Afterglow、サザンカ覚えてなさすぎ問題について
もはや私の「いつも通り」になっているガルパ。そのガルパをプレイ中に、ふとこう思った。
「モカちゃんがサザンカを覚えてないの、おかしくない?」
イベント『それぞれの道、結ぶ茜空』の内容をひっくり返すような疑問だが、どうしても引っかかる。
言ってしまえばサザンカは、蘭ちゃんとモカちゃんの最初の思い出だ。モカちゃんの性格からして、貰ったモノや大切な日は覚えてないよ~ってフリをしながらもしっかりと覚えているはず。特に、自分以外に関してならなおさらであり、サザンカは蘭ちゃんとの思い出である。
後で触れるが、巴ちゃん、ひまりちゃん、つぐちゃんの3人が覚えていないのはある程度仕方ない部分がある。しかし、当事者でもあるモカちゃんがサザンカを覚えていないのはやはり違和感がある。『それぞれの道、結ぶ茜空 第5話』でもサザンカの名前が出て来ないAfterglow一行に対して蘭ちゃんが、
「サザンカ!
もう、なんでみんな名前が出てこないの?
特にモカ!」
「この花……あたし達がはじめておみせやさんごっこした時、
パンの代金のかわりにモカにあげた花なんだけど」
「覚えてない?あげたのに……」
と肩を落とすように言うシーンがある。
幼い頃からずっと一緒だったAfterglowの中で、これだけ思い出の解像度が偏っているのはかなり珍しい。
この蘭ちゃんの一連のセリフの中でまず1つ目の鍵となるのは、「はじめておみせやさんごっこをした時」というワードである。モカちゃんと蘭ちゃんが「はじめておみせやさんごっこをした時」は、イベント『追想、いつかのクリスマス 第1話』で語られる。
・「はじめておみせやさんごっこをした時」について
この『追想、いつかのクリスマス 第1話』は、モカちゃんと蘭ちゃんが始めて出会った時の話である。モカちゃん、ひまりちゃん、巴ちゃん、つぐちゃんの4人は元々仲良しであり、毎日のように公園で遊んでいた。モカちゃんは特におみせやさんごっこが気に入っていたらしく、他の3人が追いかけっこを始めたのにも関わらず、客と店員の一人二役でマイペースにおみせやさんごっこをしていた。
ここに通りかかったのが、蘭パパに連れられた蘭ちゃんである。顔は知っているものの、ほぼ初対面の蘭ちゃん相手にも、モカちゃんはモカちゃんなので臆せずに
「ここはぱんやさんでーす」
と話しかける。しかしこの頃の蘭ちゃんは今以上に人見知りが激しく、蘭パパの陰に隠れてしまう。蘭パパのアシストもあり、蘭ちゃんは無事にパンを購入。この時蘭ちゃんがパンのお代として渡したのがサザンカなのである。また、ここで蘭ちゃんが買ったのはフランスパンであり、モカちゃんはパンと一緒に手作りのポイントカードを渡している。更に、モカちゃん以外の3人はこの時蘭ちゃんと出会っていない(第2話で改めて出会う)。
整理すると
・「サザンカ」は、蘭ちゃんがモカちゃんにパンのお代として渡した花
・蘭ちゃんはフランスパンと「ポイントカード」を受け取っている
・この時(第1話時点)、ひまりちゃん、巴ちゃん、つぐちゃんは
蘭ちゃんを知らない
となる。
つまり、サザンカが大切な花だと気づけるのは、蘭ちゃん以外にはモカちゃんしかいないのである。
さて、ここで2つ目の鍵が出てきた。それは「ポイントカード」である。
・モカちゃんと「ポイントカード」について
まず、モカちゃんにとって「ポイントカード」がどのような存在であるのかについてまとめる。
公式から出ている情報などを参照すると、モカちゃんは趣味として「ポイントカード集め」を挙げている。
常に結構な量を持ち歩いているらしく、『いっしょにあそぼう 青葉モカ』の右エピソード内で、モカちゃんがポイントカードの整理をしているところを見かけたまりなさんから
「どれどれ……って、すごい数だね!
