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2020年12月中旬発臨時便でインドに赴任しました。

会社からインド・チェンナイへの転勤を告げられた私は、家族を日本に残し、単身で渡航しました。その体験をここに記します。

いずれも2020年12月中旬時点の情報である点はお含みおきください。日本・インド政府の規制や航空会社の運用等は頻繁に更新されますので、必ずご自身で最新の状況をご確認ください。

1.日本・海外からの入国制限

当時の外務省渡航情報は「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」でした。

一方で、日本とインド両政府は10月、「エア・バブル(入国前後の渡航や移動制限などの障壁を緩和・撤廃する二国間協定)」を締結しており、全日空(ANA)や日本航空(JAL)により、定期的に羽田発デリー便がほぼ毎週運行されていました。
また、観光ビザ以外の目的で訪印する外国人の入国を許可していました。

インド入国に際しては、日本出発時刻の72時間以内*に実施されたPCR検査の陰性証明書を提出すれば隔離措置が免除されました。
*最終目的地によって異なります。チェンナイは日本出発時刻でしたが、ムンバイは現地到着時刻の72時間以内でした。

隔離措置の代わりに14日間のセルフモニタリングを行うこととなります。
セルフモニタリングは検温、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保といった、一般的な感染予防対策を指します。

2.利用したフライト

羽田~デリーの国際線は「全日空」、デリー~チェンナイのインド国内線は「Vistara」を利用しました。

航空会社によっては、新規赴任者は「赴任者パック」が使えます。
全日空のエコノミークラスの無料預入荷物の上限は通常「23kg×2個」ですが、本パックを適用すると「23kg×4個」に増えます。
さらに全日空と提携している航空会社であれば本パックがインド国内線にも適用されます。
Vistaraは全日空と提携しており、赴任者パックが適用されることから、インド国内線はVistaraを選択しました。

上述のエア・バブル制度の対象国となっている場合、インド便を運航している航空会社に直接航空券を予約することができます。
私の場合はビザ申請と併せて航空券手配を旅行代理店に依頼しました。

3.ビザ申請

就労ビザ申請に必要な書類は以下の通りでした。
なお、インドの渡航歴がある場合は追加書類が求められるようです。

・旅券原本
・証明写真
・英文会社推薦状(日本からの)
・招聘状
・英文履歴書
・インド会社のプロフィール
・雇用契約書オリジナル
・インド会社の誓約書
・インド会社の技能証明書原本
・RBI(Reserve Bank of INDIA:の投資の認可の書類)
・インドでの賃貸契約書または居住地の証明書
・現住所確認のため、運転免許証コピー(表・裏面の両面コピー)あるいは住民票原本
・現住所在住についての宣誓書
・オンライン申請書
・(旅行代理店等代理人が申請する場合)委任状

また、コロナにより以下の書類が必要でした。

・COVID-19 QUESTIONNAIRE FOR APPLICANTS OF PAPER VISA
・COVID-19 同意書
・インド会社からの渡航の緊急性を説明するrequest letter及び確認できる書類

4.PCR検査

日本出発時刻の72時間以内にサンプルを採取したPCR検査の陰性証明の提示が必要です。
これがない場合、デリー空港にてPCR検査(自費)を必ず受診しなければなりませんでした。

私はインド渡航直前は佐賀県に住んでいましたが、佐賀県内で海外渡航のためにPCR検査を受けることができる医療機関はごく僅かでした。
また、PCR検査結果を受領できるのが検査翌日の夕方というケースが多いです。
佐賀県内の医療機関もこのケースに該当し、羽田出発の72時間以内に佐賀で検査を受け、翌日夕方に結果を受領し、羽田に向かうことはスケジュール上無理がありました。
そのため、東京に前入りし、PCR検査を受けました。

5.デリー空港ウェブサイト「エア・スヴィダ」での申請

インド渡航者には「自己申告書(Self Reporting Form)」に基づく「エア・スヴィダ(Air Suvidha)」での登録が義務化されています。
登録申請は日本出発時刻の72時間前までに行う必要があります。
登録情報は、インドの滞在先住所、携帯電話番号、利用フライト情報などです。
これに加え、パスポート画像をアップロードする必要があります。
登録内容を記載したPDF「Self Reporting Form」が即時発行(おそらく自動登録)されますので、印刷するなどして係員からの求めがあれば提示できるようにしておきます。

PCR検査の英文陰性証明書を入手したら、「エア・スヴィダ」にアップロードし、指定隔離施設での隔離免除「Air Suvidha Exemption Form」の申請を行います。
数時間後に承認通知のPDFが発行され、「Self Reporting Form」と併せて携行しました。

