EPA・DHAで遺伝的リスクを軽減!青魚が心筋梗塞や脳卒中予防に効果的
△概要
心筋梗塞や脳卒中は、家族歴があると発症リスクが高まることが知られています。しかし、青魚に含まれる多価不飽和脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を積極的に摂取することで、そのリスクを軽減できる可能性があることが、スウェーデンのカロリンスカ研究所などの研究で明らかになりました。研究は日本を含む10ヵ国で行われた15件の観察研究のデータを分析し、心血管疾患の家族歴がある人がEPAやDHAを多く摂取することで、心筋梗塞や脳卒中のリスクが低下することを示しています。特に、家族歴がありEPAやDHAの摂取が少ない人は、リスクが41%も上昇する一方で、積極的に摂取している人はリスクが低く抑えられることが分かりました。この結果は、心血管疾患の家族歴がある人にとって、青魚を積極的に摂取することが重要であることを示唆しています。
□心筋梗塞や脳卒中のリスクと家族歴
○心筋梗塞や脳卒中は、家族歴があると発症リスクが高まることが知られています。これは、遺伝的な要因が関与しているためです。家族歴がある人は、心血管疾患のリスクを減らすために、生活習慣の改善や食事の見直しが重要です。
□EPA・DHAの効果
○EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、多価不飽和脂肪酸の一種で、青魚に豊富に含まれています。これらの脂肪酸は、体内で合成できないか、合成できても必要量を満たすことができないため、食事を通じて摂取する必要があります。EPAやDHAは、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患のリスクを低減する効果があるとされています。
□研究の詳細
○スウェーデンのカロリンスカ研究所などの研究者たちは、日本を含む10ヵ国で行われた15件の観察研究のデータを分析しました。研究の参加者は、過去に心血管疾患を経験していない成人4万885人で、平均年齢は62.7歳、ほぼ半数が女性でした。追跡期間中に7945人が心血管疾患を発症し、EPAやDHAの摂取量と心血管疾患の家族歴との関係を調査しました。
□結果と考察
○分析の結果、EPAやDHAの摂取量が少ない人は、心血管疾患の家族歴がある場合、リスクが41%も上昇することが分かりました。一方、積極的に摂取している人は、リスクが低く抑えられることが示されました。この結果は、心血管疾患の家族歴がある人が青魚などを積極的に摂取することで、心血管疾患リスクが低下する可能性を示しています。
□青魚の摂取方法
○青魚には、サバ、イワシ、サンマ、アジなどが含まれます。これらの魚を日常的に食事に取り入れることで、EPAやDHAを効率よく摂取することができます。また、魚油サプリメントを利用することも一つの方法です。ただし、サプリメントの使用については、医師と相談することが推奨されます。