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十五年前の君から

 ニッポンのバトスピファンの皆様こんばんは。
 木村フェムト@Femto1450)と申します。

 この記事では、現在 ほとんどの【激覇】デッキに採用されている、

 《超神星龍ジークヴルム・ノヴァXV》
 《終焉の騎神ラグナ・ロックXV》
 《三災獣サイクル》
 《深淵の巨剣アビス・アポカリプス》
 《創世の槍&盾》
 《侵されざる聖域》
 《ホーリーサイン》

 などをすべて不採用にした新構築の【激覇】デッキについて文章を書いていきます。

主な戦績

・夜蘭最高の女ch@tan_sv
 あしもかCS (3デッキ1BANフォーマット) 2024/11/17
 予選全勝1位通過 ベスト8

・木村フェムト@Femto1450
 バトラーズカップ カードラボ仙台 2024/11/24
 3勝1敗 3位
 バトラーズカップ シーガル石巻 2024/12/01
 4勝0敗 1位

※ここからの文章は常体に統一します。
※6,000文字程度。


〇 前提 - 環境考察

 …と言っても筆者が普段プレイしている仙台の環境に対しての話になるので、読み飛ばして貰っても構わない。
 ただ、新しい構築を定義するためには既存の環境への理解が不可欠であると考えているため、その思考過程を中心に綴っておく。

 かなり雑多な環境(SBは特に)だが、傾向があるにはある。

・かなり多い(よく見かける、対面する)
 激覇、ヘラ、ウィズ

・多い(見かける、対面する)
 アテナ、プチグロウ、GS系、レーヴ

・少しいる(偶に見かける、対面する)
 ラオン、ハデス、ブリギット、アレス

・最近見ない(かなりいた)
 ゼッター、アイボウ、アプロディーテ、テスカトリポカ

 各々の体感に差異はあれど、大まかにまとめると以上のようになると思われる。

 現在の環境は突出して強いor使用母数の多いデッキタイプがなく、いわゆる雑多環境である。どのデッキを使っても勝てるし、どのデッキを使っても負ける。

 筆者はそのような環境でプレイすることが得意ではない。一強と呼ばれるデッキや、プレイヤーが誰であろうと上位卓へ連れていってくれるような、キャリーしてくれるデッキが大好きだ。

 …しかし、現環境にそんな都合の良いデッキはない。

 かつての増食も、νジークも、ネコジャジャブレイドラも、想獣も、遊精も、みんな仲良く温泉に浸かっている。

 そんな中、朝起きたら降りてきた。

 否、降ってきた。

見たのは千回どころではない


 本記事で紹介するリストは上記のアーキタイプらに対して、特別コンセプトレベルで有利をつけているわけではない。
 しかし、純粋なデッキパワーやゲームレンジ、多くの対面への"負けにくさ"(いわゆる雑多耐性)、何より初見時の対応の難しさから、執筆している12月現在、高い勝率を再現できている。

〇 デッキリスト


あしもかCS ベスト8
石巻バトラーズ 優勝(フォブラ→プロミス)

デッキリスト文字起こし

×3 激覇の契約神ダン
×2 豹人ベルセルカスLT
×2 三賢神ラルヴァンダード
×2 選ばれし探索者アレックス(リバイバル)
×2 巨神要塞トール・キャッスル
×1 翼神機グラン・ウォーデンXV
×2 天帝ホウオウガXV

×3 トパーズの流星
×3 緑の世界 / 緑の自然神
×3 賢者の世界樹アガスティヤ
×3 ネオ・マザーコア
×2 千間観音堂
×1 吊られた古城

×1 バスタースピア(リバイバル)
×3 プロミスドロー
×1 エクストラドローLT(orフォースブライトドロー)
×3 ロイヤルドロー
×3 激覇ウォール

〇 概要

 大まかな動きは『槍盾ノヴァ』や『三災獣+アビス』型とあまり変わらない。《激覇の契約神ダン》や《ネオ・マザーコア》、《緑の世界》といった強力な基盤で展開しつつ、《プロミスドロー》や《エクストラドローLT》等のドローソース連打でフィニッシャーを揃えてゲームに勝つ。
 しかし、今回の構築ではフィニッシャーに《巨神要塞トール・キャッスル》を採用し、足回りの滑りを良くするため《トパーズの流星》《賢者の世界樹アガスティヤ》等を採用した。

