マイクロアド FY24/9 Q2決算概要
この記事では、株式会社マイクロアドの2024年9月期第2四半期の決算説明資料を基に、同社の事業内容や今後の戦略、財務状況などを詳しく解説しています。
マイクロアドは、デジタル広告とコンサルティングを主力事業とする企業です。近年はCookie規制への対応や海外事業の拡大など、新たな戦略を打ち出しています。
この記事を読むことで、マイクロアドの事業概要や今後の成長戦略、財務状況などを把握することができます。デジタル広告市場やコンサルティング業界に関心のある方、マイクロアドへの投資を検討している方にとって、有益な情報源となるでしょう。
概要
マイクロアドは、主力事業であるデジタル広告において、Cookie規制の影響を受けながらも、新製品「UNIVERSE」の成長や顧客基盤の拡大により堅調な業績を維持しています。特に、中小企業や大手企業直販領域での成長は注目すべき点です。
また、コンサルティング事業においても、メディア向けコンサルティングが堅調に推移し、海外コンサルティングも中国からのインバウンド需要の回復により今後の成長が期待されます。
さらに、M&Aによる顧客データ分析企業の買収や、中国企業との合弁会社設立など、新たな事業領域への進出も積極的であり、今後の成長戦略に注目が集まります。
会社概要
株式会社マイクロアドは、2007年設立のデジタル広告およびコンサルティング事業を展開する企業です。本社は東京都渋谷区にあり、従業員数は327名(2024年3月時点)です。主要な関連会社として、株式会社MADS、株式会社エンハンス、株式会社coryがあります。
対象市場・競合状況
マイクロアドは、デジタル広告市場において、主にインターネット広告事業者や広告代理店と競合しています。
近年、Cookie規制や個人情報保護の強化など、デジタル広告市場の環境変化が加速しており、同社もこれらの変化に対応した新たな戦略を打ち出しています。
事業概要
マイクロアドの事業は、「データプロダクト」と「コンサルティング」の2つに大別されます。
データプロダクト:自社開発のデータ分析プラットフォーム「UNIVERSE」を基盤に、オンライン広告事業とデジタルサイネージ事業を展開しています。
オンライン広告事業:顧客の業界や業種に特化した19種類のマーケティングプロダクトを提供しています。中小企業向けの「まちあげ」やBtoB向けの「シラレル」などが主力製品です。
デジタルサイネージ事業:約13万面のサイネージネットワークを構築し、広告配信サービスを提供しています。特に、リテール領域(小売・流通・サロン)でのサイネージ設置数と売上の拡大に注力しています。
コンサルティング:
メディア向けコンサルティング:インターネットメディアの広告収益最大化を支援するサービスを提供しています。
海外コンサルティング:海外企業の日本市場進出や、日本企業の海外市場進出を支援するサービスを提供しています。
経営戦略
マイクロアドは、Post Cookie時代のデジタルマーケティングに対応するため、以下の戦略を掲げています。
Cookie規制への対応:Cookieに依存しない新たな広告配信技術の開発や、顧客データ分析の強化に取り組んでいます。
顧客基盤の拡大:中小企業や大手企業直販領域での顧客獲得を強化し、顧客基盤の拡大を目指しています。
海外事業の拡大:中国市場を中心に、海外事業の拡大を加速させています。
新事業領域への進出:M&Aや合弁会社設立を通じて、顧客データ分析やクロスボーダーマーケティングなどの新事業領域に進出しています。
財務概要(2024年9月期通期見込み)
マイクロアドの2024年9月期の通期業績予想は以下の通りです。
売上高:148.3億円
売上総利益:45.2億円
営業利益:7.4億円
経常利益:7.3億円
親会社株主に帰属する当期純利益:5.6億円
第2四半期累計では、計画を上回る進捗となっています。
クロスSWOT分析
Strengths(強み)
自社開発のデータ分析プラットフォーム「UNIVERSE」を保有している
多様な業界・業種に特化したマーケティングプロダクトを提供している
大手企業から中小企業まで幅広い顧客基盤を持っている
Weaknesses(弱み)
デジタルサイネージ事業の収益性が低い
海外事業の売上比率が低い
Opportunities(機会)
Cookie規制に対応した新たな広告技術の需要が高まっている
インバウンドマーケティングの需要が拡大している
Threats(脅威)
競合他社との競争が激化している
個人情報保護規制の強化
考えられるM&Aや資本業務提携のアイデア
買収企業になるM&Aや資本業務提携のアイデア
1. 小規模DMP(Data Management Platform)企業の買収
背景: マイクロアドは自社DMP「UNIVERSE」を保有しており、データ分析力に強みを持つ。小規模DMP企業を買収することで、データ基盤を強化し、より多様な顧客セグメントへのアプローチが可能になる。
具体的な企業: データセクション株式会社。同社は小売・流通業向けに特化したDMPを提供しており、マイクロアドの顧客基盤と親和性が高い。買収により、マイクロアドは小売・流通業種におけるプレゼンスをさらに高めることができる。
2. 地域特化型広告代理店の買収
背景: マイクロアドは地方自治体向け広告商品「まちあげ」を展開しており、地域経済への貢献を目指している。地域特化型広告代理店を買収することで、地域における営業力や顧客基盤を強化し、地方創生事業を加速させることができる。
3. 動画広告制作会社の資本業務提携
背景: マイクロアドはデジタルサイネージ事業を展開しており、動画広告の需要が高まっている。動画広告制作会社との資本業務提携により、高品質な動画広告コンテンツを制作・配信する体制を強化し、顧客企業のマーケティング効果向上に貢献できる。
具体的な企業: 株式会社Candee。同社はライブ配信やインフルエンサーマーケティングに強みを持つ動画制作会社であり、マイクロアドのデジタルサイネージ事業における動画広告の訴求力向上に貢献できる。
対象企業になるM&Aや資本業務提携のアイデア
1. 大手広告代理店による買収
背景: マイクロアドは独自のデータ分析技術と多様な広告商品を持つが、営業力や顧客基盤において大手広告代理店には及ばない。大手広告代理店に買収されることで、マイクロアドの技術や商品はより多くの顧客に提供され、事業規模を拡大できる。
具体的な企業: 株式会社電通グループ。同社は国内最大手の広告代理店であり、マイクロアドを買収することで、デジタル広告分野における競争力をさらに強化できる。
2. 大手IT企業との資本業務提携
背景: マイクロアドはデータ分析技術に強みを持つが、AIや機械学習などの先端技術分野では大手IT企業に遅れを取っている。大手IT企業との資本業務提携により、マイクロアドは最新の技術を活用した広告商品の開発やサービスの高度化を図ることができる。
具体的な企業: ヤフー株式会社。同社は検索エンジンやポータルサイトなど、多様なインターネットサービスを展開しており、マイクロアドの広告商品との連携による相乗効果が見込める。
まとめ
マイクロアドは、デジタル広告市場の変化に柔軟に対応し、新たな事業領域への進出も積極的に行っています。今後の成長戦略が、同社の企業価値向上にどのように貢献していくのか、注目していきましょう。
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