カバンの中にもたくさん!」
と言われているあたり、相当な量であることがわかる。
また、カードを持ち歩くこと、に関しては幼いころからしていることであり、それは『追想、いつかのクリスマス第5話』内の、Afterglowの面々があの時サンタさんにどんなものをお願いしたのか語るシーンで触れられる。
「……あたしはあの年ね、動物の形のカードケースもらったんだ~。
自分で作ったポイントカードをしまうためのやつ。」
「でしょ?作ったカードをちゃーんと持ち歩けるように
ケースをプレゼントでもらったの。」
の、ように言っており幼少期から続いていることであることがわかる。
さて、モカちゃんにとって「ポイントカード」がどのような存在であるかであるが、これは「日記帳のようなもの」と言うことができる。これは、先ほども出てきた『いっしょにあそぼう 青葉モカ』の右エピソード内で確認することができる。
「どこのカードかじゃなくて、
そういう思い出(カードを見てどこでなにをしたのか思い出すモカちゃんに対して)も
一緒に覚えているんだね。」
というまりなさんに対して
「はい、覚えてますよ~。
あたしにとってポイントカードって日記帳みたいなものなのかも」
と返答している。さらに、
「ポイントカードって、その日誰かと行った場所で、
スタンプが押されるじゃないですか~?」
「そのスタンプを見れば、その日誰とここに行ったんだな~って
思い出せるわけですよ~。」
「そうやって誰かとの思い出がコツコツとたまっていくのが
楽しくて、それを覚えていられる……
日記みたいじゃないですか?」
と続けている。
以上の会話からモカちゃんにとって「ポイントカード」は「見ることでその時を思い出すことができる」日記帳のようなものであると言える。また、この後モカちゃんは
「……でも、あたしがポイントカードを好きな理由は、
別の理由があったのかも~って、ちょっと思ったんですよね~。」
と言い、別のところにも理由があるよというような台詞がある。ただし、この一連の台詞も
「みんなで遊ぶたびにポイントが貯まっていくのが
嬉しかったんですよね~。」
という台詞で結ばれており、結局のところ「ポイントカードで思い出が増える」という事に落ち着いている。また、モカちゃん自身の性格を考慮すると、この付け加えたような理由は、照れ隠しなのでは?と推測することができる。
長くなってしまったがまとめると
・モカちゃんにとってポイントカードは思い出や記憶を振り返る「日記帳のようなもの」である。
・ポイントカードを見ることで、思い出を振りかえることができる。
となる。
つまり、ある意味「ポイントカード」は「記憶、思い出」を司る存在なのである。
・ポイントカードを持っているのは…?
さて、全体のまとめである。
上記のことを踏まえると、蘭ちゃん以外のAfterglowがサザンカを覚えていないのは
「『はじめておみせやさんごっこ』をしたときのポイントカードは蘭ちゃんしかもっていないから」
と言うことができる。
つぐちゃん、ひまりちゃん、巴ちゃんはそもそも蘭ちゃんのはじめてのおみせやさんごっこの際にその場におらず、モカちゃんはポイントカードを「渡す側」だったので、手元には残っていない。サザンカに関する「ポイントカード=記憶、思い出」を持っているのは、蘭ちゃんだけのなのである。
・余談
結論も出たところで、ここからは推測である。
まず、この「サザンカ」に関する思い出は、蘭ちゃんしか覚えていないことに加え、蘭ちゃんにとってはAftergrowとの最初の思い出である。サザンカの花について蘭ちゃんの思いはかなり大きく
「あたしにとっては、名前の『蘭』より大事な花だよ。
みんなと出会えた花だから。」
とまで言っている。また、このサザンカに関するイベント『それぞれの道、結ぶ茜空』は、蘭ちゃんが華道の作品展に出る、というところから話が始まる。蘭ちゃんが作品の展示をするのは久しぶりであり、
「あたしは華道から離れていた期間が長いし、
今回は一番ベーシックな美しさみたいなものを目指したんだ。」
と言っている。つまり、蘭ちゃんの中のベーシック(=いつも通り)の象徴はサザンカであるとも言える。