の株式 (持分比率 100%) を取得する。

対象企業概要(事業概要含む)

  • 社名:株式会社 OZsoft

  • 本社所在地:東京都千代田区

  • 代表者:代表取締役社長 橋本 隆雄

  • 事業内容:ネットワークソリューション、システムソリューション、システム運用、サポートデスク、評価検証

  • 設立年月日:2013 年 6 月 21 日

  • 資本金:20 百万円

関連資料

===
このようなM&A等に関する情報をまとめて・お届けしていますので、下記メディアもよろしければフォロー・ウォッチお願いいたします
・note(こちら):https://note.com/ma_watch/

・X: https://x.com/ma_watch_x

また、株式会社COUNTRY Xでは、M&Aスペシャリスト、コーポレート・ディベロップメント業務の支援サービスを提供しています。

「チャットM&Aチャット支援サービス」は、M&Aや資本業務提携に関する相談をチャットを通じて手軽に行える、月額制のリーズナブルなサービスです。

概要は下記ページからご確認ください!
https://countryx.jp/ma-alliance-service/#chat

===