 リーサルプランは基本的に《トール・キャッスル》+《千間観音堂》の一撃 20~30枚破棄によるLOだが、デッキ破棄が通らない相手に対しては激覇ギミックであることを活かして、

《トールキャッスル》5点+《グラン・ウォーデンXV》によるマジックメタ

でライフを狙いに行く。
 《トール・キャッスル》のLv2-3効果でラバーズをケアできるなど、殴る分にも意外と火力が高く、通りやすい。(最高の女chが入賞した時はLOせずほぼ殴って勝ったらしい。)
 ゲームレンジは先2~4、後2~3を目標としている。従来の激覇デッキよりも《ホウオウガXV》や《激覇ウォール》でターンを貰えた時のバリューが大きいことも魅力の一つだ。

〇 プレイの優先順位

 方針としてはとにかく先ドロー、ダンの契約域や赤ドロソを先にプレイすることで1枚でも多く公開領域を広げ、ディスカードの選択肢がより豊富な状態で青ドロソ(ルーター)を撃つことを心掛けたい。
 もちろん手札の内容や使えるコア数、何ターン目か などシチュエーションによって変動するが、基本的には以下の順番で動くことが多い。

①(0コストで配置できるアガスティヤ)
② ダン契約域1ドロー
③ 《プロミス》《フォースブライト》などの赤ドロソ
《アレックス》疲労 /《緑の世界》配置時1ドロー
⑤ 《ベルセルカスLT》《ロイヤルドロー》などの青ドロソ

青ドロソの使い方

 青ドロソは撃つ時点でディスカードが最低でも1枚(出来れば2枚共)確定した状況で、実質的な赤ドロソのように運用したい。

○ ディスカして良いカード一覧

・2枚目以降の《トパーズの流星》《ネオ・マザーコア》
・3枚目の《契約神ダン》
・明らかに使わない《激覇ウォール》

難しい部分

 《アレックス》の疲労効果、2枚目以降の《緑の世界》配置時効果及び《緑の世界》下における《ラルヴァンダード》効果でドローすべきか否かの判断が非常に難しい。

 しかし、勝敗に直結する分岐となることが多いため、この部分に関してはひたすら一人回しを繰り返して感覚を掴むしかない。

 分かりやすい例を挙げると、
 手札に

 2枚目以降の《緑の世界》
 《ベルセルカスLT》
 2枚目(既にフィールドに貼っている)の《トパーズの流星》
 2枚目の《ネオ・マザーコア》

 とあった場合、《ベルセルカスLT》で3アドを取れることが確定しているため、アクセルで使うコアを捻出するために《緑の世界》の配置時効果はコアブーストで使うことが多い。

 上記のように1コアを1ドロー以上に変換できる場合はコアブースト推奨だ。

〇 各カード解説


《トパーズの流星》《ネオ・マザーコア》各3投

ジョー星ゼロルピア

 デッキコンセプト。

 契約であるダンも含めて場に揃うと、
 すべてのネクサスが3~4軽減ノーコストで使用できるようになる。

 ゲーム序盤はコアのロスが如何に少なく済むか考えつつ、
 この2枚が揃うことを目標にプレイする。

 また、《マザーコア》がない状態でも、フィールドに

《トパーズの流星》+《ラルヴァンorアレックス》2体

が揃っているとソリティアに入れることが多い。

 いつの間にか揃っている、気が付いたら揃うことも多いので、先に《トパーズ》を貼れたら《マザーコア》は本当に必要なのか、必要だとしたらどこまでのリソースを割いて探しに行くのか検討する。

 《マザーコア》のドロー効果発揮は基本狙わず、ぬるぬるになったネクサスの展開やドローマジック中心にデッキを掘り進めていく。

《激覇の契約神ダン》3投

アメリカ大統領に勝利した男

 第2のドローステップ。
 2枚目を初手に引いて来ても強く、貴重な赤ドロソの軽減になるので3投。(…しているが、3確ではない認識。)

