共に泣いて笑った日が背中を押した季節
前日に「ヒマワリ売り切れたりしないよね?」と呟いてたのも忘れるほど忙しい午前中を過ごして、新幹線に飛び乗った。
物販の状況を確認しようとスマホのロックを解除したら、再会の約束をした友だちからの「ひかちゃんの分のヒマワリも○○ちゃんに頼んどいた!」って通知に、まだ再会してないのに涙目になった。
昔と変わらず「後から来る私の分も」と頼む前に思ってくれたことが嬉しかった。
そして「9年ぶりでお互いがすぐわかるのか?」って思ったけど、そんな心配は全く必要なかった。
手を振る姿が同じだった。
「元気だった?!ねぇ、ヒマワリって前は300円だったよね?」
「元気だったよ!え、値上がりしたの?」
9年ぶりとは思えないお互いの第一声に、本当に久しぶりに家族以外の人との会話で爆笑した。
近況報告をして、ヒマワリ代を精算して、チケットを確認して、集まってくる友達の姿にはしゃぎながら九段下の坂道を登った。
私も、そして多分みんなも抱えてた不安は口にしなかった。
一緒に入場したあと、それぞれの席に向かうとき、みんなが以前と変わらず「終わったら、またここでね!」って手を振ってくれて、またフライングで泣きそうになった。
9年前と変わらず、開演前と終演後に待っててくれる友だちがいることが嬉しかった。
終演後待っててくれたヒマワリの通知をくれた彼女に、「肩を組んでた感動が、結成エピソードのスルーで薄れた」って呟いたら、「でも、あの肩組んだ瞬間安心したよ!」と返ってきた。
充ファンの彼女と、黒ファンの私。
「ちゃんと蟠りを解消して戻ってきてくれるのか」がそれぞれの立場で不安だった。
翌日の午前中に新幹線で戻って午後から仕事。
コロナもあるし、打ち上げとはいかなかった。
家族も仕事もあるし、大阪城ホールは気持ちだけ参戦。
その後の予定は白紙。
だから、もしかしたら、また数年会わないかもしれない。
だけど、「またね!」と手を振ったから、約束は忘れない。
いつか降りしきる悲しみの雨に打たれる夜がきても。