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インドに180日以上滞在するための手続きについて。

インドに180日以上居住する外国人は、入国より14日以内の外国人登録FRRO登録:Foreigner Regional Registration Office)を義務づけられています。

また、インドで銀行口座を開設するには納税番号PANカード:Permanent Account Number)を取得する必要があります。

さらにはアダールカード(日本でいうマイナンバーカード)があり、こちらは外国人には登録義務がありませんが、取得しておくと身分証明書としてパスポートの代わりに利用することができ、PCR検査を受けるときなどに使え、便利です。

インドに入国してから3か月でようやくアダールカードの取得まで完了しましたので、関連手続きの一連の流れをここに記します。

1.外国人登録(FRRO登録)※義務

インドに180日以上居住する外国人は、入国より14日以内の外国人登録を義務付けられています。

現在はオンライン上(e-FRRO)にて申請することができます。
私の場合14日内に申請、14日経過後に登録完了となりましたが、ペナルティは発生しませんでした。
入国より14日以内に「申請」すれば問題なさそうです。

登録後、メールで登録証明書が送られてきます。
インドにおける出入国の際、イミグレーションで求められた場合には、そのコピーを提示しなければなりません。

申請にあたり必要となる書類は以下の通りです。
なお、申請時期や地域によって必要となる資料や審査の厳しさが異なるようですので、ご注意ください。

・居住証明(ホテルに居住した際に発行される「フォームC」など)
・パスポート(写真ページ、VISAページ、直近の入国スタンプページ)
・雇用契約書(給与、雇用期間、納税義務について記載されているもの)
・証明写真
・リクエストレター(今回の申請に対する依頼書)
・会社からの身元引受書(インド人ホスト等のサインを受けたもの)
・賃貸人無犯罪証明

2.住居の契約 ※PANカード申請に必要

銀行口座開設まで、手持ちの現金と日本から持ってきたクレジットカードでの資金繰りを余儀なくされますが、何と銀行口座開設の前々段階で住宅の契約を済ませる必要があります。

チェンナイでは6か月以上のデポジットを契約締結時に納めることが普通であり、入居に際しては多額のインドルピーが必要となり、資金繰りはかなり厳しくなります。

この段階で、早くもインド社会の不合理に直面することとなります。

詳細はこちらの記事にまとめておりますのでご参照ください。

3.納税番号(PANカード)の取得 ※銀行口座開設申込に必要

PANとはPermanent Account Numberの略で、納税番号を意味します。

PANは主に以下のような場合に求められ、実質的にインドに長期滞在する外国人には必要な手続きとなります。

・銀行口座を開設する場合
・固定電話、携帯電話の回線の契約をする場合
・.クレジットカード、デビットカードをインド国内で作成する場合

登録に必要な書類は以下の通りです。

・パスポート(写真付きIDとして)
・住宅証明書(公共料金の請求書、賃貸契約書など)

私の場合、入国してから6か月弱はホテルに一時的に滞在し、物件を探す予定でしたが、この一時滞在先が案外快適だったため、そのまま賃貸借契約を結ぶこととしました。

PANカード申請時点では、賃貸借契約の開始日前であったため、特別に滞在先ホテルから居住証明書(ホテルチェックイン日~賃貸借契約終了日の居住を証明するレター)を発行してもらい、本書類にて私の住所を証明しました。

4.銀行口座の開設 ※給与受取等に必要

ここまでで入国してからだいたい2か月が経過しています。
PANカードが発行され、ようやく銀行口座開設の申込に進むことができます。

申込に必要となる書類は以下の通りです。

・口座開設申込書
・パスポート(写真ページ、VISAページ、直近の入国スタンプページ)
・FRRO登録証明書
・PANカード
・証明写真
・住宅証明書(公共料金の請求書、賃貸契約書など)
・雇用契約書
・日本のマイナンバー番号

日本のマイナンバーカードは、日本の役所にて転出届を提出する際に返納していましたが、当時の番号を伝えれば大丈夫です。

とはいえ、インドで日本のマイナンバーを聞かれることは想定外だったので焦りました。
幸い、ふるさと納税のワンストップ特例制度の申請資料から当時のマイナンバーを探し当てることができました。

日本のマイナンバー番号はインドに来てしまった後は再発行のしようがないので、返納時に番号を控えておくのを忘れないようにしてください。

5.アダールカードの取得 ※外国人の取得義務はなし

アダール(Aadhaar)番号は、インド中央政府が全てのインド国民個人に発行する12桁の固有番号で、インド国内の取引における統一的かつ唯一の身分証明となるものです。
インド国民に取得を義務付けていますが、外国人に取得義務はありません

番号登録に際しては、文字の読み書きができない国民にも対応できるよう、指紋や虹彩といった生体認証情報も登録されます。
そのため、銀行などにある専用の事務所まで訪問し、指紋や虹彩を採取されることになります。

ちなみにこの生体認証にはNECの技術が採用されています。

申請に必要となる書類は以下の通りです。

・アダール申請用紙
・写真付ID(パスポート、PANカードなど)
・住所証明(公共料金の請求書、賃貸契約書、銀行口座のPassbookなど)

PANカードの申請時に住所証明として使用した「滞在先ホテル発行の居住証明書(ホテルチェックイン日~賃貸借契約終了日の居住を証明するレター)」は受け付けてもらえませんでした。
銀行口座のPassbookをたまたま持ち合わせていたため、こちらを住所証明に使用しました。

担当者によるかもしれませんが、このアダールカードの手続きが一番融通が利かない印象を持ちました。

住所などのタイプミスが1文字でもあれば、登録失敗となり、再度専用の事務所を訪問することとなります。

また、専用の事務所といえども担当者は常駐しておらず、銀行中を探し出して捕まえる必要があります。
運よく担当者がいた場合も窓口が混雑していることがほとんどで、平気で2,3時間待たされます。

インド社会のいくつもの不合理を受け入れた末に、アダールカードを手にすることができます。

(https://www.dtnext.in/News/TamilNadu/2019/08/07051553/1170302/TN-makes-Aadhaar--enrolment-must-for-school-students.vpf)

そして、アダールカードを手にすると、なんだかインド社会に受け入れられた気がします。

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