しろ色のつくり方
タイトルをあれこれと考えて、結果これにしたのですがなんとなく意味深な感じのを選びました。
メンタル的な内容なのかな?と匂わせる感じです。
そう思っていたらタイトルとトップ画像の罠にハマったということです。
大変申し訳ありません。
今回は「色」についての内容です。
色付き絵の具から「白色」が作れるとの話を聞き、調べた内容をまとめてみました。
タイトルは、「白色」の作り方 の方がニュアンスは伝わると思うのですが、あまりにも味気ないので少しアレンジ(遊び心)を加えたのが今回のタイトルです。
自分でもやってみて思いましたが、「」や漢字で印象って変わりますね。
「白色」が色付き絵の具から作れることに興味がない場合、まったく関心の持てない内容になっていますので、悪しからずご了承ください。
では本題に入ります。
「色」三原色について
色についての基本的なこと
三原色とは聞かれたことがある方も多いと思います。しかし、三原色が二種類あることやその違いをきちんと説明できる方は少ないのではないでしょうか?
まず、大前提の三原色について「光の三原色」と「色(印刷)の三原色」があります。
*光の三原色
・赤(レッド)・緑(グリーン)・青(ブルー)
*色(印刷)の三原色
・シアン・マゼンダ・イエロー
教科書で習う三原色
・赤・青・黄色
カラーの基礎として一般的に習う「三原色」と聞いて、思い浮かべるのは・赤・青・黄色ですね。
これらの赤・青・黄は、絵の具や色鉛筆で色を混ぜ合わせた経験があり、身近で分かりやすいからです。子どもの頃から教科書でも「色の三原色は赤・青・黄」と習いますよね。
絵の具で色を混ぜる「加法混色」の発想から生まれた概念なので、一般的な初歩の段階ではこの三原色が教えられます。
しかし、印刷などの色を扱う専門分野に入ると、話は変わってきます。そこで登場するのが「CMYKの原色」です。
CMYK(シアンマゼンタイエローブラック)は、印刷物やデジタル画像での減法混色に使う色指定方式なのです。赤・青・黄とは全く異なるカラーシステムなのです。
また「光の三原色」もあります。これは映像やディスプレイで利用されている三原色です。
このように、色を扱う際の三原色は利用方法によって違いがあるのです。教科書だけでなく、時に専門的な観点から知ることで感じ方も変わりますね。
利用方法で変わる三原色
「光の三原色」と「色(印刷)の三原色」
それぞれ以下のような違いがあります。
【光の三原色 - RGB】
R(赤)
G(緑)
B(青)
これらの光を組み合わせて、様々な色を再現しています。テレビやスマートフォンの液晶ディスプレイ、プロジェクターなどで活躍する三原色です。
一方で、印刷の世界で使われるのが「色(印刷)の三原色」です。
【色(印刷)の三原色 - CMYK】
C(シアン:青緑)
M(マゼンタ:赤紫)
Y(イエロー:黄)
K(ブラック:黒)
シアン、マゼンタ、イエローの3色のインキを重ね、さらに黒インク(K)を加えて色を表現するのがCMYKです。
このように、光を使う画像表示と、インクを使う印刷では、三原色の概念自体が異なるのです。それぞれの表現方法に合わせて、最適な三原色が使い分けられているのですね。
RGBとCMYKは、色を表現する際に使われる重要な概念
【光の三原色:RGB】
RGBは、ディスプレイやプロジェクターなどの映像機器で使われる加法混色の方式です。
R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3色の光を組み合わせ、様々な色を生成します。
RGB値は0〜255の256段階で指定でき、約1,677万色を表現できます。
ディスプレイの各画素が赤、緑、青の光を発し、その割合を変えることで様々な色に見えます。
プリンターインクとは違い、光を発する性質があります。
デジタル画像のデータもRGB値で色を指定しています。
映像やWeb用の色指定にRGBが使われています。
【色(印刷)の三原色:CMYK】
CMYKは印刷やDTP(デスクトップ出版)の世界で使われる色指定方式です。
C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色を重ねた減法混色で色を表現します。
CMYKは印刷インキの色なので、光を反射して色を出す性質があります。
シアン(青緑)はレッド光を吸収、マゼンタ(赤紫)はグリーン光を吸収、イエローはブルー光を吸収します。
3色を全て重ねると理論上は黒になるはずですが、印刷物では不完全なので黒インク(K)を加えます。
CMYK値は0〜100%で指定でき、刷り重ねにより様々な色を表現できます。
印刷物や紙媒体での色指定にCMYKが不可欠です。
このように、CMYKとRGBはそれぞれ印刷と映像の分野で、異なる仕組みと特性を持った色指定方式なのです。用途に応じてCMYKとRGBを使い分けることが重要になります。
ちなみにKは何?