 また、フィニッシュに乗っているコアが必要ないため、契約技を撃てるタイミングであれば積極的に撃っていい。

《三賢神ラルヴァンダード》2投

物に例えると潤滑油

 2投は個人的にかなり良い感触で、C6になった中盤~終盤にドローソースを連打しても大集合せず、序盤だけ都合よく出せるイメージ。強気に3投することも視野ではある。

 小物のアタッカーとしては運用せず、《トパーズ》や《ホワイトホール》をプレイする時の軽減としての役割が強い。ミラーには1コア乗せて棒立ちさせるだけで大体生きて帰ってくるのがギャグセン高い。

《選ばれし探索者アレックス(リバイバル)》2投

リバイバル前を3枚12kで買ったのは良い思い出

 序盤の内はかなり高確率でターンを貰える受け札兼足場。
 この構築、というか【激覇】で採用する場合はバーストに伏せるのと素出しするのが50-50くらいになる印象。
 限りなく3投に近い2投枠。ドローorコアブの選択はケースバイケースだが、ドローの割合が多め。迷ったらドロー。

《巨神要塞トール・キャッスル》《千間観音堂》各2投

『なにか‥‥‥今までにない、力を‥‥‥感じる‥‥‥。』
↑何が???????????

 フィニッシュ枠。
 最早お馴染み、巨神機トールと機動要塞キャッスル・ゴレムのディスペクターと、マジックハンマーのインテリア版。
 後述するループ型と比較して強い点として、

・召喚時、コアブーストなどの誘発効果を踏まない。
・デッキが最大限に回らなくてもリーサルを作りやすい。
・破棄メタを積まれていても打点追加でライフを狙える。

などの点が挙げられる。

《緑の世界 / 緑の自然神》3投

初手に来た時の安心感たるや

 足場兼相手の雑殴り牽制要員。
 コアブをドローに変換する効果を使うか否か、常に考えてプレイする。

 【激覇】ミラーにおいて疲労させてきたアレックスをボトム送りにして相手のテンポを崩すプレイは頻出。

 《トパーズの流星》と一緒に初手に引いてきたときは大体コッチ優先。軽減追加よりもコアブーストによる選択肢の増加の方が最序盤は恩恵を受けやすい。

《賢者の世界樹アガスティヤ》3投

樹液がローションになってることで有名、メインぬるぬる要員。

 《トパーズ+マザーコア》下において最強のネクサス。
 Lv2のライフ減少に合わせてリソース補給する効果も非常に強力で、対面していると分かりにくいが、アガスティヤによって生まれた1ドローないしは1コアブーストが敗着になることも多くある。

《ハンドが増えるドロソ》6投

ぶっ壊れ

 オススメの構成は

《プロミスドロー》3
《フォースブライトドロー》2~3
《吊られた古城》1

採用候補

《エクストラドローLT》
 
軽減が強く、3枚目の捲りで赤が出なくてもボトム送りにして、タイミングを伺って《アガスティヤ》で引いて来ることができる。

《バスタースピア(リバイバル)》
 当日は読みという名の雰囲気で採用したが、おおむね1コスト2ドローで運用できる点、使えない対面には積極的にディスカの弾にできる点で高評価。
 【激覇トパーズ】ミラーにおいては《トパーズ》や《マザーコア》といった主力ネクサスを序盤から狙い撃ちできるため、これから活躍の場が増えていくかもしれない。
 期待の一枚。

《青ドロソ》2+3投

ベルセルカスが本当に偉い

 どちらにも共通して言えることは、『プレイの優先順位』にも書いた通り、『捨てるカードを確定させた状態で使う』ことである。
 繰り返しになるが 2枚目以降の《トパーズ》や《マザーコア》を切ることによって疑似的な《1コスプロミスドロー》《1コスダブルドロー》を再現する。

 当たり前の話だが系統に『激覇』を持っていることも優秀で、《ロイヤルドロー》はもちろん《ベルセルカスLT》に関しても、《ダン》の契約域で1ドローに変換できるのが無難に強い。
 ハンド枚数がカツカツな序盤は特に、埋めてしまっても構わない。

《防御激覇》2+3投

激覇ウォールはシクが正義

 マサチューセッツ工科大学の主席論文で発表された最新の研究によると、

《ホウオウガXV》1投
《激覇ウォール》2投

(デッキ内激覇:13/39枚)

がベストな激覇比という結果に。

 1ターン貰えた時のバリューが【激覇GS】等よりも高く、かつ《アレックス》3投が主流になってきている文脈もあり、ほぼ確受けの防御札とは言え最低限の採用・配分となっている。

