緩和ケア科2回目(2年目11月)

 2回目の緩和ケア科ローテーションでした。自分の中ではずっと「生と死」はテーマにあり、1回目のローテーションでモヤモヤが少し開いた実感があったので、もう少し体験したいという思いで再びローテさせてもらいました。

 やはり2回目は1回目と違う気づきを体感として得ることができたと思います。痛みや呼吸困難、せん妄といった、「体のつらさ」の対応方法を学ぶのはもちろんですが、スピリチュアルペインなどどうしようもないつらさに対してどうするのかをさらに深いレベルで落とし込めた気がします。
 前回は患者さんと同じ深さに浸ることができた瞬間に、自分は何も言えなくなり固まってしまったことがありました。このような時でも、自分の中にある支えを感じることで、患者さんと同じように停止してしまうのではなく、同じ立ち位置から一歩だけ外れることができたことが大きな進歩だと思います。
 Millerの理論を基に、癒しに向かう角度の変化を体感すること、そしてアナムカラの空間を体験することで、支えとなる存在についても改めて考える機会となりました。

 Moody先生とのカンファレンスで印象的な言葉だったのは、末梢点滴をやめるかやめないかの倫理コンサルトを受けていた時、「すでに何年も前から自然に死ねていない」という言葉が刺さりました。
 今の時代、自然に死ぬとはどういうことでしょうか。自然死から逃げ続けた結果、どうなるのでしょうか。逃げたら逃げ続けなくてはいけないのでしょうか。それを自分の意思でやめることは死のコントロールと言われてしまうのでしょうか。医療によって伸びた寿命は、自然ではないのでしょうか?そして自然死を受け入れないことは悪いことなのでしょうか?受け入れることを認めてあげられないのでしょうか?

 今後の目標としては、感じたことを言葉にできるようにすること、そして外来で患者さんの心が開かれる瞬間を大切にすることを心掛けていきたいと思います。患者さんと感情レベルでのチューニングを行なっていくことも身につけたいです。また、スピリチュアルケアから学んだことを生かし、子供たちに生きるヒントを伝えていく「いのちの授業」を広げていきたいです。他には、どんな人でも抱えている、どうしようもない痛みを共有できるような場を作っていくこともしていきたいと思うようになりました。

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