グレーの男
それは、旦那のチュー助のことです。
何がグレーかというと、判断基準がいつもグレー。
簡単に言えば、物事に白黒つけない人。
時に優柔不断と呼ばれ、決めるときには膨大な時間を費やす人。
そのことに、初めて気付いたのは、婚約して結婚までの3ヵ月で、初めて同棲した時。
食事の時に、口に合うかどうかを聞くと「嫌いじゃない!」と答えるんです。
私「おいしいの?」
チュー助「悪くない」
私「あまり好きじゃない味ってこと?」
チュー助「んー、でも嫌いじゃないよ」
好みの物を出すと、「おいしい」と言うので、「嫌いじゃない」=「食べられるけど、あまり好きじゃない」という意味だと私は解釈していました。
そこで、数日経った時に「嫌いじゃない」って「好きじゃない」ってことだよね?と旦那に確認したところ、
「違うよ!嫌いじゃないは、嫌いではないってことだよ!」
と、言われました。白黒人間の私はますます混乱。
「私には、その言葉わからない。好きなのか、嫌いなのか、どっちなの?」
と、聞くとさらにチュー助は、こう答えました。
「我が家では、嫌いじゃない、悪くない、ってよく使うけど、、。使わないの?」
私の家では、使わないよ!
嫌いじゃないというのは、「嫌いではなく、好きでもなく、普通ってことかな?」と聞いたが、それも違うらしい。(私の中では、可でも不可でもない、言ってみれば何の感情もない普通という表現のほうが聞きなじみあるので)
結局、チュー助の言葉は、
「嫌いじゃない=好きよりの発言」
「悪くない=好きよりの発言」らしい。
回りくどいな、、、。
チュー助に、なんで「嫌いじゃないとか、悪くないって表現するの?」と聞いたら
「すごく好きというほどでもないが、すごく嫌いでもないから」というような内容を説明してくれた。
しかし、今までそういう表現の生活をしてこなかった私には理解が出来なかった。
私の中では、常に「好きか嫌い」。
2択で生きてきてしまったので、チュー助のような抽象的な表現がわからない。というか、ストレス。
ストレスの原因は、今まで白黒つけてきた生活の積み重ねと、せっかちな性格により私の脳が、言葉の意味をより早く理解しようとしていることだと思う。
「嫌いじゃない」の、「嫌い」というワードが頭の中を駆け巡って、否定されていると感じる自分。よく言葉の意味を飲み込もうとしても、すっきりしない。モヤモヤしている。
家庭環境か、性格か、今までグレー人生を送ってきたチュー助にとっては、白黒つけなくてよい「悪くない」「嫌いじゃない」という言葉は、とても使い勝手が良いのだろう。
何でも白黒つけたい私は、「白黒つかないことが気持ち悪い!」「はっきりした表現じゃないと、理解出来ない!」と訴え続けましたが、チュー助からは、いつも「君は、そういう性格だよねー」という言葉で片付けられます。
全く性格も、生活環境も違う2人ですが、現在結婚7~8年目。
相変わらず、チュー助の語彙力は伸びず、「嫌いじゃない」と、「悪くない」を連発していますが、私もそんな生活にだんだん慣れてきました。
まぁ、私は使わないですけどね!