"K"の正式な呼び名は"Key plate"(キープレート)と呼ばれています。
キープレートとは、印刷で使う黒色(ブラック)のインキを指します。
印刷における黒インキの重要な役割が関係しています。
色の基準となるキー色
CMYの3色だけでは、完全な黒色は出せません。キープレートの黒が、他の色を調整する際の基準"キー"になるのです。印刷物の主役(キー)
文字や線画、影などの印刷物の主役(キー)となる部分は、しばしばこの黒一色で表現されます。色調を調整するキー
キープレートの黒を加えることで、CMYだけでは出せない深みのある色調整が可能になります。
つまり、キープレートの黒は、色の基準であり、さらに色調の調整役でもあるため、"キー(Key)"を意味する呼び名が付いているわけです。
印刷においてキープレートは、シアン、マゼンタ、イエローと同等、もしくはそれ以上に重要な存在ですね。
キープレートの名前に込められた意味を知ると奥深さが垣間見えてきます。
「白色」の作り方
「光の三原色」から生み出される
モニターなどの画面で真っ白を表示するには、RGBの三つの光をすべて最大限に発光させる必要があります。
R(赤)の発光強度を最大 255
G(緑)の発光強度を最大 255
B(青)の発光強度を最大 255
この3つの光が等しい割合で混ざり合うと、人間の目には真っ白に映るのです。
これは、光の三原色が等量で存在すると、可視光線の全ての波長が含まれるためです。波長の異なる光が等しく入り交じることで、私たちは「白」と知覚するのです。
一方で、RGBそれぞれの強度が異なると、赤っぽい白や青みがかった白などの色味の違う「白」になります。こうした色の付いた白は、デジタル機器では微調整が可能です。
例えば、
R255、G248、B248なら温かみのある白に
R248、G248、B255なら冷たい印象の白に
このように、光の三原色の発光強度を変化させることで、白一色の中に緻密な階調や色味の違いを作り出せるのです。
つまり、RGBの等量混合で真っ白が生まれ、比率を変えることで多様な白の表現が可能になるわけです。身近で当たり前のように見える「白」も、光の三原色が生み出す色彩の妙だったのですね。
「色(印刷)の三原色」を混ぜる
ここで質問です。
CMYを等量で混ぜ合わせてみるとどうなると思いますか?
その結果は、白では無くどす黒い色になってしまいます。
思ったような理想的な色は生まれませんでした。
【シアン(青緑)とマゼンタ(赤紫)を混ぜる】
まずはシアンとマゼンタを等量ずつ混ぜました。かき混ぜていくと、だんだんと紫色に近い濃い青紫色になっていきました。
【マゼンタとイエローを混ぜる】
次に、マゼンタとイエローを混ぜてみます。ある程度かき混ぜると、オレンジに近い暗い赤茶色ができあがりました。
【イエローとシアンを混ぜる】
最後に、イエローとシアンを混ぜてみました。かき回していくとだんだん緑色に近づき、最終的には深い緑色ができあがりましたね。
ここまでの混ぜ実験で分かったのは、CMYを2色ずつ混ぜると、ある特定の色が生まれるということです。CMYを組み合わせれば様々な色を生み出せるのです。
「色の三原色」から「白色」を作る方法
赤、青、黄の三原色からは白色を作ることができます。
①まずは青と黄を等量で混ぜ、緑色を作ります
青の絵の具 1つ分
黄の絵の具 1つ分
混ぜると緑色ができあがります
②つぎに、この緑色に残りの赤と青を加えます
緑色(①で作った) 2つ分
赤の絵の具 1つ分
青の絵の具 1つ分
③これらをよく混ぜ合わせると...
なんと、理想的な白色の絵の具ができあがるのです!
この過程で大切なのは、緑を作る段階で青と黄を等量で混ぜ、更に緑の量を赤と青の2倍にすることです。
赤、青、緑の三色を等量の割合で調節することで、光の三原色が同量含まれた状態になり、脳がそれを白色として認識するからです。
赤1、青2、黄1の割合で三原色を組み合わせるという、ある意味で化学的な "方程式" を解くことで、白色が生まれるというわけですね。
色彩の不思議さを感じずにはいられません。
以上、「絵の具で白色を作れる」と聞いてどうしても書きたくなったことでした。
話のネタになれば幸いです。