 《ホウオウガXV》を《イスフィールXV》に替えるチューニングもアリだが、2枚目の《ダン》を引いたら先2や後2であっても構えられて、手元に置き得なこのカードはなんだかんだ強い。

〇 大局観

 すべてのデッキに対して先手・後手を問わない、
 ソリティアによる2~3キルを主張する。

 より解像度を高めて言えば こちらが先手を取った場合、
 相手に後手2ないしは後手1キルさえされなければ勝つ。

 といった認識で少なくとも筆者はこのデッキを使っている。
 後手を取った場合もお家芸である

 《アレックス》コアブ→《ダン》
 や
 《ダン》×2→赤ドロソ

 といった先手にはない、後手ならではの強ムーヴが多数あり、油断ならない。(もちろん 3キルの安定率も高まっている)

 相手に早期リーサルを強要できる点もこのデッキの強みの一つで、《アレックス》や《アガスティヤ》を誘発させてゲームスピードを一気に速めることができる。
 さらに踏み込んで言えば、早期リーサルを強制できているからこそ、『相手のミスを拾って勝ちやすい』側面も持っている。(ここだけの話、優勝できたバトラーズも正しいプレイをされていたら2-2とかだったかも…)

〇 対面知識

※ サンプルリスト→対面毎の意識など

【激覇(GS系)】

リストが古すぎる

 こちらの方がゲームレンジが1テンポ早く、序盤から盤面に触れるデッキでもないのでかなり有利な認識。大会ではまだ一度も負けていない。
 《侵されざる聖域》や《メビウスリング》などの破棄メタだけ注意。

【ラオン】

フリーデンで緑の世界割られるのがダルい

 後手投了、ジャンケン勝ったらゲートオープン界放。
 先手取ったとしても《ナルシス》絡んで2キルプラン組まれるとキツイ。
 合掌。

【ウィズ】

完コピ構築①

 相手が《巨神機トールXV》にアクセスするのが先か、
 こちらがソリティアを始めるのが先かの速度勝負。
 《オーバーハイプリエステス》を貼られた場合は土地を拡げることに注力し、リーサルターンにドロソを連打できるように立ち回りたい。

【プチグロウ】

完コピ構築②

 便乗ドローサイクルを置かれた時とは逆で、1-2ターン目は赤ドロソを撃って確受けの《アレックス》やキーパーツである《トパーズ》《マザーコア》を探しに行き、3ターン目に抱えたネクサスを一気に展開できるようゲームを進める。

 契約によるネクサス破壊で一見、不利相性気味に見えるマッチだが、少なくとも後手1はカウントを盛るために殴って来てくれるため、極端にやりづらい印象はない。

 誘発系の汎用カードが多いため、ループ型を握る際はケアレスミスに注意しよう。

【アイボウ】

最近はカシウスやバーストなど、殴れる小物が多いイメージ

 1-2ターン目は《スコルエンペラー》で大きくアドを取られないよう、1ドロー系のアクションや《ロイヤルドロー》を優先してプレイする。
(24年前半の【タワーアイボウ】対【ジャバド】のアイボウ側のスコエンケアに近い)
 相手が『龍皇覚醒』を使い始める前に、素早く《マザーコア》を設置してソリティアに入ることを意識する。

【ハデス】

スピッツァー→シンクロシンジ

 《シンジ合体クリュメノス+ジェスタ・クラウン》や《セブンショーグン+デストロード》の詰めを早期に展開されることはかなり稀なので、ライフが4つあれば基本的に《アレックス》で確受けすることができる。

 《デルズ・ヴァジュラム》が欠損していれば、ネクサスにコア乗せて《ホウオウガXV》を構える でも受けが成立する。



 大まかな説明はこれで以上になります。
 ここまで読んでくださりありがとうございました。

 有料部分ではさらに開発を進めたループ型の【激覇トパーズ】についての文章を書いています。
 この記事でギミックに興味を持っていただけた方には是非とも読んでいただきたい内容となっております。
※ 対面知識同様、後日更新予定の内容がございます。


 質問・感想などあればリプライやDMで気軽にご連絡ください!

 ここまでお付き合いいただいた皆様に感謝を。
 アロハ!


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