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稽古考11

■ 2002/11/05  「余分な力」考

稽古をする場合、力みが入ると動きが硬くなり思うように捌けない。入り身も当然不自然なものになる。ですから、捌きや入り身に必要な力を残し、余分な力を抜き、稽古をする。しかし、必要な力さえ抜いてしまい、技にもってゆくと、それは単に「動いている」だけのものになる。

有段者であってもここを理解せずに、ただただ脱力のみにこだわって、力が抜けきっていると、迫力のない技(稽古)になってしまう。

動きにメリハリをつける、と言うとなにか安直な言いまわしのようだが、『魄(はく)』と言うのは簡単に言えば『必要な力』の事ではないのだろうか。それは、自身の腹から生み出されるもので、腰の据わった状態(腰の極まった状態)として表出される。

繰り出される技の一つひとつにこれがなければ稽古が身に付かないのではないだろうか。到底、自身の「武産」に辿り着けない。と思う。


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