6.タミル・ナドゥ州への申請「ePass」

私の最終目的地チェンナイはタミル・ナドゥ州にあります。
タミル・ナドゥ州は、他国・他州から州内に入域する場合に許可証「ePass」が必要となります。
こちらもウェブサイトにて申請できます。申請に必要な情報は「Air Suvidha」と同様でした。

7.航空会社への搭乗者情報連絡

新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止のため、インド政府より、搭乗者情報の提出が航空会社に義務付けられていました。
全日空の羽田~デリー便の搭乗者は、出発の48時間前までに、全日空デリー支店に以下の情報を連絡する必要がありました。

・利用便名および日付
・氏名(ローマ字)
・生年月日
・性別(Male/Femail/Others)
・パスポート番号
・インド入国上の理由
・取得済の有効な査証形式(就労査証、商用/業務査証等)
・インドでの滞在州(英字記載)
・インドでの滞在先住所(英字記載)
・インド外での連絡先電話番号
・インドでの連絡先電話番号
・新型コロナウイルス陽性検査実施有無
・勤め先の役職(英字記載)

8.羽田空港チェクイン~搭乗

通常通り第3ターミナル3階出発ロビーを使用しました。
チェックインに先立ち、「搭乗者情報の全日空デリー支店登録有無」を専用カウンターにて確認されました。
その後、チェックインカウンターの待ち行列に並ぶこととなりました。

チェックインカウンターではパスポートを提示しました。
「Self-Reporting Form」、「Air Suvidha Exemption Form」及び「ePass」の提出は求められず、口頭にて確認され、チェックインは順調に進みました。
しかし、「赴任者パック」の適用がチェックインカウンターに通じておらず、預入荷物の追加料金を請求されそうになりました。
そこで、係員に予約センターに確認するようお願いし、赴任者パックの適用を改めて確認してもらいました。

その後、空港内アナウンスにて搭乗口に呼び出され、「Excess Baggage Ticket」を入手しました。
これは、デリー国内線チェックイン時に提示し、超過料金の請求を回避するために必要なものでした。

搭乗直前には、全乗客にフェイスシールドが配布されました。
デリー空港では着用が義務付けられているとの機内アナウンスがあり、機内でも改めて着用を促されました。

なお、体感ベースでは搭乗率はおよそ1/3、うち日本人が4割、インド人が6割でした。
機内食、エンターテイメントサービスの提供は通常通りありました。

9.デリー空港到着~デリー1泊

大きな遅れなく、デリー空港国際線(ターミナル3)に到着しました。

係員の案内に従って進み、「Self-Reporting Form」、「Air Suvidha Exemption Form」などのチェックを受けました。スマホ画面の提示も可能でした。

その後、検温のためフェイスシールドを外すよう指示があり、これ以降空港内で着用を求められることはありませんでした。

そこからもう少し進むと、隔離免除者の行き先を確認するブースがあり、 もう一度書類一式を見せました。

そして、パスポートコントロールを経て、預け荷物を受取り、国際線出口で荷物チェックを受けました。

国内線建物出口(国際線建物出口は封鎖されていました)にて、宿泊ホテルを通じ手配したハイヤーのドライバーと合流し、ハイヤーに乗車しました。

デリーのホテルチェックイン時にパスポートのほか、「Self-Reporting Form」および「PCR検査の英文陰性証明書」の提示を求められました。

10.インド国内線チェックイン~チェンナイ空港に到着

翌日は、空港建物入口にてEチケットおよびパスポートを提示し、入館しました。

なお、デリー~チェンナイの国内線フライトは満席でした。
搭乗者全員にフェイスシールド、防護服が配布され着用を呼びかけられました。

そして、無事チェンナイ空港に到着し、事前に手配しておいたドライバーと合流し、ホテルに到着しました。

チェンナイに到着してから2週間以上が経ちましたが、「ePass」の提示を求められることは一度もありませんでした。

最新情報の確認と入念な準備が重要

ビザ申請を含めおよそ3カ月間、渡航に向けた準備を進めました。
・弊社のインド支社があった
・社内にインド駐在経験者が多数いた
・赴任手続きをサポートする部署が社内にあった
・フライト手配とビザ申請を旅行代理店に委託できた
ため、最新情報を確認しやすい状況にあり、一人ではなく複数名で準備を分担し、逐次ダブルチェックできる体制がありました。

お陰さまで、大きなトラブルなく無事に渡航できました。サポートいただいた皆様に深く御礼申し上げます。

繰り返しになりますが、いずれも2020年12月中旬時点の情報です。日本・インド政府の規制や航空会社の運用等は頻繁に更新されますので、必ずご自身で最新の状況をご確認ください。

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